第245話 このダンジョンは百階層まであるらしい
首を両サイドから斬られて絶命したアイスドラゴンは光の粒子となり消え去り、アイスドラゴンがいた場所には宝箱が残された。
「それじゃ優くんよろしく」
宝箱を開けるのはいつの間にか俺の担当という事になっていて姫姉にそう言われて俺は一応罠がないか鑑定解析を使い、罠が無いと判った状態で宝箱を開けた。
これまでの経験から大体何が入っているか予想は付いていたので俺は宝箱の中に入っていたアイスドラゴンの牙二本と爪四つにデカい魔石が一つと宝箱の底一面の鱗を無限収納に仕舞った。
俺が宝箱の中身を仕舞っている間に少女はアイスドラゴンが消えた際に抜けた短剣を回収しに行った様で少し離れた所にいて姫姉はやる事は終わったとばかりに宝箱と共に現れた扉の前で待っていた。
俺と少女は姫姉が待っていた扉を潜り五十一階層の入り口に辿り着いた。
五十一階層の扉の前には何故か看板がありそこには【ここより先は外への転移クリスタルがありません。ゴールは百階層です。心して挑む様に】と書かれていた。
どうやらここから先は最後までダンジョンを進む覚悟で挑まないといけないらしい。
「優くんどうするの?」
看板を読んだ姫姉が面倒臭そうな表情をしながらそう言って来た。
「取り敢えず今日は帰ってこの事は明日から考えるって事で」
「そうだね、流石に今日は疲れたからまた明日考えよっか」
そう言い合って俺たちは扉の横にあった転移クリスタルを使いダンジョンの外に出た。
外に出ると空は日が落ち始めていた。
俺たちが出て来た事に気が付いた兵士がいつも通り馬車を用意してくれて俺たちはその馬車に乗って王城に帰った。
王城に帰り着いた俺たちをメルリアさんが出迎えてくれて部屋まで案内してもらい、俺たちは着替えを済ませて戦利品の整理をしていた所で食事の支度が出来ましたと声をかけられた。
俺たちが田中さんと一緒にメルリアさんに連れられて食堂に入るタイミングでウィンダムさんたちもやって来て席に着きダンジョンでの話をかい摘んで話していると王女様とウォレンさんがやって来た。
王女様が席に着いたタイミングでメイドさんが料理を運んできて俺たちの前に料理を並べていった。
どうやら今日の料理はステーキにテールスープ、ローストビーフが載せられたサラダと肉中心の料理だった。
体力を使った俺たちとしてはこれほど無いご馳走様だったのでどれも美味しく頂き、デザートのプリン・ア・ラ・モードもペロリと食べ切った。




