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第40話 テンプレは天丼する

 取りあえず依頼をこなしてみたけど今度はいつまでかかるかと思うと憂鬱です。

 ゲームが恋しい。

「ふぅ~、疲れたわ。さすがに一人で百体ほどのゴブの処理はキツイわ。早く帰って一風呂浴びたいわ」

 そんな事をぼやきながらグアウェストに帰り着いた。さてと、とりあえずギルドに行ってこの大量のゴブ耳換金しよ。

 そんな事を思いながらギルドに入り空いているカウンターに向かった。

「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょうか」

「常設の依頼の達成報告で」

「そうでしたかでは証明部位とカードをお出しください」

 俺はそう言われ持っていた袋を逆さまにし無限収納アイテムボックスから袋を経由してゴブ耳と魔石を放出した結果そこには乱雑に積まれたゴブ耳と魔石が山のようになっていた。

「あの~、これって嫌がらせですかなんでこんなに大量にあるんですかと言うよりなんでそんな小さい袋からこんな大量の魔石やらが出てくるんですかって言うかあなたなんでその年齢でDランクなんですか詐欺ですか養殖ですかもうなんなんですか‼」

 さらっとディスられたんだが殴ってもいいかなコイツ、つーか殴りたい。

「言っておきますが詐欺ではないですからね」

「納得はできないですが…まあとりあえずゴブリン討伐と魔石で合計2910シアです。カードに入れときますか?」

「それでお願いします」

「入金いたしました、ご確認下さい。お帰りはあちらになります」

 なんだか嫌われたみたいだな、仕方ないしさっさと宿に戻ろうかな、そう思いギルドを出ようと歩き出したとき横から柄の悪い男たちがぶつかって来た。

「おい兄ちゃん、儲かってるみたいだなァ。怪我ァしたくなかったら出すもんだせよ、なぁ」

 絡まれた。たぶんさっきのやり取りを聞いてたんだろうが、構っている暇も余裕もないので無視して歩き出した。

「おいおい、つれねーな兄ちゃん無視すんなよッ」

 そう言いながらボディ目掛けて殴りかかって来たので俺は避けずに殴られたふりをして後方に吹っ飛んだ。

「ギャハハッザッコ過ぎィ吹っ飛んじまったよ、さて金でも貰うとするか」

 そう言いながら倒れている俺に近づいてきた。

「オラ、早く有り金全部出せよ、さもねーと殺すぞ」

 アホなことをほざいているのでチラリとさっきの受付嬢に視線を向けると一瞬目が合いすぐに反らされた。あのアマついでに痛い目にあわせてやろうか。

「ビビッて声も出ねーのかさっさと金出せよッ」

 そう怒鳴りながら蹴りかかって来たので転がって避けながらさっきの受付嬢のところまで移動した。

「逃げてんじゃねーぞッ殺されてーのか」

 今度はしびれを切らしたのか近くにあった木製のテーブルを投げてきた。一瞬避けてやろうかと思ったけどさすがに受付嬢が危ないかなと思い居合切りで打ち払った。

 打ち払ったテーブルが床に叩きつけられたとき奥から衛兵が狙ったかのように出てきた。

「貴様ァギルド内で武器を抜くのは違反だぞ罰則として奴隷落ちだッ」

 衛兵が俺に向かって剣を抜きながら一切の手加減もなく殺す気で斬りかかって来た。

「待ってくれ俺は悪くない正当防衛だ、先に殴りかかって来たのはあいつらだ」

「問答無用武器を捨てて投降しろ」

 コイツ聞く耳すら持ちやがらねぇ、予想はしてたけどこいつ等全員グルかよ。仕方ない全員まとめて相手するしかないか。

「ほんとどこ行ってもこんなことばっかりかよ仕方ねぇ、先に手出してきたのはそっちだからな後悔すんなよ。泣いても謝っても漏らしても絶対許さねぇからな」

 そこからは戦いではなく一方的な暴力に変わった。襲い掛かって来た奴らは半殺しにして、無関係装ってる逃げない奴等も問答無用で腕の骨を圧し折り抵抗できなくしてやった。ついでに逃げてなかったギルド職員は半殺しの奴らを適当にぶつけて気絶させておいた。

「ふぅ、さてとさっさとずらかろうかな」

「待ちなさい、逃がしませんよ」

 さっきの受付嬢がふてぶてしく、禿げたおっさんと一緒に俺の前に立ちはだかった。

「お前最初っから見てただろ俺は正当防衛だぞ、分かったらそこどけ俺は帰る続きは明日にでもしてくれ」

「そんなこと知りませんね、私はあなたが武器を抜いたところからしか見てませんよ。分かったらさっさと奴隷落ちにでもなって反省しなさい」

 なおもふてぶてしい態度を取りながらあたかも自分が正義かのように振る舞っている。

「お前、俺が打ち払わずに避けてたらお前に当たるから守ってやったのに恩を仇で返しやがって」

「そんなこと知りませんね、結果が全てです。どうであろうとあなたが武器を抜いたのは事実です。罪を償いなさい」

 まじウゼェ、守らなきゃ良かった。めんどくさいしこいつ等も気絶させて行こうかな。どうでもいいがおっさん一言もしゃべらねーな。

「もういいか、話しても無駄みたいだしもう行くわ俺」

 俺が歩き出し二人の間をすり抜けてギルドを出ようとしたときおっさんが口を開いた。

「異世界人」

 俺はその言葉に反応した、いや反応してしまった。

「その反応、やはり異世界からの来訪者か。君はどっちだ」

「なんのことかさっぱりなんだが」

「そうか、なら分かり易く召喚されたかそれ以外かどっちだ」

「なにか知ってるのかおっさん」

「王都で勇者召喚が行われたこととそれに呼応して迷い人が現れたこと。これ位だが」

「そうかなら俺の答えは両方だ」

「ならば私と一緒に来てくれないか」

 また厄介ごとに巻き込まれてしまう気がした。早く宿に帰りたい。


かなり空きましたができる限り失踪はしないつもりです。

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