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第216話 ダンジョンのボスから出る装備はハズレばっか

「やっぱりもうこんな時間だね」

 二十階層の先にあった転移クリスタルでダンジョンから脱出した俺たちは日の落ちかけたダンジョンの門の前で退屈そうに待機していた兵士と目が合い、少しバツの悪そうな顔になった兵士に「ここでお待ち下さい」と言われ少ししてやって来た馬車に乗り王城まで帰って来た。


 王城に帰って来た俺たちはメルリアさんに部屋まで案内されている間にダンジョンでの事を軽く説明してからダンジョンでの汚れを落とし着替えを済ませて俺はダンジョンでの事を詳しく報告する為に文官のアモダフさんの所までメルリアさんに案内して貰った。


 アモダフさんが居る部屋に入ると中にいたアモダフさんは立ち上がって「お待ちしておりました」と頭を下げて来た。

 それから俺も「お待たせしました」と返してから席に着き、本題に入った。

「今日はダンジョンの十六階層から二十階層まで探索してきました」

 俺がそう報告するとアモダフさんは「無事の帰還おめでとうございます。それで十六階層から二十階層の事をお聞きしてもよろしいでしょうか?」と訪ねてきたので俺はマップを開き十六階層から二十階層の地図を書きながらダンジョンの事を話し始めた。



「と言うわけで二十階層のボスは多分ですけど玉座に座っている王の石像を倒さないと兵士と魔法使いの石像が何度も復活してくると思います」

 俺の説明を聴き終えたアモダフさんは「そうですか……」と少し悩ましい表情でそう言った後、「貴重な情報をありがとうございます」と言って締め括った。


 報告が終わった俺は自分の部屋に戻り夕食の時間までダンジョンで手に入れたアイテムの鑑定をする事にした。

 先ずはと二十階層までに宝箱から手に入れたアイテムを鑑定したがどれも大したものではなく、下級の回復ポーションや特に何の付与も付いていない鉄製の武具や防具ばかりだった。

 やっぱりこんなものかと思いつつ本命のボスの部屋で手に入れたアイテムを鑑定解析をする事にした。


 《石像兵士の石槍》

 石像兵士の持っていた石で出来た長槍

 頑強(小)のエンチャントが付いている


 フロアボスである王の石像により召喚された石像兵士の持っていた石槍

 重く頑丈で人が使うには相当の筋力が無い限り適さない

 


 《石像魔法師の石杖》

 石像魔法師が持っていた石で出来た石杖

 魔法威力上昇(小)のエンチャントが付いている


 フロアボスである王の石像により召喚された石像魔法師の持っていた石杖

 重く頑丈で人が使うには相当の筋力が無い限り適さない

 


 《石像王の石王笏》

 石像王王が持っていた石で出来た王笏

 魔法威力上昇(小)のエンチャントが付いている


 フロアボスである石像王が持っていた石王笏

 重く頑丈で人が使うには相当の筋力が無い限り適さない

 


 どの装備も筋力が必要で使い勝手の悪そうな武具だった。

 今回のこれらも売却かなと思いつつ無限収納アイテムボックスに仕舞ったところでメルリアさんが夕食の準備が出来たと呼びに来た。


 食堂に移動してきた俺たちは先に来ていたウィンダムさんたちと王女様とウォレンさんが来るまで軽くダンジョンの話をしながら待っていると直ぐに王女様たちがやって来てそれに合わせて料理が運び込まれてきた。

 今晩のメニューは白身魚の香草焼きにほうれん草のバター炒めにエビやアサリに野菜が沢山入ったスープ、そしてガーリックトーストが三つ載った皿が全員の前に並べられた。

 料理が出揃ったところで王女様たちは神に感謝の祈りを捧げ、俺たちは「いただきます」をしてから食事を始めた。


 俺はまず具沢山のスープを口に運んだ。

 まず初めにトマトの香りに香草であろう香りが合わさった良い香りがやって来て一口飲めば口の中に魚介の旨味とトマトの旨味に酸味が広がりとても美味かった。

 野菜も程よくスープの旨味を吸って美味しかったし、エビとアサリも本来の味とスープの味と合わさって美味しかった。

 ガーリックトーストをスープに浸して食べればこれも絶品でとっても美味かった。


 次に俺はほうれん草のバター炒めを食べた。

 ほうれん草の苦味はバターで中和されていて一緒に入っていたコーンはバターで炒められたおかげか甘みが増していて美味しかった。


 ほうれん草のバター炒めも美味しかったなと思いつつ俺はメインの白身魚の香草焼きに手を伸ばした。

 食べる前から香草の香りが漂っていて食欲を掻き立てていて期待一杯に口に運ぶとその期待を超える美味さが口いっぱいの広がった。

 淡白な白身魚のあっさりとした旨味に香草の香りという味付けに一緒に食べたガーリックのガツンと来る美味さが合わさって最高に美味しかった。

 皮目のパリパリ具合も食感で楽しませてくれてガーリックトーストに載せて食べれば両方の旨味がベストマッチしていた。


 どれも美味しくて夢中で食べ進めて全てを食べ終えた頃には胃袋が満足と伝えて来ていた。

 食後のコーヒーを貰いながら他の人たちが食べ終わるのを食べた料理の余韻に浸りながら待っていると全員が食べ終わり食後のデザートとしてミルクレープが出された。

 薄い生地とクリームを交互に重ね真ん中の層には苺やキウイなどのフルーツが入っていて見ているだけでも美味しそうで俺はたまらず一口分切って食べた。

 予想通りクリームの濃厚な甘さとフルーツのさっぱりとした酸味と旨味で丁度美味しくて良かった。



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