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第266話 五十五階層に足を踏み入れる

 セーフハウスにお風呂の準備、全てが整った俺たちは初めての泊まり掛けダンジョン探索に挑む為ダンジョンに足を踏み入れた。

 早速ダンジョンの五十階層まで転移し、そこからは自分たちの足で五十五階層まで走り抜けた。

 五十五階層にまで問題なく辿り着いた俺たちは一度五十五階層の入り口でこれからの作戦会議と休憩を取る事にした。

「やっとここまで来れたな」

「そうね、取り敢えずここまでは順調に来れたけどこれからは泊まり掛けになるわけだし休憩は多めにして慎重に行くべきね」

「姫姉の言う通りだな。これまでは順調だったけどこれからは泊まり掛けで疲れも溜まりやすいだろうし休憩はこまめに取るべきだよな」

「そうそう、先に進むことも重要だけど命は大事にだからね」

「分かってるよ、それで五十五階層だけど多分これまで通りだと五十階層からの集大成の様な場所だろうから罠や魔物に注意しつつ、もしかしたら隠し部屋があるかもだからそれにも気をつけて行こうか」

「そうね、でも隠し部屋はそう簡単に見つかるとは思えないからあまり期待し過ぎない様にね」

「そうだな、それじゃそろそろ行こうか」

「ええ」

 こうして俺たちは五十五階層に足を踏み入れた。


 五十五階層は俺の読み通りそこそこの頻度で罠が仕掛けられており、遭遇する魔物もこれまでよりも少しばかり賢く罠を利用した立ち回りをしてくる奴もいた。

 ただこれまでよりも少しばかり賢くなってるだけで罠を利用しようとしてくるゴブリンなんかは明らかに挙動不審で逆に罠の位置が分かりやすくなったりして少しだけ拍子抜けした。

 罠を利用してくるのは他に狼が居たがこちらも普段の行動とは違う動きをしてくるので分かりやすかったがまだゴブリンよりはマシだった。


 それからも罠や魔物に注意しつつ俺たちはマップを埋めつつ先を進み途中で休憩もしつつ何とか五十五階層のボスと思われる狼に乗ったゴブリン、ゴブリンライダーとゴブリン数体と狼数体の群れが大部屋の中央にある階段の前に屯していた。


 大部屋にいるゴブリンライダーたちはこっちに気が付いている様で既に戦闘準備を整えており、それぞれ別にいたゴブリンたちも狼に跨ってこちらに視線を向けて来た。

 俺たちはすぐさま武器を手に取り目線で合図をして一気に駆け出した。

 まず俺が手始めに魔銃デュアルガンドで手前にいるゴブリンライダーにエアバレットを放ち先制攻撃をしたが野生の勘で躱されてしまった。

 躱されることを予想していた俺はすぐに回避先にエアバレット放ちエアバレットを狼にヒットさせ、仰け反らせた狼に更に追い討ちとして居合斬りで攻撃を仕掛けて上に乗っているゴブリンに一太刀浴びせた。

 攻撃を受けたゴブリンは思ったよりも深傷だった様ですぐに消え、俺はそれを確認しつつ更に狼にも攻撃を仕掛けてトドメを刺した。

 先制攻撃でゴブリンライダーを一組倒した俺はすぐに他のゴブリンライダーに向き直りエアバレットで牽制しつつ接近し、刀の届く範囲まで近づいたところでゴブリン諸共狼を叩き切った。

 俺が二体目を倒したタイミングで姫姉たちも取り巻きゴブリンライダーたちを倒し終えており、残るはこの群れのボスである他よりも少しばかり大きいゴブリンライダーだけになっていた。

 このゴブリンライダーは後ろで指揮を取っていたので後回しにしていたが仲間がやられてしまったので武器を手に取り狼に何か指示を出したかと思えば一気に詰め寄って来た。

 俺は冷静に向かって来るゴブリンライダーにエアバレットを放ち手傷を負わせて少し動きが鈍ったタイミングで姫姉と合わせてゴブリンライダーを斬り倒した。


 危なげなく五十五階層のボスを倒した俺たちは五十六階層まで降りて、そこで一度本格的な休憩を取る事にした。


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