第31話 ビギナーズラックは存在した!
前回のあらすじ
依頼を終えた俺たちはカジノにやって来た。
俺たちはチップカウンターにやって来た。
「いらっしゃいませ。カジノのご利用は初めてですか?」
兎人族の本物のバニーさんがそこにいた。
「はい、初めてです」
「ではチップについてご説明します。チップは緑色が10シアで、青色が50シア、赤色が100シア、白色が500シア、そして黒色が1000シアになります。チップは100シアから購入できます。ですがここは国営カジノですので購入金額の1割が税金として取られます。ここではギルドカードの預金も使えます」
あのお姫様、もしかして遠まわしに俺たちから金をとろうとしてないか。
「じゃあとりあえず俺は緑と青で1000シア分買います」
「じゃあ私も」
「では僕も」
「なら私も」
「私は止めておきます。皆様のお目付け役ですので」
「はい、お支払いはどうしますか?」
「「「「ギルドカードで」」」」
「承りました。ではカードをこちらにかざしてください」
こうして俺たちはチップを購入しそれぞれ分かれていった。
「ユーマ様は何をなさりますか」
メルさんはどうやら俺についてくるらしい。
「そうだなぁ、とりあえずスロットでもやってみようかな」
一応これでもラックはスキルで底上げしてるしぼろ負けはしないだろう。
そして俺は10シアスロットを回し始めた。
最初は外れていたが時々あたりが出るがどれも小さい。やはりこの程度のラックでは当たらないのだろうか。一応普通の人の倍はあるはずなんだが。
そんなことを考えながらも適当にスロットを回していると急にリーチがかかった。しかもジャックポットのリーチと一番低い奴のダブルだ。このままいけばたぶん低い方が当たるだろうと思いボタンを押すと、きらびやかな音楽が流れ始めジャックポットマスが揃った。
「これは、おめでとうございますユーマ様。流石です」
「メルさんこれって夢じゃないよね」
「はい紛れもない事実ですよ」
そしてスロットから大量のチップが流れ出してきた。なんとその額100万シア相当だ。
周りの人たちからも拍手喝采だ。そしてカジノのバニーさんがこっちにやって来て俺を別室に案内した。
そこには初老の男性がいた。
「おめでとうございます。まさかジャックポットをお当てになさるとは。今後とも当カジノをご贔屓にユーマ様」
俺はまだ名乗っていないのにこちらの名前を言ってきた。
「どうして俺の名を?」
「いえいえ、大したことではありません。そちらの騎士様があなた様の名前を仰ってましたから」
なるほどそういう事か。
「で、俺をここに呼び出したのはなぜだ」
「いえ、ただラッキーボーイに一目会いたかっただけですよ」
「そうか、ならもう用は済んだな」
「いいえ、もう一つお願いがございます」
「なんだ?」
「こちらをお受け取り下さい」
そう言って男性は黒いカードを俺に渡してきた。俺は取り合えずそれを受け取っておいた。
「これは?」
「それはVIPカードです。それを店員に見せればVIPルームにお通しいたします」
「VIPルームとは?」
「VIPルームでは通常の景品よりも高い景品とチップを交換して頂けます」
そうして軽く会話を交わし俺は個室を出た。
「まさかVIPカードを手に入れるとは。流石ですねユーマ様は」
メルさんに褒められて少し調子に乗った俺はガチャをやってみた。
「いらっしゃいませ。こちらでは100シアチップで1回、1000シアチップで11回ガチャを引くことができます。どうされますか?」
「じゃあ1000シアで」
俺は1000シアチップを払いガチャを回した。ガチャから出たのは殆ど白い球で一つだけ赤色があった。
「おめでとうございます。四等です」
どうやら赤色は四等だったらしい。
