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第203話 氷製造機を自慢した

前回のあらすじ

カジノで遊んだ

今回は儲からなかった

景品交換所で氷製造機と交換した

 冷凍庫として使える氷製造機を手に入れてほくほく顔で王城に戻ってきた俺は門の前で兵士に挨拶をして中に入れて貰い迎えに来たメルリアさんの案内で自分の部屋に帰って来た。

 俺が部屋に帰って来て寛いていると俺が帰って来た事に気が付いた姫姉が部屋の扉を開いて入って来た。

「外に行ってたみたいだけど何かあった?」

 姫姉にそう尋ねられた俺は自慢げに無限収納アイテムボックスから氷製造機を取り出して見せびらかした。

「ナニソレ?」

「聞いて驚け、コレは氷製造機だ!」

 姫姉は俺が取り出した物が何か訊ねて来たので俺は誇らしげにそう答えた。


「氷製造機? 氷なら魔法で作れるけど」

 姫姉は俺の返答にわざわざ道具に頼らなくても氷なら作れると魔法でひとつまみ程の氷を出してきた。

「それだけなら確かに魔法で良いけどコレはなんと物を冷やす事も出来るんだ!」

「えっ! それじゃあダンジョン内で冷えた飲み物が飲めるって事!?」

「ああ、ここで貰ってる飲み物って運んで来る途中で温くなるから無限収納アイテムボックスに入れる前にコレで冷やしてから入れたらダンジョンでいつでも冷えた飲み物が飲めるって事だ!」

 ドヤ顔でそう言うと姫姉が目を輝かせて抱きついて来た。

 これだけで交換して来た甲斐があった。


「優君最高っ! ……っん、でもこの前買い物行った時は見なかったけどコレって何処に売ってたの?」

「ああ、ちょっと暇だったからカジノに寄って遊んで来たんだよ。それでコインと交換する時にオススメされて交換して来たんだよ」

「えぇー、カジノなら私も行きたかったぁ! なんで誘ってくれなかったの?」

 姫姉は俺がカジノで遊んできた事に不満気に自分も行きたかったと言い、瞳をウルウルとさせながら上目遣いで何故誘ってくれなかったのか訊ねてきた。


「いやそれは暇だったから、近場で時間を潰せそうな所がカジノだっただけで」

「でも念話で誘ってくれたら良かったのに。優君だけ遊んできたんだ」

 姫姉は拗ねた様にそう言って鯖折出来そうな位に抱きしめる腕に力を入れて来た。

「っう、今度行く時は誘います」

「なら良し」

 俺が今度からはちゃんと誘うと約束すると姫姉は一瞬で笑顔になって腕の力を抜き離れていった。

 それから俺は冒険者ギルドで王城前のダンジョンについて聞きに行ったら緘口令が敷かれていた事を姫姉に伝えて、もう少しの間は冒険者がダンジョンに入ってこなさそうだからゆっくり攻略出来ると二人で話し合った。


 話が終わって膝枕をして貰っていると部屋の扉をノックする音が聞こえ、メルリアさんが声を掛けてきた。

「メルリアです。夕食の準備が出来ましたのでお迎えに上がりました」

 俺は至福の時間の終わりに少しだけガッガリしながら「分かりました」と返事をして立ち上がり姫姉と共に部屋を出た。


「ヒメナ様もコチラに居られたのですね」

 メルリアさんは俺と一緒に部屋から出てきた姫姉と俺の頭を交互に見て少しだけ頬を赤らめてそう言った。

 俺は不思議に思い頭に何かあるのかと思っていると姫姉に小声で「寝癖がついてる」と言われ、マジでと思いながら手で直そうとすると姫姉が魔法で少量の水を出して俺の頭を少しだけ濡らして手櫛で寝癖を直してくれた。

 そんな俺たちを見ていたメルリアさんは顔を真っ赤し、俺は姫姉に「ありがとう」と言って姫姉の頬にキスをすると我慢の限界に達したのかメルリアさんが俯いてしまい姫姉からは「普段はそんな事しないでしょ」とジト目で言われて更に頭にチョップを貰った。


 俺の悪戯いたずらだと気付いたメルリアさんからもジト目貰いながら部屋から出てきた田中さんたちと共に食堂に移動してきた。

 食堂に入るとウィンダムさんたちが先に来て座っていて、俺たちが席に着いて少しすると王女様とウォレンさんがやって来て座ったところで料理が運ばれて来た。


 今夜の夕食はミートソースの様な物が上に載せられて更にその上からチーズがたっぷりかけられたパスタにコンソメスープに牡蠣のソテーだった。


 パスタは粗い挽き肉がトマトがしっかりと煮込まれたのか旨味がしっかりと混ざり合っていて奥深い味わいを出していて美味しかった。

 コンソメスープはキャベツとベーコンが入っており、思ったよりもあっさりしていて飲みやすくだけど他の料理にも負けないくらい美味しかった。

 そして牡蠣のソテーは牡蠣そのものの旨味がムニエルにしているお陰かしっかりと閉じ込められており食べた瞬間に口の中でバターと牡蠣の旨味が交わって広がり美味しかった。


 どの料理もいつも通り美味しく頂き、全員が食べ終えたところでデザートが運び込まれて来た。

 今回のデザートはプリン・ア・ラ・モードだった。

 プリンの上にホイップクリームが載せられ更にその上に苺が載っていて周りには美しくカットされた林檎やキウイフルーツが見栄え良く飾られていて一つの芸術品と見紛う逸品だった。

 俺は躊躇ちゅうちょなくスプーンを入れて食べたが女性陣は少しだけ見た目を楽しんでから惜しむ様にスプーンを入れて食べた。


夕食のメニュー

ボロネーゼパスタ


牡蠣のソテー


コンソメスープ


プリン・ア・ラ・モード


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