第214話 ダンジョン内で魔装具の性能を調べる
翌日、俺たちはケアテミスさんに作って貰った魔装具を試すためにダンジョンにやって来た。
ダンジョン内で魔装具を試そうと思いまずは魔物を探したが十六階層は遺跡型のダンジョンらしく全面が石造りでどちらかというと謎解きやトラップがメインの階層らしく魔物と全然出くわさなかった。
因みにその事は少女から聞いた。
それから魔物出ろと思いながら進むも一度も魔物と出会す事も無く二個の宝箱と多数のトラップがあっただけで階段のある部屋まで辿り着いてしまった。
しかもここでも魔物は居らず、代わりに謎解きがあってそれを解かないと階段が使えないようだった。
謎解き自体は少し考えれば誰でも解けそうな五人の中から嘘を吐いているのは誰か当てるだけの問題だった。
俺と姫姉は一人ずつ確認して最終的に三人目が嘘吐きだと答えると『ピンポーン』と言う音と共に階段に掛かっていた結界が解かれて通れるようになった。
十七階層に降り立った俺たちは先程と同じ遺跡の様なダンジョンの内装に二十階層までこれが続くのかと思いながら足を進めた。
五分程歩いたところで本日初めてのゴブリンと出会した。
やっと魔装具の効果が試せると俺はスカーレットフォースを身に着けて刀を抜き、構えた。
だがゴブリンはこちらに気付いているのに襲って来なかった。
俺は何かあるのかと思い周囲を見回すとゴブリンの前の床の一部が少しだけ色が違った。
罠かと思い試しにその床に鑑定解析を使うと《躓きの床》と出てその床を踏むと確実に躓くと書かれていた。
ここのゴブリンは罠を利用する知恵があるのかと思いながら俺は罠のある床の手前までゆっくりと移動し、罠を飛び越えてゴブリンを一刀のもとに切り伏した。
ゴブリンを倒したのは良いが魔装具については効果を余り実感出来なかった。
もともと付けてても付けてなくても一撃で倒せてしまえるため攻撃力に変わりがあるかは判らずじまいだったが一応筋力が上がったという感覚は持った武器が少しだけ軽くなったことから分かったのでこれでよしとする事にした。
因みにアズールウィズダムの方はそもそも使える光魔法で試したが少し明るくなったかなと思える程度の差でしか無く、闇魔法のハイディングももともと見つかりづらい事もあって違いが分からなかった。
俺の魔法攻撃は魔道具での魔法を使っていて魔道具での魔法は賢さの値では無く魔道具に注ぐMPの量で威力が決まる為魔装具の効果は影響しない。
それに姫姉は魔法スキルを取ってない脳筋ビルドなので実験しようが無い。
少女も攻撃魔法を取ってなかったのでアズールウィズダムの性能試験は今後に回す事になった。
それから俺たちは遺跡のような石造りのダンジョンを進んで行き、立ち塞がる罠にかかることも無く十七階層を難なく踏破し、次いで十八階層、十九階層と順調に偶に現れる魔物と宝箱に一喜一憂しながら二十階層へと辿り着いた。
二十階層も例に漏れず遺跡の様な内装だったがやはりと言うべきか一本道の先には広い部屋が待っていた。
部屋の中には盾と槍を持った石像と杖のような物を持った石像に玉座に座っている石像が待ち構えていた。
一応部屋に入っても即戦闘とはならず石像たちはその場で沈黙していた。
これまでの経験からここも何か謎解きがあると踏んで俺たちはまず周囲に何か問題なり、ヒントなりが無いか調べて回った。
結果、『兵士は王の為に生きる』と『魔は魔を受け付けない』と『王は一人』の三つの文言を見つけた。
取り敢えず何かのヒントだろうと思いつつ俺は姫姉に話しかけた。
「ヒントらしいのはこの三つの文言だろうけど……。因みに『魔は魔を受け付けない』は魔法攻撃が効かないって意味だと思うんだけど」
「魔に関しては私も同じ意見だよ。多分あの魔法使いっぽい石像は魔法が効かないってことなんでしょ。後は『王は一人』はそのままの意味なのか何か他に意味があるのか分からない。でも『兵士は王の為に生きる』はそのまま王を守るって事なんじゃないかな」
「それ以外に何にも思いつかないし、取り敢えず戦って見るかな」
俺がそう言うと姫姉は「良いんじゃない」と賛同してくれて、少女もやる気満々といった様子で武器を構えた。
今の所ヒントがあんまり分かって無いが俺たちは戦いながら探ると言う事で俺たちは石像との戦闘を開始した。
まず手始めに俺が魔銃で兵士の石像にエアバレットを放ったが盾で防がれ、ならと王に向けて撃つも兵士が間に割って入って防がれた。
それならものは試しと魔法使いの石像に撃ってみると兵士は守りに行かずエアバレットは魔法使いの石像に当たる手前で消滅したようだった。
それから俺たちは物理攻撃に切り替えて俺は魔法使いを相手し、姫姉と少女は盾と槍を持った兵士と戦い出した。
戦闘が始まってからもずっと王の石像は動く事なくその場に座ったままで偶に少女が攻撃を仕掛けようとすると兵士の石像が妨害をして来て王の石像に攻撃をする事が出来なかった。




