第255話 隠し部屋で虹色に輝く宝箱を見つけた
「というわけで今日はダンジョン攻略の時間を計測しながら行きたいと思います。五十三階層も前の階層と同じで洞窟型なので残念ながら俺のユニークスキルの透視盗撮が使えません。なので今日も自分たちの足でマップ埋めをします」
ダンジョンの五十三階層に足を踏み入れた俺たちは今回の目的を確認してからダンジョン探索を始めた。
俺と姫姉は腕時計を着けて罠を避け道中現れるゴブリンや狼にコボルトと連携をしてくる敵を倒しつつ極稀に見つけた宝箱を俺が開けながらダンジョン探索をしていた。
そして行き止まりのはずの突き当たりで引き返そうかと回れ右した所で一瞬俺は違和感を感じた。
気のせいかと思ったが一応罠の可能性もある為、俺はもう一度回れ右をしてみたが今度は特に違和感が無かったので気のせいだったかと回れ右をしようとした所で姫姉が声を掛けて来た。
「どうしたの優君?」
「いやなんか違和感があったんだけど気のせいだったよ」
俺がそう答えると姫姉と少女が辺りを見回し、姫姉は「何にも無いと思うけど」と言ったが少女が突き当たりの右側の壁を見ながら「何か、ある?」と呟いた。
それを聞いた俺はもう一度突き当たりの右側の壁を凝視して周りとほんの少し色が違う場所を見つけその壁に鑑定解析を使ってみた。
《隠し扉》
ダンジョンの壁に似た扉
触れると簡単に開く
五十三階層の隠し部屋に繋がっている扉
ダンジョン攻略者に富か危険を与える
どうやら隠し扉でその先には何かがあるらしい。
俺はその事を姫姉たちに伝えると姫姉が興味を示して取り敢えず開ける事になった。
危険を与えると解析で出て来たので俺は慎重に扉を開けて中を覗き込んだ。
中には虹色に輝く宝箱が一つ鎮座しており俺はますます警戒して部屋の隅々まで鑑定解析を使って調べたが罠らしい罠は一つも見つからず唯一鑑定解析に反応したのは虹色に輝く宝箱だけだった。
《虹色の宝箱》
誰が設置したのか誰も知らない虹色に輝く宝箱
ダンジョンで亡くなった人の持ち物が入っているともされるが真偽は不明
罠は無いが鍵が掛っている
この宝箱はダンジョンの管理をしている神の従者が適当に設置した物
中身も開くまで決まっておらず宝箱に触れた瞬間に一定ランクの物がランダムで選ばれる
因にLUK値が高い方が良い物が出やすい
鍵の解除にはスキル鍵開けLv.5が必要
無理矢理こじ開けると中身のランクが下がる
どうやらここには宝箱だけしか無くその宝箱にも罠は無い様なので俺と鍵開けが出来る少女が宝箱に近づき、姫姉には扉が閉まったり敵が来ても分かる様に扉の近くで待機する事になった。




