表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/267

第36話 エピローグ

前回のあらすじ

爺さんが迎えにやって来た。

 あれから俺たちはクラスの皆に爺さんの事を話し帰れることを伝えた。

 当初帰れることが分かったクラスメイト達は大いに喜んだが、どこかでこの夢のような出来事が終わりを告げることに寂しさにも似たなにかを感じていた。

 そうして俺達が帰る日お姫様はほんの僅かばかりの謝罪として俺たちに向こうでも価値のある宝石類を手渡してきた。

「これで皆様ともお別れなのですね」

 お姫様が少し寂しそうにそうこぼした。

「本当はこうして出会うことも無かったはずなのでこれで良いのですよ」

 お姫様は強がりながらそう言った。

「では皆様、どうか向こうでもお元気で」

 こうして俺たちは爺さんの時空魔法により日本に帰って来た。

 それから俺たちは政府の異世界転移対策室という秘密機関にて今回の事は政府が発表するまでは秘密にすることを誓約書に書かされ、将来はこの異世界転移対策室に入らないかと勧誘されたりした。

 そして異世界から帰って来て一日が経ち、俺は自室のベッドで目が覚めた。

「知ってる天井だ。そっか帰って来たんだな」

 俺は体を起こし部屋を見渡した。そこには異世界に行く前となんら変わり映えのしない俺の部屋だった。

「はぁ、明日からまた普通に学校が始まるのか」

 俺はそんな事を考えながら二度寝でもするかと思いベッドに入った。すると何かに手が当たった。こんなところに何か入れてたかと疑問に思い布団を捲った。なんとそこには姫姉が寝ていた。

「またか、もうわざとだよなこれ。ほっといて寝るか」

 そして俺は二度寝をした。

「優君、ご飯だよ。起きて」

 そんな言葉で俺は目を覚ました。

「どうしたんだ姫姉」

「だーかーらー、朝ごはんの時間だから起きて」

「わかった」

 そして俺はベッドから出て部屋着に着替えてリビングにやって来た。

「おはよう、優。昨日は眠れたかい」

 そこには普段なら絶対にいないであろう父の宗弥そうやが座っていた。

「おはよう、父さん。今日は家にいるんだね」

「仕事は休みを貰ってきたよ」

 父は何かの研究をしているって言ったいたが実際は異世界転移対策室に勤務する転移者だと昨日知った。

「まさかお前たちも異世界に行ってしまうとはな。血筋は争えないな」

「そんな血筋は要らないよ」

 そんな事を話しているとテレビのニュースで速報がやっていた。

『速報です。政府が先ほど記者会見を開きこれまで頻繁して発生していた神隠しが異世界からの召喚による二次被害だと発表しました。』

「ブフォッ、ちょ、父さん。これって」

 俺は飲んでいた牛乳を噴き出して父さんを問い詰めた。

「ああ、今日発表だったな」

「じゃあ俺たちが昨日書かされた誓約書って一体」

「あれはこの数時間だけのために書かせた」

 どうやら俺たちが長いこと説明を聞いて書かされた書類はこの時間を持って無効になったらしい。

「そんな事より、このことが発表されたってことはこれからまた忙しくなるんじゃないの?」

「そうだな、お前たちにも向こうに行ってもらうかもしれんな。なに、誰にでもできる簡単な仕事をお前たちに押し付けるだけさ。何の問題もないよ」

 どうやら俺たちは良いコマらしい。そこそこの強さで向こうの国の重鎮とも知り合いだし、信用も出来る。父さんは俺たちを自由にできる権限を持っているみたいだし。

「まあ、お前達でも対応できないようなことがあれば爺さんが助けに行くから安心しろ」

 こうして俺と姫姉は父さんの直属の部下として異世界で仕事をやらされるみたいだ。

 はぁ、俺はもっと平穏な生活の方が良いのに、周りがそれを妨害してくる。

「さぁ、明日からまた忙しくなるから今日は家族サービスだ。ショッピングにでも行こう」

「あら、それはいいわね。久しぶりにあなたとショッピングデートができるわ」

「お前たち二人はこれで今日一日楽しんでくるといい」

 父さんはそう言って俺に5万も渡してきた。

「父さんこれって」

「まだ学生なんだから真昼間からホテルにはいくんじゃないぞ。健全に遊園地にでも行って楽しんで来い」

 そう言い残し父さんと母さんは二人でどこかへ行ってしまった。

「どうしようか姫姉?」

「お父様の言う通りデートにいこ優君」

「そうだな、こんだけあれば大体どこでも行けるし、とりあえずどこに行くか決めないとな」

「私は優君が行きたいところならどこでもいいけどね」

 そして俺たちはデート用に着替えを済ませてとりあえず駅にやって来た。

 街ではさっきの政府の発表を受けて騒然としていた。

「さて駅まで来たけど姫姉はどこか行きたいところは無いの?」

「私は優君のエスコートに期待してるから。どこでもいいよ」

 姫姉が変にハードルを上げてきた。

「じゃあまずはショッピングモールに行こうか」

「いいよ。可愛い夏服が見たかったし」

「じゃあ決定で」

 こうして俺と姫姉のデートが始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