第207話 ボスのオーガ2体と戦闘
前回のあらすじ
順調に十三階層、十四階層を攻略する
十五階層に到達
明らかに強そうなオーガが待ち構えていた
「物理型のレッドオーガと魔法型のブルーオーガか、厄介だな」
俺は鑑定解析の結果を見てそう呟いた。
「へぇバランスの良いボス構成なのね。なら優君が遠距離からレッドオーガに攻撃してその隙に私とこの娘がブルーオーガに接近して先にこっちを倒すのが無難かな」
俺の呟きを聞いた姫姉は直ぐに誰がどれと戦うか作戦を立てて提案してきた。
姫姉の作戦を聞き俺もそれが妥当かなと思い「それで行こう」と姫姉の作戦に賛成して少女も首を縦に振って同意してきたので俺たちは姫姉の作戦でオーガ2体に挑むことになった。
「それじゃあ行くぞ」
俺の掛け声に二人が頷き返して来たのを確認してから俺は山頂に駆け出してレッドオーガを視界に捉えた所で魔銃を撃った。
魔銃から放たれたエアバレットはレッドオーガの胴体に当たったがやはり威力が足りないのかレッドオーガは痛がる様子も無く俺に向かって来た。
俺が攻撃を仕掛けた事でブルーオーガも杖というには無理がありそうな先端に棘が付いた金属製の棒を俺に向けて魔法を使う素振りを見せたがそれは一気に距離を詰めた姫姉の一撃によって阻止された。
それから俺はレッドオーガが振り下ろす2m位の長さで太さもそれなりにある棍棒を避けつつ刀で反撃をしたり魔銃で牽制をしたりしながら決定的な隙が出来るのを待ち、姫姉たちは積極的に攻撃を繰り返して無理矢理ブルーオーガの隙を作ろうとしていた。
どちらも有効な攻撃を与えられず膠着状態が続いていたが少しして先に隙が出来たのはやはり姫姉たちと戦っているブルーオーガの方だった。
二対一の不利な状況で細かいダメージを受け続けていたブルーオーガは少女の視覚外からの攻撃に反応が遅れて杖を取り落とし、そこを姫姉が連続で斬り少女の背後から首を狙った一撃で絶命しブルーオーガはその場に崩れ落ちた。
ブルーオーガが倒されたタイミングでレッドオーガが吼え、武器を投げつけて来た。
俺は急に投げつけられた武器を大きく動く事で何とか躱せたがそのせいでレッドオーガに少しだが自由に動ける時間を与えてしまった。
少しだが時間を得たレッドオーガは赤いオーラを纏ってさっきよりも断然強くなったと思わせる殺気を放っており、目が合った瞬間殴り掛かって来た。
地面を砕く威力の拳を躱して少し距離を取って様子を見ようとしたがレッドオーガは下がった俺に詰め寄って来て再び殴り掛かって来た。
この拳も難なく避けれたがそれ以降も息もつかせぬ勢いのまま連続で殴り掛かって来た。
だが先ほどまでの理性ある攻撃とは違い大振りで隙のある速さと威力だけの攻撃だったので避けるのにそれほど苦労はしなかった。
何度か攻撃を見てコレなら行けると判断した俺はレッドオーガの攻撃の合間に反撃を入れ始めた。
レッドオーガの攻撃は俺には当たらず逆に俺の攻撃はレッドオーガに小さいがダメージを与え続け、それが何度も続いたところでレッドオーガに異変が出始めた。
だんだんレッドオーガの動きが鈍くなり始め隙も大きくなり、攻撃の威力も落ちてオーラも薄くなって明らかに弱ってきていた。
ここまで弱っていれば隙を待たなくてもと思い俺は魔銃を取り出してレッドオーガの顔に向けてエアバレットを放つとレッドオーガをそれを真面に受けて隙を見せ、隙だらけのレッドオーガの足を斬りその場に膝を突き立ち上がろうと腕を地面に付けたところで隙だらけになった首に一太刀。
レッドオーガの首は胴体から離れてその場に落ち、胴体もその場に崩れ落ちた。
2体のオーガが倒された事がトリガーとなっていたのか消えずに残っていた死体が魔石と角とオーガたちが持っていた武器を残して霧散した。
そしてオーガたちが最初に居た場所に次の階層に繋がる扉が現れた。
俺はオーガのドロップアイテムを確認した。
《レッドオーガの角》
レッドオーガの魔力を宿している角
スキルを持つ者が加工すればそれなりの装備品になる
錬金術の素材にもなる
《ブルーオーガの角》
ブルーオーガの魔力を多量に宿している角
スキルを持つ者が加工すればそれなりの装備品になる
錬金術の素材にもなる
《レッドオーガの棍棒》
レッドオーガが使っていた鋼鉄製の棍棒
長さ2mで先端の直径は30cm
ダンジョンのフロアボスであるレッドオーガが使っていた棍棒
普通の人間が使うには重すぎる
《ブルーオーガの杖》
ブルーオーガが使っていた鋼鉄製の杖
長さ1mで杖の先端には棘が付いている
魔法威力上昇(小)のエンチャントが付いている
ダンジョンのフロアボスであるブルーオーガが使っていた杖
普通の人間が使うには重いが使えなくもない
角は利用価値がありそうな解析結果を得られたが棍棒と杖に関してはあまりいい結果を得られなかった。
その事を姫姉たちに共有しつつドロップアイテムを全部、俺の無限収納に仕舞った。
それから俺たちは扉を潜り十六階層に進んだ。
時間もそこそこ経っているので俺は今日は此処までにして帰ろうと提案すると姫姉たちも賛成してくれて俺たちはクリスタルに触れてダンジョンの外に出た。




