第242話 ショートケーキの苺は最後派
「ユーマ様、夕食の準備が整いましたので食堂までご案内に伺いました」
姫姉の体を全身隈なくマッサージしたところでノックの音と共にメルリアさんが声を掛けて来た。
俺は「直ぐに出ます」と言ってベッドに寝転んでいる姫姉に手を貸して起き上がらせて靴を履かせて頰を赤く染めた少女と共に部屋を出た。
俺に支えられて出て来た姫姉と頰を赤らめて出て来た少女を見てメルリアさんは俺が何か疾しい事をしていたのかと思ったようで視線でそう伝えて来た。
俺はその視線に「ちょっとマッサージをしていただけですよ」と返した。
それから田中さんが部屋から出て来たところで俺たちは食堂に移動した。
食堂に着いたのは俺たちが一番だったようで食堂内にはまだ誰も来ておらず俺たちが席に着いて数分したところでウィンダムさんたちがやって来てそれから十分もしない内に王女様とウォレンさんが来て席に着いたタイミングで夕食がメイドさんによって運び込まれて来た。
メイドさんはテキパキとハンバーグとサラダとキノコのポタージュ、そしていつもの白パンを俺たち全員の前に並べた。
食前のお祈りを王女様たちがした後、俺たちも「いただきます」をして食事を始めた。
まずはレタスと玉ねぎにトマト、そこにドレッシングをかけたサラダを一口食べた。
酸味と甘味のあるドレッシングが瑞々しいレタスと少しの辛味がある玉ねぎにマッチしていた。
トマトとも相性が良くて楽しく食べることができた。
キノコのポタージュはシメジの様なキノコが入っていてキノコの深い味わいがとても美味しかった。
ハンバーグはデミグラスソースの複雑な甘味と深いコクが肉汁と合わさって良い味に仕上がっていた。
そして添えられていたポテトの素朴な味とニンジンの甘味のある味、どちらもデミグラスソースとの相性が良くて美味しかった。
フワフワで香りの良い白パンはキノコのポタージュに浸して食べても良いし、ハンバーグを載せて食べるも良しの名脇役で気付けば俺は全ての料理を平らげていた。
他の人達よりも先に食べ終えた俺は食後のコーヒーを飲みながら皆が食べ終わるのを待ち、全員が食べ終えたタイミングでデザートのショートケーキが運び込まれて来た。
甘酸っぱい苺に甘い生クリームにフワフワのスポンジの食感が合わさって口の中を楽しませてくれる。
そしてショートケーキの上に載っている苺は最後に食べる派なので先にケーキ本体を食べ切ってから苺を食べて大満足でご馳走様をした。




