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第224話 ダンジョン産のドラゴンと戦う

 三十五階層でランドドラゴンを倒した俺たちは一旦三十六階層の入り口にある転移クリスタルで地上に戻りダンジョン探索を終えた。

 ダンジョンから帰って来た俺たちは王女様たちと夕食を食べ、俺は今日のダンジョン探索で得た情報をアモダフさんに伝えてあすに向けて眠りについた。


 そして日が変わり、ぐっすり寝て疲れをいやした俺たちは三十六階層からダンジョン探索を再開した。

 三十六階層も荒野の様な場所で現れる魔物はこれまで出て来た鳥に蛇に蜥蜴とかげと俺たちの相手をするには力不足の雑魚が勢ぞろいだった。

 この程度の魔物なら万が一にも問題は起きないだろうが気を抜かせてからの罠の可能性もあるので気を引き締めつつ俺たちは先に進んだ。

 スキル透視盗撮で最短最速のルートが選べるので問題なく進み三十七階層に辿り着いたがここも三十六階層と殆ど変わりなく三十八階層まで来ることが出来た。

 三十八階層からは雑魚に加えて時折ワイバーンがやって来て遠距離攻撃にとぼしい俺たちは苦労したが何とか三十九階層に辿り着き、時間的にもお昼時なので一度ここで休息を取ることになった。

 

 椅子とテーブルを用意した俺たちは昼食としてフライシュ料理長に用意して貰ったおにぎりとレモンの果実水を無限収納アイテムボックスから取り出してテーブルに並べ、「いただきます」をして食べ始めた。

 俺がかじり付いたおにぎりは細かく刻まれた唐揚げと酸味と濃厚なコクと旨味が広がるマヨネーズを上手く混ぜ合わせた唐揚げマヨネーズだった。

 冷えても美味しく食べられるようになっていてフライシュ料理長の細やかな心遣いが美味しさに直結したおにぎりだった。

 そしてレモンの果実水も爽やかな酸味と少しの甘みが疲れた体に丁度良い。

 それからもう二つおにぎりを食べた俺は「ご馳走様」をして椅子とテーブルを無限収納アイテムボックスに片付けて雑用を済ませた姫姉たちと気合を入れ直してダンジョン探索を再開した。

 

 三十九階層はもはやワイバーンの巣といったくらいに見渡せばすぐにワイバーンが視界に入るほど空を飛んでいたり地上で休んでいたりしていた。

 そしてここは荒野の様な開けた場所でこっちから見つけられるという事は向こうからも見つけやすいという事なわけで三十九階層に足を踏み入れた時点でワイバーンから警戒されていた。

 でもこの中を進み次の階層に進みたいわけで、俺はスキル透視盗撮で三十九階層全体を見渡して次の階層に続く階段を探しだしてそこに至るまでの最速の道順を調べ上げた。


「姫姉、雑魚もワイバーンも多いけど最短距離で進めるルートと遠回りで時間が掛るけどワイバーンが少ないルートどっちが良い?」

 俺は三十九階層を調べ上げた結果二つのルートを見つけどっちがいいか姫姉に尋ねると「最短距離で」と返って来た。

「それじゃ俺はワイバーンを近づけない様に魔銃で牽制けんせいしながら道順を言うから前の雑魚は二人で宜しく」

 俺は簡単な作戦を伝え姫姉がそれに短く「分かった」と言い少女はコクンと頷いて俺たちは次の階層に続く階段目指して走り出した。

 俺の魔銃で放つエアバレットでは威力が足りずワイバーン相手に決定的なダメージは与えられないが不可視の弾丸は動きを阻害するには丁度良いみたいでワイバーンと一定の距離を保ちつつ何とか四十階層に続く階段の前まで辿り着き、そこに陣取っていた一回り大きいワイバーンを姫姉が一撃で斬り倒して俺たちは階段を駆け下りた。

 四十階層まで降りると階段の前に殺到したワイバーンたちもどこかに去っていき四十階層まで追いかけてくるという事にはならずに済んだ。


 四十階層は草木の一本も生えていない荒野というよりも更地な場所で遠くからでもよくわかるデカい図体をしたドラゴンが鎮座していた。

 やっとドラゴンと戦えると俺と姫姉は闘志をたぎらせつつ視線で合図をして一気に駆け出してドラゴンの両サイドに移動し飛んで逃げられない様に翼に目掛けて跳び先制攻撃を放った。

 跳躍中の攻撃なためそこまでの威力は出なかったが翼に傷をつける事には成功し俺たちは更に攻撃を加えようとしたがドラゴンがそれを許すはずも無く翼で風を起こしそれで動きを阻害された俺たちから距離を取る様に空に飛び立った。

 ドラゴンに上空へ逃げられた俺は魔銃に持ち替えて持っている魔法を試しに撃ってみたがどれもドラゴンには届かず当たってもかすり傷一つ付けられなかったので打つだけ無駄と判断して魔銃を仕舞った。

 姫姉は姫姉で持っていたミスリルのインゴットをクリエイトでダガーに作り変えて投げていたがドラゴンの羽ばたいた風で阻まれて届きすらしなかった。

 一応ドラゴンのブレス攻撃は事前の溜めが分かり易く簡単に躱すことが出来るので問題は無いのだが先制攻撃で傷をつけたせいか接近を一切してこない。

 このままだとドラゴンが疲れて空を飛べなくなるのを待つしか手が無いわけだがあのドラゴンが疲れて飛べなくなるのだろうか。

 俺はそんな事を考えつつ何か他に遠距離攻撃の手段が無いか探した。

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