「四等はこの装備品を入れて一瞬で着替えれる早着替えのペンダントです。後の白色は低級の回復ポーションです」
なかなかユニークだがこれって使えるのか。少し疑問に思いながらも俺は景品を受け取った。
ってゆーか他はどんな景品が当たったのだろうか、そう思い景品表を見てみた。
金色、特等オリハルコンの剣
銀色、一等鑑定のモノクル
銅色、二等アダマンタイトの剣
黄色、三等火蜥蜴の短剣
赤色、四等早着替えのペンダント
青色、五等上級回復ポーション
黒色、六等中級回復ポーション
白色、外れ低級ポーション
それなりによさそうなラインナップだった。でも上級回復ポーションよりもこの早着替えのペンダントが高いとは思えない。
そんなことを考えながらテキトーにカジノ内をぶらついていると、カードゲームテーブルで姫姉がポーカーをしていた。
「あれはヒメナ様ですね。ポーカーですか」
「たぶんそろそろ姫姉が勝つよ」
「わかるのですか」
だって姫姉わざわざスキルポイント使って幸運と豪運をマックスまで上げてるもん。
そりゃあ勝てるでしょ、もともとのラックの数値が俺よりも高いんだから。
名前 ヒメナ セイチョウイン
性別 女
年齢 15
種族 人族
職業
ファーストジョブ 異世界の学生Lv.30 20up
セカンドジョブ 侍Lv.12 11up
レベル 28 27up
HP 160/160 135up
MP 155/155 135up
STR(筋力) 42 27up
DEF(防御力) 42 27up
AGI(素早さ) 57 27up
DEX(器用さ) 67 27up
INT(賢さ) 57 27up
LUK(運) 60+60
スキル スキルポイント2
ユニークスキル
言語翻訳、成長促進、無限収納アイテムボックス、スキルポイント再振り分け、影移動、透明化、創造、付与強化
戦闘系スキル
体術Lv.7、剣術Lv.6、槍術Lv.5、棒術Lv.5、弓術Lv.5
耐性系スキル
痛覚耐性Lv.2
魔法系スキル
補助系スキル
鑑定Lv.Max、算術Lv.6、幸運Lv.Max、豪運Lv.Max
生産系スキル
料理Lv.3、裁縫Lv.2
称号
異世界人(ボーナススキル、鑑定Lv.Max、言語翻訳)
加護
八百万の一角の加護(ボーナススキル、成長促進、無限収納)
職業ボーナス
☆アルバイト(ジョブ枠が一つ増える)
☆就職(ジョブ変更が可能になる)
☆ボーナススキルポイント5
☆ボーナススキルポイント5
☆ボーナススキルポイント5
☆ボーナススキルポイント5
☆ボーナススキルポイント10
俺の予想通り姫姉がフルハウスで勝っていた。コツコツではあるが着実に姫姉のチップが増えていっている。そんな姫姉に俺は声をかけてた。
「調子はどうよ姫姉」
「まずまずだよ優君。負けてはいないよ」
「ならよかったよ」
「そっちはどうだったの」
「スロットでジャックポット出した」
「そっか優君のラックでそれができるなら……三枚交換で……オールイン!」
姫姉は手札を変えた後持っていたチップを全部かけた。
そして姫姉はストレートフラッシュで勝利した。
「勝ったよ優君。すごいでしょ」
姫姉が満面の笑みで俺にそう問い掛けてきた。俺はその笑みに心を奪われ返事ができなかった。
「じゃあそろそろ帰ろっかメルさん」
姫姉のそんな言葉に同意して俺たちは慎夜達を探した。
慎夜と橘さんはルーレットのコーナーでぼろ儲けをしていた。
「慎夜、橘さん、そろそろ日も暮れるし帰ろうよ」
「もうそんな時間かい。それじゃあ名残惜しいけど帰るとしますか」
「ふふ、結構稼げたわ」
二人ともチップが入ったケースを台車に乗せてこっちにやって来た。
「さて景品と交換して貰いに行こうか」
慎夜がそう言い俺たちは景品カウンターに向かっていった。