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第227話 姫姉がケアテミスさんの弟子になる

 飛ぶ斬撃をなんとか使いこなせる様になった俺たちは翌日、飛ぶ斬撃の練習で使ったマナポーションを補充するべくケアテミスさんの館にやって来ていた。

「へぇそれで君たちはその技でドラゴンを倒したわけか! それでその話をすると言うことは持っているんだろドラゴンの素材を」

 ケアテミスさんに大量のマナポーションを買いに来たことを疑問に思われて話の流れでドラゴンとの戦いの話になり、最終的にドラゴンの素材に興味を持ったケアテミスさんにドラゴンの素材を見せることになった。


 俺は無限収納アイテムボックスからドラゴンの牙と鱗に魔石を取り出して机に並べた。

「ほほう、これがドラゴンの素材かぁ!コレらがあれば色んな事が出来るぞ! 例えば牙をエンチャントの素材に使えば武器の性能を上げる事は容易だし、鱗も物理に魔法の両方を底上げできる。そしてなんと言ってもこの魔石! ドラゴンの魔石は目を凝らして見るとドラゴンの魔石の真ん中にドラゴンの瞳の様な模様があるんだ。そしてコレにもソレがある。だからコレを使ってエンチャントをすればそれだけでエンチャント後の性能が段違いに上がる。それでどうする? エンチャントしていくかい? と言うかさせてくれ! ドラゴンの素材は貴重であまり手に入らないんだ!」


 ケアテミスさんの饒舌なセールストークに気圧されつつ俺は姫姉に相談すると「やって貰いたいけど私のエンチャントが付いてるからそこに更に付与って出来るの?」と疑問が浮上してきた。

 その事をケアテミスさんに聞くと「あぁそれはちょっと難しいかもしれない。エンチャントは個人の魔力の癖が乗るから重ねがけは出来ても書き換えは本人じゃないと殆ど出来ないんだよ。因みに私にも無理だな」と言われてしまった。


 こうなると今手持ちにある最高の装備であるオリハルコンやアダマンタイトの装備にエンチャントを施して貰う事は出来なさそうだ。

 流石にわざわざグレードが落ちるミスリル装備にドラゴンの素材でエンチャントを施しても余り意味がないし次にオリハルコンかアダマンタイトを手に入れるまでは無限収納アイテムボックスの肥やしに決定かなと思っているとケアテミスさんが一つ提案をしてきた。


「君はエンチャントを使えるようだし、私が教えて君がやればエンチャントの上書きも出来るよ。どう? やってみない?」

 ケアテミスさんは姫姉にそう言ってきた。

 ケアテミスさんの提案を姫姉は二つ返事で了承し、それを返事を聞いたケアテミスさんは「それじゃ早速」と言って俺から持っている分のドラゴンの素材を全部出させたうえにエンチャントを施したい装備も出させて姫姉と共に何処かに行ってしまった。


 部屋に取り残された俺はやる事もないのでケアテミスさんのメイドのリリィさんに「適当に時間を潰して来ます」と伝えて少女と共にケアテミスさんの館を出た。

 館を後にしたやる事のない俺たち二人は取り敢えず商店が立ち並ぶ商店街までやって来ていた。

 これと言って買う物がある訳では無いが何か良い物がアレば良いなと思いつつ少女と二人で色んな店を冷やかして行き、特に買いたい物も見つからなかったので中央広場にある露店で色々食べ物を買いこんで一度ケアテミスさんの館に戻る事にした。


 館に戻りメイドのリリィさんに進捗を聞いて見たがまだ時間がかかりそうだとの事で俺は買ってきた食べ物や飲み物を姫姉とケアテミスさんに差し入れしてまた少女と二人で街に繰り出した。

 商店街は見て回ったから今度は冒険者ギルドにと思い、俺と少女は冒険者ギルドに顔を出した。

 昼間なだけあって冒険者ギルドは殆ど人は居らず、俺と少女はボードに貼られている依頼書を眺めた。

 残っているのはどれも時間が掛かるものだったり、報酬が少ないものだったり、希少すぎてこの辺じゃ手に入らない物だったりと不人気な依頼書しか残っていなかった。


 今から二人でやっても夕方までには終わりそうにない依頼書ばかりだったので依頼をするのは諦めて他のことで時間を潰すことにした。


 そしてやってきたのはカジノ。

 この世界で数少ない娯楽であり俺のラック値だとそれなりに楽しめる場所だ。

 俺が中に入るなりボーイさんが「ようこそユーマ様、当カジノを心行くまでお楽しみください」と笑顔で声を掛けてきた。

 やっぱりちゃんと顔を覚えられているらしく俺は作り笑いを浮かべつつ兎人族バニーさんのいるチップカウンターで二万シア分のチップと交換して貰い半分の一万シア分のチップを少女に渡して好きに使って良いと伝えた。少女は遠慮してくると予想できたのでついでに全部使うまでは俺が帰らないし俺のチップが無くなってもまた買い足すと言うと少女は何も言えなくなった。


 そして俺と少女は二人共が参加できるルーレットをする事にした。

 手始めに俺はほぼ半分の確率で当たる赤に黒色のチップを一枚置いた。それを見た少女は驚きの表情を見せ賭け時を逃し、ディーラーの投げた玉は赤色の数字の所に止まった。

 赤に止まった事で少女はホッとした表情になったが次のベットが始まった所で俺がまた赤に黒色のチップを一枚置いた事で少女の表情が固まった。



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