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第194話 ダンジョンから帰って来て遅めの夕食

前回のあらすじ

ダンジョンのチュートリアルを終える

クリスタルで帰還

王女様と謁見

 王女様との話し合いが終わり俺は王女様が呼んだ女文官さんから紙を渡され、ダンジョン内の地図を書くように王女様に頼まれて俺は今回の攻略で分かったダンジョン内の地図と罠の配置を書き始めた。

 俺がマップの情報を紙に書き写している間に姫姉たちはメルリアさんに連れられて自分たちの部屋に戻り、王女様も「他にも用事があるので失礼します」と言って部屋を出て行った。


 女文官さんの視線に晒されながらマップを書き写すという少々居心地の悪い環境下で変に緊張しながら俺は何とか全てのマップを書き写し終えた。

「出来ましたよ」

 俺はそう言って女文官さんに書き写した紙の束を手渡した。

 それを受け取った女文官さんは「拝見します」と言って俺の書き写したマップを事細かに端から端まで見た後「特に問題は無さそうですね」と聞こえるか聞こえないくらいかの声量で呟いてから「帰って貰っていいですよ」とぶっきらぼうに言われ部屋から出された。


 いつもならメイドさんがいて案内して貰うところだが今回は部屋を出ても誰も居らずここが何処か分からない俺は迷わない様にマップを開いて現在地と自分の部屋を調べてから歩き出した。

 いつもなら誰かに案内されて歩く王城内を一人で歩くのは久しぶりだなとキョロキョロと見ながら歩いていると向かい側の曲がり角から二人組の兵士が出て来て俺を見て片方の兵士が「何をしている」と俺を怪しんで声を掛けてきた。

「自分の部屋に戻るところです」

 俺は素直にそう答えると声を掛けてきた兵士はまだ怪しんでいるのか「メイドも付けずにか?」と訊ねてきた。


「はい頼まれ事を終えたら部屋から追い出されまして……。案内のメイドもいなかったので一人で戻るところでした」

 俺がそう答えると二人の兵士は今度は困惑した表情になりながら顔を見合わせた後「失礼だが名を訊ねても?」と聞いて来たので「凪滝優真、こっち風に言うとユーマ・ナギタキです」と答えると今まで話さなかった兵士が俺の名前に聞き覚えがあったのか兵士は驚いた表情になって「失礼しました! 貴方がユーマ様でしたか。すぐにメイドをお呼びしましょう」と言って腰に吊るしていたベルを鳴らした。

 

 ベルを鳴らして数分後にもう一人兵士がやって来てその兵士に「第三の奴を呼んで来い」と言伝を頼みその兵士は訳も分からず走って行きそれから数分後に今度はメイドさんがさっきの兵士と共にやって来た。

「ユーマ様ですね、此処からは私がお部屋までご案内します」

 メイドさんはそう言って頭を下げた。

 俺は最初は怪しまれたけどちゃんと話を聞いてメイドさんを連れて来た真面な兵士に「ありがとうございます」とお礼を言ってからメイドさんの案内で自分の部屋に戻った。


 部屋に戻ったところで案内をしてくれたメイドさんが「夕食の準備が出来ていますがどうなされますか?」と訊ねて来たので俺は「姫姉たちは?」と質問を返すと「汗を流してから食べると伺っております」と返され「それじゃあ姫姉たちと同じタイミングで」と返した。

 メイドさんは「承りました、ではヒメナ様方の御用事がお済み次第お声をお掛けするように伝えておきます」と言って帰って行った。


 それから俺は手早くシャワーを浴びて汗を流し着替えを終えてのんびりと部屋で待っていると姫姉たちも終わったのかメルリアさんが声を掛けてきた。

「ユーマ様、ヒメナ様方の準備が整いましたが宜しいでしょうか?」

 俺はその言葉に「今行きます」と言って部屋を出た。

 部屋を出るとお風呂上がりで火照った頬がいつもより3割増しで可愛く見える姫姉と少しだけ眠そうな少女がメルリアさんと共に待っていた。


 それから俺たちはメルリアさんの案内で食堂まで移動し席に着いたところで料理が運び込まれ俺たちの前に配膳された。

 王女様たちはもう食べ終えているらしく食事は俺たち三人で食べることになった。


 今日の夕食は温野菜のマリネと分厚くカットされたステーキ、そしてコーンスープと白パンだった。

 温野菜はブロッコリーと人参とカブが入っていてどれも食べやすい柔らかさまで茹でられていてさっぱりとした味付けで食べやすい。

 ステーキは掛けられたソースの濃い旨味とガツンと口の中で広がる肉の旨味と丁度マッチしていて最高に美味しい。

 コーンスープもステーキの濃い味をさっぱりと洗い流してくれてまたステーキを食べたくなる優しい味付けでとても美味しかった。

 白パンはコーンスープに付けても良し、ステーキと共に食べても良しで何にでも合って良かった。

 

 ダンジョン攻略で消費した体力がこの食事で回復していくのを実感しながら俺たちは食事を終え最後にデザートが出て来た。

 今回のデザートはオレンジのシャーベットだった。

 オレンジの甘さと酸味が冷やされて凝縮されたモノが口の中で溶けて広がりステーキの脂っこさでコッテリとした口の中をオレンジの清涼感でサッパリと塗り替えていった。

 デザートも堪能した俺たちは大満足で部屋に戻り、俺は明日からのダンジョン攻略も頑張ろうと思いながら眠りについた。


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