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第238話 王女様に呼び出される

 翌日、朝食を終えた俺たちは王女様に呼び出されていた。

「お待ちしておりました、どうぞそちらにお掛けになって下さい」

 俺たち三人は王女様に促され、王女様の前の椅子に俺、姫姉、少女の順で座った。

「皆様をお呼びしたのはダンジョンでの費用についてです」

 王女様にそう言われて俺は何かあったっけ? と疑問に思いながら次の言葉を待った。


「その皆様にダンジョン攻略を進めて頂けるのは有り難いのですが明らかに攻略の速度が早くてですね……。普通は一階層攻略に半日ほど掛かると伺ったので、はっきりと申しますと無理をなさっているのではないかと思いまして話を聞きたくお呼びしました」

 どうやら俺たちのダンジョン攻略が早すぎて無理な攻略をしているのでは無いかと心配になって俺たちを呼び出したらしい。

「それでですがどうなんでしょうか?」

 王女様にそう尋ねられて俺は横に座っている姫姉にアイコンタクトをして姫姉から俺が話せと返って来たので俺が代表して話す事になった。


「えーっとですね俺たちもそれなりに時間が掛かると思っていたんですがその最初の方の洞窟とか迷路では使えなかったんですけど草原や山に雪原なんかの開けた壁とかが無い所では俺のユニークスキルの透視が使えましてその階層に入った時点で次の階段を探せるので最短で進む事が出来たんです。更にマップスキルが透視で見た場所も反映されてまして完璧な地図もこれで作れたんですよ。なので無理はして無いですよ」

 俺がそう言い終えると王女様はホッとした表情になり、「それならば良かったです」と言葉を溢した。


「ところで一つ疑問なのですがダンジョンでの必要な物の申請が最初の一回以降食糧しか来てないのですが……。明らかに装備を新調されてますよね? それに他にも色々ダンジョンでの必要物を買っていると報告を受けているのですが?」

「ええと確か、今後も色々使いそうなので先行投資として魔導コンロとかダンジョンで急に必要になった寒冷耐性ポーションとか他にも訓練で使った分のマナポーションとかを買い足したりしました」

「そうですか、ではそれらも必要経費として申請して下さい」

「別にこれくらい自腹でも「()()して下さいね」……はい」

「良かったです、こちらから支援をすると言った以上ユーマ様方が自腹で払われるとこちらの威信にも関わりますので……。それと攻略情報の方も別でお金を支払いますので楽しみにしておいて下さい。では私はこれで」

 王女様は申請書と書かれた紙を机に置きそう言うと席を立ち俺たちの返事を聞かずに部屋から立ち去ってしまった。

 残された俺たちは互いに目を合わせ取り敢えずこれまでのダンジョン攻略で買った物を思い出しながら申請書に書く事にした。

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