第33話 スタンピードが起こった
前回のあらすじ
カジノでチップを景品と交換してきた。
まあそんな気はしてたけどまた姫姉が俺のベッドに潜り込んでいるッてゆーか、めっちゃ抱き着いて来てるんですけど。背中にささやかな胸の感触が当たってるんですが。
とりあえず姫姉を引き剥がすか。
それから数分ほど頑張り何とか姫姉を引き剥がすことに成功した。
「はぁ、とりあえず着替えて姫姉でも起こしますか」
そう呟き俺は着替えを済ませた。
「さてと、姫姉、朝だよおーきーてー」
「うぅん、もう朝なの?優君」
「朝だから起きて、起きないと胸揉んじゃうよ」
いつもの決まり文句を言い姫姉を起こす。そして俺は部屋から出て姫姉の着替えが終わるのを待った。
「お待たせ優君。さ、朝ごはん食べにいこ」
着替えを済ませ部屋から出てきた姫姉に連れられ俺は一階の食堂にやって来た。
「おはようございます、ユーマ様、ヒメナ様。本日の朝食はコーンスープとスクランブルエッグに白パンです」
朝からぴっしりとメイド服を着こんだメルさんと朝の挨拶をし俺たちはテーブルについた。
俺たちが席に着くとメイドさんたちがやって来て手早く配膳を済ませて戻って行く。俺と姫姉が朝食を食べていると慎夜達が食堂にやって来て、俺たちと同じテーブルについた。
慎夜達が席に着くとメイドさんたちがやって来て俺たちに時と同じように手早く配膳を済ませた。
それから軽く会話をしながら、俺たちは朝食を食べ終えた。
見計らったようなタイミングでお姫様が食堂に入って来た。
「皆様、緊急事態です!先ほど南門の兵士から伝令が届きました!スタンピードです!魔物の軍勢がこの王都に向かって来ています!」
「なるほど、それで俺たちにどうしてほしいんですか?」
足立が代表してお姫様に問い掛ける。
「できる範囲で良いのでこれから王城へ逃げ込んでくる市民を守ってください」
「それだけで良いんですか?」
「できれば魔物とも戦ってもらいたいですが、安全は保障できませんので無理に戦ってもらわなくても結構です」
「わかりました、では僕たちはこの王城を守りましょう。そのかわり魔物はそちらで倒してくださいね」
足立はそう脅しを掛けてお姫様との会話を終わらせた。
そして足立は皆に指示を出していき、皆はそれに従い行動に起こした。
「凪滝君、星兆院さん、黛くん、橘さんは出来れば前線の様子を見てきてほしい。僕の分析では君たちがクラスの中で一番戦闘にたけていると思う。もし嫌なら断ってくれてもいい」
「「「「任せろ」」」」
俺たち四人は声をそろえて足立に返答をした。
「すまない、だが助かるよ。もし劣勢になりそうなら、危なくなる前に戻って来てくれ」
そして俺たちは王城を出て南門に向かった。
南門には兵士が所狭しと待機していた。俺たちは適当な高さの建物の上から様子を伺いつついつでも戦えるように武器を用意した。
そうしていると兵士たちが城壁の上に登って行った。どうやら上から攻撃して魔物を倒すみたいだ。
俺たちが様子を伺っていると魔物が城門までやって来たみたいで、さっきから城門に衝撃が掛っている。
「透視、あぁ思ったよりも魔物が多い。ここの戦力じゃあの奥に控えてるデカいのにやられて戦線が崩壊するかもしれないな」
「そんなにひどいのか優」
「ああ、たぶんあれはミスリルゴーレムだな、しかも確認できただけで十体は居るぞ。その他にも地竜が数匹向かって来ている。ザコならどうとでもなるが討伐ランクB級以上のモンスターがこんなにいると、さすがにここの兵士だけじゃ足りないな」
「どうするこのことお姫様にでも伝えてみる」
「そうだな、とりあえず伝えるだけ伝えてみるか。念話」
(聞こえますかお姫様、ユーマです。こっちにやって来る魔物の中にミスリルゴーレムと地竜がいます。どう考えても戦力が足りません。ここは冒険者ギルドにて援軍を要請した方が良いですよ)
とりあえず一方的な念話だが俺の言葉を素直に聞いてくれたらしい。お姫様が兵士を冒険者ギルドに使いを出したみたいだ。さて俺たちも冒険者ギルドに行って緊急依頼でも受けるとしますか。
そして俺たちが冒険者ギルドに着くとそこには普段は酔っぱらっている連中やあまり見かけないものまで集まっていた。そして俺たちが入って来た時にちょうどギルドマスターが話をし出した。
「お前たちに集まって貰ったのは、今起きているスタンピードに対抗するためじゃ。アウリア王女から伝令で救援を求めてきた。いまから緊急クエストスタンピードを止めろを開始する。お前ら死ぬ気で魔物どもを倒して来い」
ギルドマスターはそれだけ言うと装備を付けて外に出た。他の冒険者たちもカウンターで依頼を受けて外に出て行った。
俺たちも依頼を受けて、前線の南門に戻って来ていた。
「さてとこれから戦うわけだけど、皆は遠距離攻撃ってできる?」
「「「できない」」」
「あっはいそうですか。なら取りあえず俺が遠距離の魔物の魔石をスティールで奪っていくから皆は適当に近くのモンスターでも叩いて下さい」
こうして俺たちは戦場に繰り出すのであった。