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第237話 寒い所から帰ったら温かい物が食べたくなる

 ダンジョンの外に出て来た俺たちは陽の落ちかけた街を用意して貰った馬車に乗りながら王城に帰った。


 王城に着けばメルリアさんが待っており俺たちを部屋まで案内してくれて、俺は食事まで時間があったので装備の点検を終えた後アモダフさんのいる部屋まで案内して貰った。

 部屋に入って直ぐにアモダフさんは立ち上がって俺に一礼してから社交辞令的に「お疲れ様でした、どうぞこちらへ」と言って椅子に座るように促して来た。

 俺は促されるままに椅子に座り、用意されていた紙にマップスキルで今日踏破した階層の地図を描き写し始めた。

 今回は寒さと寒冷耐性ポーションの制限時間で宝箱は道中の近場しか開けず、薬草系や木の実も取らずに踏破して来たので成果が少なかったなと思い返しつつ透視で見つけた宝箱や採取ポイントっぽい所も地図に書き記しておいた。

 数十分ほど掛けて地図を描き終えた俺は出来た物をアモダフさんに誤字脱字が無いかチェックして貰い問題が無かったので部屋に戻った。


 部屋に戻って来た俺は今回の収穫物を確認しながら時間を潰しているとメルリアさんが夕食の時間だと告げに来た。

 俺は机に出していたダンジョンでの収穫物を無限収納アイテムボックスに仕舞い部屋を出た。

 部屋を出ると田中さんとメルリアさんが待っており田中さんと今日のダンジョンが雪原で寒かったと軽い談笑をしていると姫姉が部屋から出て来た。

 全員が揃ったところで俺たちはメルリアさんの先導で食堂に向かった。


 食堂に入るとついさっき来たであろう椅子に座り掛けたウィンダムさんたちがいた。

 俺たちも椅子に座り王女様がやって来るまでの間ダンジョンでの事を話し逆にウィンダムさんたちからダンジョンに行っている間に起きた捕物でまた数名の貴族が捕まったと聞いた。


 情報交換が終わって談笑をしていると王女様とウォレンさんが食堂にやって来て着席したところで料理が運ばれて来た。

 今晩の料理はサラダにグラタンにオニオンスープ、そして今回のパンは斜めにスライスされトーストされたフランスパンだった。

 サラダは湯通しされたキャベツに人参、ブロッコリーにガーリックマヨネーズがかけられていて野菜のシャキシャキ感が程よく残っていてマヨネーズの酸味とコクにガーリックのパンチが効いた味とマッチしていて美味しく食べられた。


 オニオンスープは前に食べた時と変わらずコンソメの旨みと玉ねぎの旨みとベーコンの旨みが合わさり美味しかった。

 そしてグラタンは玉ねぎにほうれん草といった野菜にマカロニとジューシーな皮付きの鶏モモ肉が入っていてグラタンのホワイトソースの深いコクとこんがりキツネ色になったチーズとも合わさり最高のハーモニーを奏でていた。

 トーストされたフランスパンはオニオンスープに潜らせてスープを吸わせて食べても良し、グラタンを乗せて食べても良しで美味しく食べる事が出来た。


 全ての食事を終えた俺は他の人たちが食べ終わるのを食後用に持って来て貰ったコーヒーを飲みつつ待ち、全員が食べ終えたタイミングでデザートが運び込まれた。

 今晩のデザートは何とチョコバナナ春巻きのバニラアイス添えだった。

 熱々のチョコバナナ春巻きとその熱で溶け始めているバニラアイスの相性は最高で俺はチョコバナナ春巻きにバニラアイスを少量乗せて一口食べた。

 春巻きのパリパリの皮の食感と熱々のチョコバナナに冷たいバニラアイスが合わさって口の中で丁度良い温度と味になってとても美味しかった。

 美味しさのあまり俺は二本あったチョコバナナ春巻きを一瞬で食べてしまった。

 それから俺たちは王女様たちが食堂から出た後に食堂を出てそれぞれの部屋に戻った。


 食後のデザートまでしっかりと堪能した俺は大満足の気分で明日からも頑張ろうと思いつつ寝巻きに着替え歯を磨いてから眠りについた。

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