第196話 異世界間直通トンネルダンジョン第十階層の攻略
前回のあらすじ
ダンジョンアタック再開
ダンジョン中なのに草原が広がっていた
十階層の入り口まで辿り着いた
【警告! 第十階層はエリア全域がボス部屋になっています】
「これってもしかしたらアレだよな」
警告の書かれた看板を見て俺は六階層のゴブリンが大量に出て来た罠を思い出してコレもそれと同じようなモノなのではと思いそう言うと姫姉も「私もそうだと思うよ」と目を輝かせてそう返して来た。
「なら今回もローテーションで」
俺がそう提案すると直ぐに姫姉が「賛成」と言い少女もやる気満々といった顔で頷いた。
そして俺たちは第十階層の扉を開けて中に入った。
十階層は六階層から九階層までと同じく林と草原が広がりそれなりに見通しも良く入って来た扉も閉まることなく開いているためもしもの場合にも案全域まで下がることも出来る。
そんな事を考えていると草原の奥の方で光が見えそのすぐ後に召喚されたのであろうゴブリンたちが光りが見えた方角から駆けて来た。
開始の合図も無く戦闘が始まったが俺たちは扉を潜る前に決めた通り俺が一気に前に出て刀を抜き放ち接近するゴブリンを斬り裂いていった。
向かって来たゴブリンを全滅させるとさっきと同じ方向に光が見え、またゴブリンが向かって来た。
これでここも六階層のボス部屋と同じく魔道具が健在な限り無限にゴブリンが召喚されると確信して俺はニヤリと笑い向かってくるゴブリンを狩り始めた。
幾ら倒しても向かってくるゴブリンを経験と金が無限に来ると心の中で笑いながら斬り倒し続けていたところ姫姉から「交代の時間だよ」と声を掛けられて俺は今いるゴブリンを手早く倒して落ちた魔石と木の棒とナイフを足で触れて無限収納に仕舞って姫姉たちが居た十階層の入り口に戻り姫姉と交代をした。
「同時に来るのは7体でナイフか木の棒の近接装備のみ、全滅するまで追加は10分以内ならないっぽい。全滅したらすぐに7体召喚される」
俺は戦闘しながら調べた事を共有してから無限収納から飲み物と椅子を取り出し椅子に体を預けて喉を潤した。
俺と交代で前線に出た姫姉は出来る限り動かずに向かって来るゴブリンを最少の動きで斬り倒し落ちた魔石とゴブリンの武器を足で触れて無限収納に仕舞いそれを繰り返していた。
姫姉が30分ほどゴブリン狩りをしたところで今度は少女が立ち上がり姫姉と交代で前線に出た。
少女もひめめえに倣ってか向かって来るゴブリンを最低限の回避で攻撃を避けた後に首を一刺しして絶命させていた。
その後俺たちは交代交代にゴブリン倒し続け5周して俺が番が回って来たと向かって来たゴブリンを二回ほど全滅させたところで今まで召喚の光が見えた所に光が見えずゴブリンが向かって来なくなった。
遂に魔道具が壊れたかと思い俺は姫姉に「様子を見て来る」と言って姫姉から「よろしく」と返されから召喚の光が見えた方に向かった。
闇魔法のハイディングを使って見つからない様に細心の注意を払いながら光が見えた場所に近づき遠目からギリギリゴブリンが居るのが確認出来たところで透視盗撮を使ってゴブリンたちが良く見える場所にマークをして様子を窺った。
弓を持ったゴブリンが3体と杖を持った一回り小さいゴブリン1体に他のゴブリンとは一回り体が大きく粗末だが防具を身に付け体格にあった剣を持ったゴブリンが壊れた魔道具の像を囲んで座り込んで放心していた。
この様子だと召喚がされることは無いだろうと判断して姫姉に倒して良いか念話通信を使って尋ね、倒して良いと返事を貰った俺は魔銃を取り出して面倒そうな杖を持ったゴブリンを最初に狙ってエアバレットを放った。
杖を持ったゴブリンが急に倒され驚き戸惑っている隙に弓持ちのゴブリンにもエアバレット撃って倒し最後に残ったこのエリアのボスである装備を纏ったゴブリンの装備で守られていない首にエアバレットを狙って撃ち倒した。
全てのゴブリンを倒したところで壊れた召喚の魔道具が消えてその場に扉が現れた。
俺は姫姉に扉が出てきたことを念話通信で伝えこっちに来て貰い姫姉たちが来たところで扉を開けた。
扉の先には下に降りる階段が見え俺は興味本位で扉の裏を見たが階段は無く開けられた扉の向こう側に姫姉たちが立っているのが見えただけだった。
俺がそんなことをしていると姫姉たちが扉を潜って先に行ってしまい俺も直ぐにその後を追った。
因みに扉の裏から見ていたら扉を潜った瞬間に姫姉が消えた様に見えてちょっとだけ面白かった。
階段を下りると六階層の入り口と同じく扉とクリスタルがあり看板にも此処からダンジョンの外に出られると書いてあった。
俺たちは話し合ってここで今日のダンジョン探索を終えることにしてクリスタルに触れてダンジョンの外に出た。
転移の光に包まれ気が付くと外に居た俺たちは空を見上げてもう夜になっていることに気が付いた。
結構長い事潜っていたんだなと思っていると絡んできた兵士を止めてくれた兵士がやって来て「馬車をご用意しております。どうぞこちらに」と言って準備されていた馬車に俺たちを案内し王城まで送ってくれた。