第191話 異世界間直通トンネルダンジョン攻略 四階層、五階層
前回のあらすじ
三階層までやってくる
分かれ道で運に任せて進む
宝箱を見つける
俺が宝箱を開けるために触れたところでこの状態で鑑定を掛けたらどうなるのか気になり鑑定と解析を使ってみた。
《低級マナポーションの入った木の宝箱》
誰が設置したのか誰も知らない木と鉄の金具を組み合わせた宝箱
ダンジョンで亡くなった人の持ち物が入っているともされるが真偽は不明
罠は無い
この宝箱はダンジョンの管理をしている神の従者が適当に設置した物
中身も開くまで決まっておらず宝箱に触れた瞬間に一定ランクの物がランダムで選ばれる
因ちなみにLUK値が高い方が良い物が出やすい
今回は抽選の結果、中当たりの低級マナポーションになった
どうやら本当に触れた瞬間に中身が決まるみたいで鑑定と解析の結果に中に入っている物が表示された。
俺は取りあえず宝箱を空けて中身を取り出しつつ鑑定と解析の結果が変わった事を話しながら低級マナポーションをどうするか尋ねた。
「それは優君が持ってて、どうせこの中で一番MPを使うの優君なんだから」
姫姉にそう言われ確かに燃費が良い魔銃を使っているとはいえMPを使うことに変わりはないし闇魔法も使えば消費は早くなるので有り難く貰っておくことにして俺は無限収納に低級マナポーションを仕舞った。
宝箱のあったこの道の先は行き止まりだったので引き返しもう一つの道を進むことになった。
それからも何度かの分かれ道を投げた棒の通りに進んでさらに宝箱を見つけて金貨1枚を手に入れたり複数体現れたネズミを魔銃で狙撃して確実に倒して三階層の最奥までやって来た。
やはりと言うかここにも【第三の関門】と書かれた看板と【このダンジョンの出入り口は何処の国に属しているか?】と書かれた扉があった。
取りあえず俺たちは看板の事は気にしないことにしているので扉の問題にラグアシア王国とだけ答えた。
そうするといつも通り『ピンポーン』と鳴って扉が開き俺たちは中に入った。
俺たちが入ると扉は自動で閉まり広間の中央に魔法陣が現れて輝き、光が収まるとそこには定番のゴブリンが1匹粗末な木の棒を構えてこちらを睨んでいた。
やっとダンジョンらしくなってきたなと思いながら魔銃を構えてエアバレットを3回撃った。
やっぱりゴブリンはゴブリンらしく1発目のエアバレットで瀕死になり2発目を受けた時点で消えて3発目がゴブリンからドロップしたおそらくゴブリンが持っていたと思う木の棒に当たり木の棒が真っ二つに折れた。
まさかこんなに簡単に折れるとは思ってなかった俺と姫姉は「「えっ」」と驚きの声を零した。
それから俺たちは折れた木の棒をそのままにしてもう一つドロップしていた魔石を拾ってから第四階層に繋がる階段を下りた。
階段を下りきればいつもの【四階層へようこそ!】と書かれた看板と簡素な扉に迎えられ、そのまま扉を開いて四階層に進んだ。
四階層を少し進むと今まで同じくネズミが出てきたのは勿論の事、ゴブリンもネズミと共にダンジョンの道を塞いでいた。
幸いなことにこちらにまだ気づいていないので俺はサクッとエアバレットを放って手早くネズミとゴブリンを倒して先に進んだ。
それから幾度となく分かれ道を運に任せて進んで行き、宝箱を二個見つけ銀貨3枚と低級の回復ポーションを手に入れつつ途中で出て来たゴブリンやネズミを倒して四階層の最奥まで辿り着いた。
ここも【第四の関門】と書かれた看板と【この三階層のボスは?】と書かれた扉があり、俺はゴブリンと答えると『ピンポーン』と鳴り扉が開いた。
中に入れば扉が閉まり魔法陣が現れて光が収まると今回はゴブリンが3体現れた。
今回も念には念を入れてエアバレットを連射してゴブリンを瞬殺した。
ゴブリンが居た場所には3本の木の棒と魔石が転がっており俺は魔石だけ拾って五階層に続く階段を下りた。
ここもいつもの看板が立っていたが気にも留めず五階層に進んだ。
ここもこれまで通りかと思いながら進んでいると直ぐに分かり易く床の色が違う場所を見つけてしまった。
怪しすぎて逆に他に罠が仕掛けてあるんじゃと疑って俺は色の違う床とその周辺を鑑定と解析を掛けていった。
その結果罠があるのは色の違う床だけだった。
しかも罠と言っても上に乗ると床から煙が出るだけで特に毒があるとか体が痺れたりすることも無く本当に煙が出るだけでそれも直ぐに晴れた。
「コレもチュートリアルなのかな」
姫姉がそう言い俺もその言葉に「そうだと思う」と返した。
ただ此処からは罠があると考えて動くべきだと考えを改めた俺はこの罠の事を忘れない様にこの場で地図を書いて罠の場所を書き記そうとマップを開いて「えぇ」とげんなりした声を出してしまった。
それをきいた姫姉が「どうしたの?」と声を掛けてきた。
俺はマップにもう少し先にあるまだ気付いてない罠の位置までもが表示されていた事に驚いていたと答えた。
「便利だけど頼りすぎは禁物だよね」
姫姉がそう言い俺も「定番だとスキル無効とかありそうだしな」と返した。
それから俺と姫姉は少しだけ話し合って俺たちはこの階では全域マップを使わずに自力で罠を見つける事にした。