第21話 魔法講義を受けた
前回のあらすじ
色々スキルを取ってみた
今日も目覚ましが鳴り響き朝を告げる。
「ふぁ、今日もいい天気だ。朝日が眩しいな」
そんなことを呟きながらベッドから出てレインにおはようとあいさつをすまし、着替えを終え姫姉を起こそうと隣のベッドを見る。
だがそこにいるべき姿はどこにもなく、もしかしてと思い自分のベッドの掛け布団をめくるとそこに姫姉が丸くなって寝ていました。
「またか。姫姉、朝だよ。起きないと胸揉むぞ」
いつものセリフを言うと姫姉が起きてきた。
「おはよう優君。じゃあ着替えるから外で待ってて」
俺は姫姉に言われるがままいつも通りに部屋を出て数分待ち、着替え終わった姫姉と一緒に食堂に向かった。
食堂に着くといつものようにメルさんが話しかけてくる。俺はメルさんと軽く挨拶を交わし、朝食をとる。朝食を食べていると慎夜と橘さんがやって来て一緒に食事をし、今日の予定を話し合った。
そんな話をしているとお姫様がやって来た。
「おはようございます。本日は魔法についての講義を予定しています。興味のある方はメイドに言っていただければ魔法修練所に案内いたします。講師には宮廷魔導士のウォレンが教えます」
お姫様はそういうと食堂を後にした。
俺たちは魔法が気になっていたので講義に参加することとなった。
こうして俺たちはメルさんの案内で魔法修練所にやって来た。
「ではこれから、魔法について教えたいと思う。まず魔法使うには体内にある魔力を感じられなくてはならない。これから皆に儂が回復魔法を掛ける。それで魔力の流れを感じ取ってみろ」
そういうとウォレン老師は杖を掲げエリアヒーリングと叫んだ。
白く淡く輝く光が全身を包み込み何か温かい物が身体に流れ込んでくる。俺はその流れを感覚を研ぎ澄まし追っていく。すると体内に回復魔法で感じたのとは違う温かい物が腹の少し上のあたりに感じられた。
「どうじゃ腹の少し上のあたりに温かい物は感じれたか?それが自身の魔力じゃ」
そう言ってウォレン老師は一人一人に聞いて回った。
「よし、皆感じることは出来たみたいじゃな。では次は実際に魔法を使ってみるかの。ではまず、この水晶に魔力を流して見てくれ。この水晶は魔法適正を色で表してくれるものじゃ。一人ずつ前に出てきてやってみるがよい」
俺たちはウォレン老師に促され一人ずつ水晶に魔力を流していった。結果全員、基本の火水風土に光闇の6属性の適性を持っていた。ただこれは適性があるだけで使えるかどうかは努力次第らしい。
「ふぉっふぉっふぉ、異世界人はやはり基本属性には適性があるみたいじゃな。これなら教えがいがあるわい」
ウォレン老師は笑いながらそう言っていた。
「では魔法を使ってみるとするかの。まあ魔法なんてのは要はイメージじゃ、イメージをしっかりしておれば後はどうとでもなるわい。まずは何事も挑戦じゃ、まずは腹の上あたりの魔力の源から魔力を手に持ってきて手から水が出るイメージでウォータークリエイトと言うんじゃ。やってみい」
俺たちはウォレン老師に言われるがまま、魔力を手に集めて水が出ることを思い浮かべウォータークリエイトと唱える。すると手の平から水が流れ出した。
「おお、成功したみたいじゃな。それが生活魔法のウォータークリエイトじゃな。おぬしもしかして生活魔法のスキルを持っておったのか?」
俺はウォレン老師の質問に素直に答えた。
「はい、生活魔法はスキルポイントを消費して取りました」
「そうか、取っておったのか。普通魔法スキルの入手方法はスキルポイントを消費して取るか、地道に努力して得るか、ダンジョンから時たま出てくるスキルオーブによって覚える、この3つじゃ。にしても生活魔法はスキルポイントを消費せずとも一週間も修練すればたいていの魔法使い職の人間は覚えられるんじゃが。スキルポイントの無駄遣いじゃな」
まさかの事実を伝えられて俺はショックを受けていた。
だが気付いてしまった。俺にはスキルポイント再振り分けがあることに。おれはすぐさまステータスを開きスキルポイント再振り分けを使ってみた。するとスキル一覧の取得済のスキルに振り分けたポイントが動かせれるようになった。俺は魔法に割り振ったポイントを一度全部戻しておいた。
「まあ取ってしまったのなら仕方がないの。これからは気を付けてスキルポイントを振り分けるんじゃな」
どうやら再振り分けは普通ではありえないみたいだな。他の人には言わないでおこう。
「あはは、今度から気を付けます」
俺はウォレン老師に愛想笑いをして話を終わらせた。
「まあこんなこともあるが魔法は修練を積めばいずれは使えるようになるから日々の鍛錬を怠る出ないぞ。じゃあ続きを行うとするかの。さて、さっき言った通りスキルがあれば唱えるだけで魔法は発動する。その感覚を掴めば後は他の魔法もほとんど一緒じゃよ。後は回数をこなせば使えるようになるじゃろ」
こうしてウォレン老師による魔法講義は夕方まで続いた。終わる頃には何人かが自力で生活魔法を覚えることに成功していた。俺は覚えられなかったけどな。