第210話 ケアテミスさんに相談した
前回のあらすじ
文官のアモダブさんを紹介された
ダンジョンの地図を描いてその説明をアモダブさんにした
ドロップアイテムをどうするか姫姉たちと話した
「っん、お前たちは確かこの前ポーションを買いに来た冒険者だったか?」
ケアテミスさんの館の前に着いた俺たちはケアテミスさんの館の門番さんにそう声を掛けられた。
「はい、今日はケアテミスさんに相談があって来たんですけど会えますかね?」
代表して俺が訪問の目的を話すと門番さんは「主なら今日も研究室に篭ってるらしいし入って良いぞ」と言って簡単に通してくれた。
館の前まで行くと前に着た時にも案内をしてくれたと思うメイドさんがお辞儀をした後、「どうぞこちらへ」と言って俺たちを館の中に招き入れてくれた。
前回来た時にも通された玄関にほど近い部屋に案内されここで待つ様に言われて俺たちはソファに座って待つことにした。
少ししてメイドさんが人数分のカップと薬草茶の入ったポッド、そしてクッキーが盛られた皿が載ったワゴンを押して戻って来て俺たちの為に手早く紅茶を入れてから「ケアテミス様は直ぐに来られるそうですのでもう暫くお待ちください」と言ってまた部屋を出て行った。
出された薬草茶を飲み切る頃、部屋の扉をノックする音が聞こえた後メイドさんが「お待たせしました」と言いながら扉を開けてケアテミスさんと共に部屋に戻って来た。
「やぁ待たせたかな。今回は何が要り様かな? っとその前にこの間王城から王女様の使いの者が来て私のデミエリクサーについて話を聞きたいと伝えに来たんだが君たちが何か言ってくれたんだろ、感謝するよ」
挨拶もそこそこにケアテミスさんはニコニコと嬉しそうに俺たちに感謝の言葉を言い頭を下げて来た。
「あはは、偶々(たまたま)ですよケアテミスさん。偶々俺たちがデミエリクサーを貰ったって話していたら王女様に聴かれてただけですので頭を上げて下さい」
「だがその偶々で私のデミエリクサーが王女様に伝わったのだからやっぱり君たちにデミエリクサーを渡したおかげだ、感謝するよ。まぁこれ以上は感謝の押し売りになりそうだからこの位にして、今日は何を買いに来たのかな?」
「えーっと今日は買い物に来たわけじゃなく」
「そうなのか?」
「はい、実はダンジョンのボスを倒した際にコレが出まして」
俺はそう言って無限収納からレッドオーガの角とブルーオーガの角を取り出してテーブルの上に置いた瞬間、ケアテミスさんが机に齧りつく様に飛びついて俺が取り出した二つのオーガの角を食い入るように見つめながら興奮した様に口を開いた。
「これほど綺麗なオーガの角は久しぶりに見た! それでコレを私に見せてどうするつもりだい?」
「コレが色んな錬金の素材になる事は鑑定解析で分かったんですけど加工をする能力は無いんでその道のプロにどうすれば良いか相談をしたくて来たんですよ」
「そうか、そうか! 君たちは実に賢明だ、この天才錬金術師である私に任せたまえ。それでポーションか魔装具か武器にエンチャントかどれにする? 因みに私のオススメは魔装具だ! まぁ決めるのは君たちだがな」
俺がそう相談するとケアテミスさんは興奮を隠す気も無いのか笑顔で何に加工するのか魔装具をオススメしながら訊ねてきた。
俺は一人で決めるモノでもないので姫姉に視線を向けてどうするか訊ねると「ケアテミスさんのオススメについて詳しく聞いてからの方が良いんじゃない」と返され、俺はそれもそうかと思いケアテミスさんに「オススメについて詳しく教えて貰えますか」と訊ねた
「勿論だとも、まずはこれで作れる物だがレッドの方は中級程度の筋力強化のポーションに狂化薬に筋力上昇のエンチャントを装備に付与といったところかな。ブルーの方は中級程度の魔力上昇のポーションに狂化薬に魔力上昇のエンチャントを装備に付与かな。因みに狂化薬は危険薬物で資格が無い者が所持してるだけで罪になるから君たちに作って渡すことは出来ない。なのでポーションか装備にエンチャントの実質二択なんだが、ポーションはエンチャントよりも効果が高い代わりに使いきりだから私的にはオススメしない。それでエンチャントだが今の装備にエンチャントを施すというのも一つだが装備品は消耗品だし今の装備から強い装備に買い替える事もあるだろう。だから装飾品にエンチャントを施す魔装具を私はオススメするよ。魔装具なら指輪やブレスレットにネックレスやイヤリングなど色々あるがどれも小さくて邪魔にならず装備を買い替えても付けることが出来ると、まあ此処まで話したがどうするかは皆で相談して決めてくれたまえ」
ケアテミスさんにそう言われ俺は殆ど気持ちが決まっていたが姫姉たちの意見も聞こうと姫姉たちの方に顔を向けまずはと俺の意見を言うとどうやら姫姉たちも同じ気持ちだったようでおれの意見に賛成してくれた。
皆の意見が一致したところで俺はケアテミスさんの方に向き直り口を開いた。
「魔装具にします」
俺のその言葉を聞いてケアテミスさんは嬉しそうに「そうか、そうか。では私が最高の魔装具を作ってやろう」と笑顔で言って来た。




