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第199話 ダンジョンの戦利品を査定して貰った

前回のあらすじ

俺をやる事やったら雑に追い出した女文官の処遇を決める

ダンジョンの地図を書く

ダンジョンの戦利品をどうするか王女様に尋ねる

「では参りましょう」

 メルリアさんにそう言われて俺と姫姉はメルリアさんの案内で移動を始めた。

 王城を出て王城の傍にある倉庫のような大きな建物があるところまで来てメルリアさんが「ここです」と言い「お客様をお連れしました」と言ってメルリアさんはその建物の扉を開けた。

 扉を開かれた倉庫のような大きな建物の中から血の匂いが微かに匂って来て一瞬でここが解体所だと理解し俺たちはメルリアさんの後に続いて解体所に入った。


「よう、こんな辺鄙なところにようこそ嬢ちゃん坊主。それで仕事はなんだ?」

 解体所に入って直ぐにガタイの良いおっさんがそう声を掛けてきた。

「本日はこちらのお二方が例のダンジョンで討伐した魔物のドロップ品を買い取りの査定をして貰うために来ました」

 メルリアさんは声を掛けてきたおっさんにそう説明するとおっさんは「へぇ、この二人が例のダンジョンにねぇ……! ってことはこの二人が例の客人か!」と俺たちを見ながら驚きの表情を見せた。

 おっさんの驚き様に俺は一体どういう噂が出回っているんだと少しだけ嫌な想像をしてから深く考える事は止そうと首を振った。


 そんな事を考えているとは露ほどにも思っていないおっさんは俺たちの方を向いて話しかけて来た。

「俺はここの責任者を任せられているギードってモンです、宜しく頼みますヒメナ様、ユーマ様」

 解体所の責任者と名乗ったギードさんはそう言って頭を下げて来た。

 ギードさんのその言葉に俺と姫姉は「「こちらこそ宜しくお願いします」」と返して頭を下げた。

「挨拶も終わったところで本題に。お二方が例のダンジョンでの戦果で売りたいモン、見せて貰えますか?」

 互いに挨拶が終わったところでギードさんはそう言って俺たちに売りたい物を出すように促してきたので俺と姫姉はそれぞれ無限収納アイテムボックスから例のダンジョンで手に入れた戦果を取り出していった。


 俺は無限収納アイテムボックスからネズミの肉と魔石にゴブリンの粗末なナイフとかの装備品と魔石に探索の途中で収集したポーションの材料になる薬草や瓶に入れた湧き水に下級解毒ポーションの材料の毒消しの実などを取り出して床に置いた。

 姫姉も自身と少女がゴブリンからドロップした魔石と粗末な装備品を全部取り出して山の様に積み上げていた。

 俺たちが無限収納アイテムボックスから二日間のダンジョン攻略で手に入れたアイテムを全部取り出すと床にいくつも小さい山が出来ていた。

 それを見たメルリアさんは少し呆れた顔をしてギードさんは口をあんぐりと開けて驚いていたが少しして気を取り直したのか口を開いた。

「こりゃ一体何日分溜めこんでたんだ……。取りあえず査定をするがこれを一人でやるのはちと骨が折れるな。おーいドナート手伝ってくれ!」

 ギードさんは目の前に出来たいくつものアイテムの山を一通り見た後、一人では手に負えないと手伝いを呼んだ。


「どうしたんですかギードさん、って何ですかコレ!?}

 呼ばれてやって来たドナートさんは床に広がるアイテムの山を見て目を見開いて驚いていた。

「おう、今からコレの査定をするから手伝え」

「手伝えってコレ凄い量じゃないですか。誰がこんなに持ち込んだんですか?」

「それはコチラの二人だ。二人とも王女様のお客人だから失礼の無い様にな。わかったらすぐに手伝え」


 ギードさんはそう言うとドナートさんの返事を待たずに何処からか仕切りのある箱を持ってきてそこに魔石を入れて数を数え始めた。

 そんなギードさんを見て諦めたのかドナートさんも仕切りのある箱を持ってきて魔石の数を数え始めた。

 それから俺と姫姉は二人が俺たちの持ち込んだアイテムの数を数えているのを見て数え方にも工夫があるんだなと感心しながら数え終るのをメルリアさんに案内された解体所の端にあるテーブル席に座ってのんびりと待った。


 数十分ほど経った頃、全部の数を数え終えた二人がやっと終わったとばかりに「「終わったぁ!」」と声をあげた。

 その声を聞いて俺と姫姉は二人の方を見た。

「お待たせしました、集計が終わったんでご確認ください」

 数を数え終えたギードさんはテーブル席にいる俺たちの傍まで来てそう言うとドナートさんが魔石を入れた箱を持ってきてよく見える様に机に並べていった。

 10×10の仕切りで区切られた箱の中に魔石が全部入った箱が7箱そして74個入った箱が一つでさらに他の箱より一回り大きい箱に他よりも大きい魔石が5つ入っていた。

 「774個か結構あるな」と呟くとギードさんが「計算できるんですか」と少し関心したように言って来たので「それなりに」と返しておいた。

「そうですか……、なら説明はナシで魔石の内訳を。最下級の魔石1個の買い取り額が十シアでそれが774個なので七千七百四十シアで買い取ります。次にコッチの下級の魔石ですが1個二十シアでそれが5つなんで百シアで買い取ります。んで次にコッチの薬草ですが流石は無限収納アイテムボックス、鮮度が良いんで10本1束で満額の百シアで買い取ります。で薬草は全部で5束なんで五百シアになります。それで毒消しの実が1個二十シアで25個あるんで五百シアになります。水は判断が難しくてウチでは買い取れません。最後に装備品ですがコッチのナイフは品質が悪いんで全部鋳潰すことになるんで素材分の額として纏めて千シアで引き取ります。それでコッチの杖は作りは悪いですがダンジョン産なだけあって魔法の増幅器としては使えるんで五百シアで買い取ります。弓はどれも質が悪いんで買い取れません。んでこっちの粗末な皮製の装備も買い取れませんがこの剣は力微増の付与が付いているんで五百シアで買い取ります。んで全部の買い取り額を合わせて一万八百四十シアになります」

 

 

 

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