第264話 セーフハウスに買って来た物を置く
王城に帰って来た俺たちは早速セーフハウスに買って来た家具を配置する為、メルリアさんにセーフハウスを出せる広い場所まで案内して貰った。
そしてやって来たのはいつもの訓練場。
今日は訓練場には誰も居らず、俺たちの貸切だった。
俺はせっかくなので訓練場のど真ん中でセーフハウスを取り出して設置した。
「まさか本当にセーフハウスが存在していたとは」
どうやらメルリアさんも実物を見るのは初めてだった様で驚きの余りそう呟いていた。
俺は少し悪戯してみようとメルリアさんに「どうぞ」と扉を開けて中に入る様に促したがどうやらメルリアさんはセーフハウスの性能を知っていた様で「では許可を頂けますか?」と返して来た。
俺は悪戯に失敗して少しだけガッカリしつつもセーフハウスに入ってメルリアさんの入室の許可をしてメルリアさんをセーフハウスに招き入れた。
セーフハウスに入って来たメルリアさんは手前の部屋から一つずつ開けて確認している様で部屋を見ながら「伝承の通り、同じ作りですか」と言葉を漏らしていた。
メルリアさんが部屋を見て回っている間、何にも無いセーフハウスに俺と姫姉は手早く買って来た家具をあーでも無いこーでも無いと言い合いつつ配置していき、三十分かけて今日買って来た魔導コンロとシンクと調理道具を何とか配置し終えた。
因みにキッチンにあった排水管の出口は外にあった箱に繋がっていてその箱も魔導具で流れて来た物を全て肥料と水にしてしまうトンデモ魔導具だった。
前に鑑定解析を使った時はそこまでしっかりと見てなかったので結構驚いた。
セーフハウスに家具を置き終わり、無限収納にしまって俺たちは自分たちの部屋に戻った。
少しした所で夕食の準備が整ったとメルリアさんが呼びに来て俺たちは田中さんと合流して食堂にやって来た。
今日は俺たちが一番乗りだった様で、そこから数分後にウィンダムさんたちがやって来て、更にその数分後に王女様とウォレンさんが来た所で料理が運びこまれて来た。
今日の夕食は生ハムサラダにクリームパスタ、オニオンスープだった。
王女様たちの食前のお祈りと俺たちのいただきますのあと、俺たちは食事を始めた。
俺はまず生ハムサラダに手をつけた。
生ハムとレタスに薄くスライスされた紫オニオンをフォークで上手く刺して口に運んだ。
生ハムの塩気とさっぱりとした酸味のあるドレッシングがどちらの主張も殺さずに上手く調和していて美味しいし、そこに紫オニオンのほんの少しピリっとした辛味が加わる事で更に味に纏まりを持たせていた。
オニオンスープはいつもと変わらずコンソメの濃い旨みとオニオンの甘味が合わさっていて美味しかった。
クリームパスタはきのことベーコンとほうれん草が上手くクリームソースと合わさっていてパスタにもあっていて美味しかった。
デザートに出された筒状の揚げられた生地の中にフルーツやクリームが入った物も美味しくて一瞬で食べてしまった。




