第212話 昼食に和食が出た
前回のあらすじ
オーガの角は魔装具にすることにした
他の素材を用意することで値引きをして貰った
ダンジョン探索で手に入れた素材を売りに王城の解体所に行った
ギードさんとドナートさんの二人掛かりでの仕分けと査定を待つこと十数分、仕分けと査定が終わったのかギードさんが俺たちに話しかけて来た。
「お待たせしました、査定が終わったのでご確認ください」
ギードさんはそう言って魔石が綺麗に仕分けられた箱と薬草類が種類ごとに一定の分量で纏められた箱とゴブリンのナイフと棍棒をテーブルの上に置いていった。
俺は並べられたものをざっとチェックして特に問題は無いと判断してギードさんに「問題ないです」と言ってギードさんの次の言葉を待った。
「では今回の査定額ですが、最下級の魔石が1個十シアで226個ありますんで二千二百六十シア、そして下級の魔石は1個二十シアで4個ありますんで八十シアになります。次にコッチの薬草類ですがまずリカ草は10本1束百シア、3束あるんで三百シアになります。毒消しの実は一個二十シアで30個あるんで6六百シアになります、パラ花も一花二十シアで30個あるんで六百シアになります。それからこっちのナイフは前回同様素材としての価値で纏めて六百シアで買い取ります。棍棒の方は木材として買い取るんで纏めて五十シアになります。全部合わせて四千四百九十シアになります。代金ですが今回も現金にしますか?」
査定の内訳を全て説明をした後、代金を現金でよういするかと訊ねられて俺は姫姉に「どうする?」と視線で訊ねた。
視線でそう訊ねられた姫姉は「今日はこの娘もいるしギルドカードでいいんじゃない?」と返して来た。
そうなるとどう分けるかだが一人当たり千二百シアで残りをパーティー用の資金にするかなと考えそれを姫姉に伝えると「私はソレで構わないよ」と返って来たので俺はその分け方をギードさんに伝えて俺と姫姉と少女のギルドカードを渡した。
ギルドカードを受け取ったギードさんは「かしこまりました」と言って魔石の入った箱などを片付けてから手続きをして入金を終えたギルドカードとパーティー資金分の現金を持って戻って来た。
俺たちはそれぞれギルドカードを受け取った後、俺はパーティー資金の入っている袋を無限収納から取り出してそこにパーティー資金分の現金を入れた。
ダンジョン探索で手に入れた物も売り終えて解体所を後にしようとしたところで時間もお昼になっていたこともありメルリアさんが「昼食の準備が整っているようですがどうされますか?」と訊ねて来た。
俺はそこそこお腹が空いていたので「食べます」と答え、それに続いて姫姉と少女も「食べます」と答えて俺たちは一度部屋に戻ってから食堂に向かうことになった。
食堂に着くと今日は俺たちしか来ないのか俺たちが席に座ったタイミングで食事が運び込まれて来た。
俺たちだけだからかなんと今日の昼食は白ご飯に焼魚と卵焼き、そして野菜が沢山入った味噌汁が並べられさらには箸も用意されていた。
ホカホカの白ご飯は粒一つ一つに艶があり見ただけで美味しいのが分かるし、鮭に似た魚は皮目がパリッと焼かれていてこれも美味しそうだし、卵焼きは黄色一色で丁寧に作られたのが分かるし仄かに香る出汁の香りで食欲をそそられる。
味噌汁は白菜に大根に人参、そして油揚げと豆腐が入っていて食べ応えがありそうだった。
そんな料理を目の前にした俺と姫姉は目を輝かせながら「「いただきます」」と言って箸を手に取り食べ始めた。
俺はまず味噌汁を手に取り入っている具材を箸で掴み口に運んだ。
白菜に大根に人参はクタクタに煮られて軽く噛むだけで簡単に噛み切れて更に旨味も溢れ出して来てとても美味しかった。味噌汁を吸った油揚げもとても美味しかったし、一口サイズに切られた豆腐も仄かな甘みが味噌汁とマッチしていた。
久しぶりの味噌汁の味に感動しつつ、次に俺は焼魚に手を付けた。
鮭に似たサーモンピンクの身に箸を入れると簡単に解れ、ジワァっと溢れて来る脂に俺はゴクリッと唾を飲みつつ一口分箸で掴んで口に運んだ。
箸で解した時に溢れて出た旨味が含まれた脂が噛む毎に口の中に広がってとても美味しかった。
更に俺はすかさず白ご飯を食べて魚とご飯の旨味を口の中でガッチャーンコ。魚と白ご飯の相性は考えるまでも無くとても美味しかった。
残すは卵焼きと思いながら箸で一切れ掴み一口で食べた。
出汁の旨味と卵特有の旨味がベストマッチしていてこれも美味しかった。
それから俺は久しぶりに食べたちゃんとした和食に感激しながら黙々と食べ進め、気が付いた時には食べ終えていた。そして同タイミングで姫姉も食べ終えていた。
俺と姫姉は「「ご馳走様でした」」と言って和食の味の余韻に浸っていると箸の使い方を俺たちの使っている姿を見て覚えた少女も食事を終えて「ご馳走様でした」と小さい声で言った。
全員が食事を終えたタイミングでデザートが運び込まれてきた。
デザートも和できな粉のわらびもちだった。
アクセントの少しの塩で甘さが引き立ったきな粉のわらびもちもとても美味しく俺たちは満足感いっぱいでで食事を終えた。




