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第204話 異世界間直通トンネルダンジョン攻略 十一階層、十二階層

前回のあらすじ

氷製造機を姫姉に自慢する

カジノに行くときは今度から姫姉も誘うことを約束する

夕食の牡蠣のバターソテーが美味しかった

 丸一日休み心身ともに休息を取った翌日、俺たちは朝食を食べてから王城前広場に出来たダンジョンまでやって来た。

「今日は十一階層を覗きに行こうと思うけど良いよね?」

 俺は姫姉たちにそう尋ねると姫姉たちはやる気満々といった表情で頷き返して来たので俺も気合を入れ直して十一階層と思い浮かべながらダンジョンの扉に触れた。

 足元に魔法陣が現れて俺は一瞬の内にダンジョンの十一階層の入り口に転移してきた。

 そのすぐ後に姫姉たちも転移して来て全員揃ったところで俺たちは十一階層の中へ歩を進めた。


 十一階層は十階層までの草原と林のエリアとは違い木の数が多いまさに森といったエリアだった。

 見える範囲の殆どが木だが何故か木が生えておらず草も殆ど生えてない踏み固められた道があり、いかにもこの道順で進んでくださいといった様子だった。

 俺たちが初めて探索者の筈なのに何故ちゃんとした道があるのかと思ったがあんな看板を設置するような者の事だから特に意味は無いだろうと結論付けて俺は姫姉に「取りあえず道順に進んでみる?」と聞き、「わざわざ用意してるんだし罠と奇襲に気を付けながら進むんでいいんじゃない」と返って来たので俺を先頭に用意された道を進みだした。


 なんとなく予想していたが用意された道は右に行ったり左に行ったり曲がりくねったりで遠回りになりそうな道だったが魔物の奇襲が一切なく、唯一の魔物との遭遇は道の真ん中で待ち伏せしていたゴブリンだけだった。しかもそのゴブリンは背を向けていたのでこっちが奇襲を仕掛けて一瞬の内に倒せた。

 その後も曲がりくねった道をただ只管ひたすら歩き続け偶に道の真ん中にいるゴブリンを倒して何とか階段のある開けた場所に辿り着いた。


 階段のある場所まで辿り着いた俺は入り口からはどの位離れた場所だったのか調べるためにマップスキルを使った。

 入って来た所からは直線距離でもれなりに離れた位置だったが今まで歩いて来た道と比べると三分の二程度の距離だった。

 一応透視盗撮を使って最短距離だと何があるのか見て「げっ」と声が出た。

 俺が声を出したことで姫姉が「どうしたの?」と今度は何をやらかしたのかとジト目で聞いて来た。

「いや、そのマップで最短距離で此処まで来るとどうなるのか透視して見たらちょっとね」

「ふーん、で何があったの?」

「木が多くて薄暗いし蜘蛛の巣もあるし膝くらいの高さの草が生い茂ってて更にそれに隠れる様に罠も仕掛けられてるし何なら木の上に上の階層に居たネズミ位の大きさの蜘蛛が居た」

 俺が見たことをありのまま伝えると姫姉は「うげっ」と女の子らしくない声を出して嫌そうな顔をした。


「という訳でこの階層で森の中を調べるのは危なそうなのでやめておこうと……えぇぇ」

 俺は危険だしマップ埋めは無理かなと判断して姫姉にそう伝えながらマップを見てとんでもない事に気が付いた。

 なんと透視で視たエリアのマップが何故か埋まっていた。しかもちゃんと俺が気が付いて無かった罠も親切に書き加えられていた。

「優君がそんな反応するってことはもしかして……マップ埋まってた?」

 姫姉もなんとなく俺がなんでげんなりした声を出したのか思い当たったのかそう訊ねてきた。


「うん、何か透視した分のルートが全部マップに書き加えられてた……。という訳で取りあえず全部埋めるからちょっと待ってて貰って良いかな」

 俺が二人にそう言うと姫姉が無限収納アイテムボックスから椅子を二つと飲み物を取り出して休み始め俺はそれを横目に自分も無限収納アイテムボックスから飲み物を取り出しつつスキル透視盗撮を使ってマップを全部埋めていった。

 十数分ほどで全てのマップが埋まり俺は二人に「終わったし次に行こうか」と声を掛けると姫姉が「お疲れさま」と声を掛けてくれ、少女からは休憩中に摘まんでいたクッキーを一枚貰った。


 それから俺たちは階段を下り十二階層にやって来た。

 十二階層も十一階層と同じくザ・森といったエリアで分かり易く進むべき踏み固められて歩きやすそうな道があった。

 俺たちはその道を警戒しつつ進み数回のゴブリンとの遭遇戦を経て苦労することなく階段のある場所まで辿り着いた。

 ただ優しい設計では無い様で今回は階段を取り囲むようにゴブリンたちが立ち塞がった。

 姫姉は直ぐに刀を握りいつでも居合で切り掛かれるように構え少女も武器を構え、俺は右手を刀に添え左手で魔銃を構えてゴブリンが動き出す前に撃った。

 俺の初撃が戦闘開始の合図と言わんばかりにゴブリンが一気に駆け寄って来たがそれまでに俺は魔銃を連射して襲い掛かって来るゴブリンを3体倒し残り3体になった所で武器の届く範囲まで接近されたので俺は魔銃を無限収納アイテムボックスに仕舞いその間に姫姉と少女が1体ずつゴブリンを斬り倒して俺は残った1体を居合切りで斬り倒した。

 ゴブリンを倒した俺たちは追加の敵が来ないか警戒したが特に何も来ないと分かると武器を鞘に仕舞い姫姉と少女は姫姉が出した椅子に座って休み始め、俺はマップ埋めの為にスキル透視盗撮を発動した。


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