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第256話 宝箱の中身はアレ

 やはりというか少女の鍵開けスキルは高い様で簡単に鍵が開き、LUKの値が一番高い俺が宝箱を開けた。

 宝箱の中には綺麗な布で作られた袋が入っていた。何となく察したがもしかしたら違うかもと思いつつ鑑定解析を宝箱に入っていた袋に使った。



 《マジックバッグ(超)》

 空間拡張と重量皆無と使用者固定のエンチャントが施された魔法の袋

 サイズは10×10×10の1000㎥

 重量は一切無し

 最初に登録した人のみが使える特別仕様

 登録後は使用者が念じれば直ぐに手元に戻って来る

 使用者の変更には両者の同意が必要

 使用者の変更をする前に使用者が死亡すると中身は消滅しマジックバッグを機能を失う


 制作の神に仕える天使が作った大成功品

 市場に出回れば直様国が買い取るレベルの品質

 これほどの品は長年錬金術を研鑽して来た才能のある者が晩年にやっと作れるレベル

 勇者や異世界人などが得る無限収納アイテムボックスの次に貴重な性能を誇る



 うん、何となくそうだとは思っていたがマジックバッグだった。

 俺と姫姉にはまたしても無用の長物に近い物だった。

「マジックバッグかぁ」

 俺がそう呟くと姫姉も「ハズレかぁ」と少しガッカリした声色でそう答え、俺と姫姉は取り敢えず少女が今使っている物と交換して使わせる事にした。

 因み少女には国宝級の事を言わずに使用者登録をさせた。

 そのうち気付くだろうが俺たちは困らないのでそのまま使わせようと姫姉と念話で決めた。


 それから俺たちは五十三階層の探索を再開し、全ての道をマッピングしていった。

 隠し部屋を見つけてからは他にも同じ様な物が無いか気にしつつ探索をしたがそう簡単に見つかる訳もなく、俺たちは五十四階層に続く階段まで到達したので今日はここまでにして帰る事にした。


 今日の帰りはゆっくり目で移動したが何の問題も無くダンジョンから出る事が出来た。

 ダンジョンから出て来た俺たちを見て兵士がいつも通り馬車を呼んで来てくれて、俺たちはそれに乗って王城に帰った。

 帰る途中で姫姉と今回の探索で掛かった時間を確認し、五十三階層に行くまでに40分ほど掛かり、そこから五十四階層までの探索で5時間、そして帰りは1時間の合計6時間40分だった。


「結構掛かったね」

「そうだな、これからも時間は増えるだろうしその内日帰りは出来なくなるかもな」

 俺がそう言うと姫姉は嫌そう顔で「泊りはお風呂が出来てから」と強い口調で言って来た。

「分かったよ。それと明日の探索だけど出来れば今日見つけた隠し部屋を覗きに行きたいんだけど良い?」

 俺が姫姉にそう聞くと姫姉は一瞬疑問符を頭に浮かべたが直ぐに何でか理解したようで「良いよ」と返してくれた。

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