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第195話 異世界間直通トンネルダンジョン攻略再開

前回のあらすじ

女文官の視線に晒されながら地図を書く

地図を書き終えたら追い出された

見回りの兵士にメイドさんを呼んでもらう

 目覚め良く起床した俺は今日のダンジョン攻略も頑張ろうと意気込んで朝食を食べてフライシュ料理長から減った飲み物を補充して貰ってから姫姉たちと共にダンジョンまでやって来た。

 昨日の事もあってか今日は兵士たちが絡んで来る事も無くダンジョンの扉の前までやって来れた。

「今日は第6階層からで本当のダンジョン攻略になると思うから気を引き締めて行こう」

 俺は姫姉たちにそう宣言し、姫姉たちは俺のその言葉に頷いて返してくれた。

 そして俺たちはダンジョンに入ろうとダンジョンの扉に触れたところで頭に直接声が聞こえて来た。

『現在転移できる階層は1階層と6階層です』

 どうやらちゃんと6階層まで跳べるらしい。俺は頭の中で6階層と念じると足元に魔法陣が現れて一瞬の内にダンジョンの中にあるクリスタルの前に移動しており、そのすぐ後に姫姉たちも転移して来た。


 全員揃ったところで俺たちは6階層の扉を開き驚いた。

 扉を越えた先にはダンジョンの中とは思えないほど青空が広がり木々がまばらに見えてその他は足首ほどの高さの草花が生えた草原だった。

 最早どこか外にでも転移してきたのではと疑うほどの光景に俺と姫姉は驚いていたが少女はそれほど驚いた様子は無かったのでコレが当たり前なのだろうと自分を納得させた。

 気を取り直して俺は後ろを振り返り今入って来た扉を見るとそこは断崖絶壁に出来た小さな洞窟といった感じで入って来た所に戻ることが出来た。

 戻れることが確認できたところで俺は広大に見える草原から下に降りる階段を探すのは苦難かなと思いつつそれでも動くしかないと歩き出した。


 姫姉と話してまずは何処まで広いか調べるために真っ直ぐ行けるところまで歩くことにした。

 道中ネズミやゴブリンが出てきたが特に苦戦をすることも無く倒して歩き続ける事20分ほどで先の景色は見えているのに透明な壁があって通れない行き止まりに辿り着いた。

「どうやらここまでみたいだけどこっからどうする?」

 俺が姫姉にそう尋ねると姫姉は「取りあえずどっちかの端まで行ってみよ」と提案してきたので俺はその提案に乗って右を向いて透明な壁伝いに歩き出した。


 歩き始めて10分もしない内にこっちも最果てまで辿り着いたが残念ながら特に何も発見できず敵と出くわすこともなかった。

「何か間違えたかな?」

 俺はそう呟いて頭を悩ませていると少女がおずおずといった様子で声を掛けてきた。

「その……こういったダンジョンの場合、何も無い事が多いです。普通ならダンジョンの中央付近に何かある……事が多いです」

 まさかの情報に俺は今までの苦労が全て無意味だったと言われた気がしてどっと疲れが押し寄せて来てその場にへたり込んだ。

 そんな俺を見て少女は慌てて「でもでも端の端に階段があったという話も聞いたことがあります」とフォローの言葉を掛けてきた。


 そんな中姫姉が「どうせ優君何だかんだ地図を埋めるのに全部回ることになるんだから気にしなくても良いでしょ」と言って俺の腕を掴んで無理やり立ち上がらせた。

 姫姉のその言葉にそういえばこれまでも何だかんだ地図を埋めようと出来る限り寄り道してたなと思い返し俺はこうなったら全部の端を行ってやると意気込んで壁伝いに歩き出し、姫姉は少し呆れたように「仕方ないなぁ」と微笑みつつ言って少女と一緒に俺の後に続いた。

 それから俺たちは全ての端を回ってからマップスキルのまだ埋まっていない部分を補うように移動し、半分以上埋めたところで下に降りる階段を見つけつつも残った部分を埋めてから俺たちは第7階層に降りた。


 7階層も6階層と同じで林と草原が広がる作りになっていて6階層との違いを見つけるのが難しいくらいだった。

「それでこの階層でもマップ埋めするんでしょ」

 姫姉がそう俺に決まった事の様に聞いて来たので「勿論」と俺は返した。

 今回はさっきとは違い効率よくマップを埋めるためローラー作戦の様に右端まで直線に移動してそこから徐々にマップを埋めていき、途中で下に降りる階段を発見したりポーションの材料になる薬草の群生地を見つけたり綺麗な湧き水が溢れる泉を発見したりして今回はやる価値のあるマップ埋め作業に少しだけ報われた気持ちになりながらマップを埋めきった。

 途中で見つけた薬草は半分ほど取って湧き水はそのままでも飲めると鑑定で分かりさらに解析でこの水でポーションを作れば質が良くなると出たので飲み物を入れていた瓶を一つ空にして汲んでおいた。

 その際に俺たちは休憩と称して軽く食事もして腹も満たした。

 草原でサンドイッチやおにぎりを食べるとピクニックにでも来た気分で普通に食べるよりもダンジョンの中とは思えないくらい楽しめた。


 その後、俺たちは第8階層に降りてまた同じような林と草原の広がった8階層をローラー作戦でマップを埋める作業をして今度は低級の解毒ポーションの材料になる毒消しの実が生る木を見つけることが出来た。

 そして第9階層のマップを埋めてから第10階層来たところでこれまでとは違う警告と書かれた看板に俺たちは立ち止まった。



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