第30話 依頼を早く終わらせ過ぎた
前回のあらすじ
勇者召喚をした国が滅ぼされるという噂を聞いた
俺たちは依頼を受けて、冒険者ギルドからほど近い鍛冶師ギルドにやって来ていた。
「おうお前らが依頼を受けてくれた冒険者達か。ひょろっこいのばっかりだな、大丈夫か?」
ドワーフのおっちゃんが俺たちを見てそんな感想を述べた。
「任せて下さい。俺たちは全員マジックバッグもちなんで」
俺たちの無限収納は殆ど存在しないユニークスキルなので同じような効果を持つマジックバッグ持ちってことにしている。これはメルさんに教えて貰った。
「おお、見かけによらず良い物持ってんじゃねーか。それなら安心だよろしく頼むぜ。いつもの連中が病気で倒れてな、代わりがいなかったんで困ってたんだ」
それから俺たちは鉱山の場所を教えて貰いそこに行った。
「すいません鉱石の運搬の依頼を受けてきたんですけど」
俺は鉱山の入り口にいたドワーフのおっちゃん(さっきとは違う人だと思うが似ている)に声を掛けた。
「おうお前らが今日一日運んでくれるのか。その割には荷馬車とかが無いようだが」
「あっ、俺たちはマジックバッグを持ってるんですよ。だから大量に運べますよ」
俺のその言葉におっちゃんは嬉しそうに笑った。
「そいつは良かった。鉱石が貯まって置く場所がなくなりかけてたんだ。早く運んでくれ。保管庫はこの奥だついて来い」
俺たちはおっちゃんに連れられ坑道に入って行った。それから数分歩いたところに大量の鉱石が山積になった場所についた。
「ここにある奴をできる限り持ってってくれ。これからまだまだ増えるから早いとこ持ってかねーと置き場がねーんだよ」
そんなことを言っているおっちゃんの指示に従い俺たちはただのバッグ経由で無限収納に鉱石を詰めていった。
俺たちが鉱石を詰め終わると大量に積み重なっていた山は一つもなかった。
「おう、どんだけ入るんだよそのマジックバッグここにあった鉱石って確か5トンはあったはずなんだが」
おっちゃんはあまりの光景に呆けながらつぶやいた。
「じゃあ、俺たちはこれを鍛冶師ギルドに届けてきます」
俺たちはそう言い残し鉱山を後にし街まで戻って来た。
鍛冶師ギルドに戻って来るとドワーフのおっちゃんが声を掛けてきた。
「おうもう戻って来たか。とりあえず持ってきた鉱石はこの先にある倉庫に入れてくれ」
俺たちはおっちゃんの指示に従い倉庫で持ってきた鉱石を次々に出していった。
「おいおい、どれだけ持って来たんだよ。ここに入りきらねーんじゃねーか」
案の定そんなおっちゃんの呟き通り俺たちの無限収納に入っていた量の半分も出すと倉庫に鉱石の山が出来上がっていた。
「取りあえずここはもう一杯だから残りは予備の倉庫に入れてくれ」
そうして俺たちは予備の倉庫を二つ満杯にして鉱石を出し終わった。
「取りあえず今日はもういいぞ。これが達成証だ。ギルドに行けば金に換えて貰えるから。さてこれから大仕事になるな」
おっちゃんはそう言い残しどこかに消えて行った。
「さてまだお昼なんだけど依頼終わったし冒険者ギルドに報告しにいこっか」
「そうだね」
こうして俺たちはギルドで報酬をもらい王城に戻って来ていた。
「今日はもうすることもないし、適当にゆっくりするか」
「お暇になられたのでしたらカジノでも行って来たらどうですか?」
お姫様のそんな言葉に俺たちは興味をひかれた。
「カジノって俺たちが行ってもいいんですか?」
「はい、大丈夫ですよ。お金さえ持っていれば誰でも入れますよ」
「そうか。で、カジノってどこにあるんだ?」
「北区にありますよ。皆様で行って来てはどうですか?あそこならギルドカードの預金も使えますし」
よし暇ですしカジノに行ってみよう。
「わかった。ちょっと見に行ってくるわ」
こうして俺と姫姉と慎夜と橘さんとメルさんの五人でカジノにやって来た。
「いらっしゃいませ。カジノのご利用は初めてでしょうか?」
イケメンなボーイさんが俺たちに話しかけてきた。(・д・)チッ男かよ。バニーさんを寄越せよな、わかってねーな。
「はい、初めてです」
「では当店のカジノを少し説明いたします。まずあちらのカウンターでカジノだけで使えるチップを購入します。そしてそのカジノチップであちらのテーブルにてルーレットやカードなどで遊べます。他にも勇者さまが伝えたスロットと言うものもございます。他にも当店ではガチャと呼ばれる色々なものが当たるものもございます。カジノで手に入れたチップは向こうの部屋にて景品と交換することもできます」
俺たちはボーイさんの説明を聞きながらカジノを一通り見渡した。
「それではお楽しみください」
ボーイさんは説明を終えるとまた新たに入って来た客に接客を始めた。
「せっかくカジノに来たし少し遊んで行こうか」
「「「さんせい」」」
早速俺たちは遊ぶためにチップを買いにチップ売り場まで行った。