第190話 異世界間直通トンネルダンジョン攻略 二階層、三階層
前回のあらすじ
敵に会うことも無く最奥へ
なぞなぞを解いてボス部屋のネズミを倒した
二階層も緊張感に欠ける看板が立っていた
予想通りというかこちらの攻撃に気付かずエアバレット一発でネズミは倒され小さな魔石を残して消えた。
「これじゃボス部屋に居たネズミとの違いが分からないな。次からは何処まで近づいたら気付かれるかとかも調べるか」
俺がそう提案すると姫姉が「それが良いと思う」と同意を得られたので今度敵が出て来たら様子を見ることになった。
それから曲がり角の多い道を警戒しながら歩き続ける事5分ほどで次のネズミが現れた。
「行ってくる」
俺はそう言って刀に手を添えていつでも抜刀出来る様にしながらネズミの視界に入ったその瞬間ネズミが俺に敵意を剥き出しにして真っ直ぐに襲い掛かって来た。
俺は冷静に間合いを測り、刀の当たる間合いにネズミが来た瞬間に居合斬りでネズミを上下真っ二つに斬った。
真っ二つに斬られたネズミは空中で消えてその場に魔石が残った。
「取り合えず視界に入った時点で気付かれて襲われる事と弱い事は分かったわけだけど。どうする、攻撃も受けてみる?」
俺は一応ネズミの攻撃も調べるか姫姉に尋ねてみた。
「それは別にいいと思う。わざわざダメージを負うことにあまりメリットが無いから。ここはそれよりも先に進むことを優先すべきだと思う」
「まぁ確かにその通りだな。それに調べるも無くたぶんこの装備の俺たちにダメージを入れられるとも思えないしな。じゃあ先に進むか」
俺たちはそう結論付けて先に進んだ。
それから魔物に出くわすことも無く最奥の扉の前までやって来た。
ご丁寧な事に【第二の関門】と書かれた看板があり扉には【4+6は?】という数字を知らない人でもない限り誰でも分かる簡単な算数の問題が書かれていた。
俺はこの問題出す意味あるか? と疑問におもいつつ「10」とだけ答え、『ピンポーン』と鳴って扉が開いた。
開いた扉の先にはやはり何も居らず、俺たちは警戒しながら全員が中に入ると扉が自動で閉まり広間の中央に魔法陣が現れて輝きを放ち、光が収まるとそこにはネズミが3体居り今にも襲い掛かってきそうにこちらを睨んでいた。
ただやっぱりネズミたちは睨んでくるだけでこちらに一切襲い掛かっては来なかった。
「これは一人一体と考えるべきか、それともただ単に3体だけと考えるべきか、どっちだと思う?」
俺はこちらと同じ数のネズミが出て来た事について姫姉に意見を求めた。
「普通に考えたらただ単に3体出て来ただけじゃない? 流石に考えすぎだと思うけど」
「それもそうか。で、コレも俺が一人で倒すけどそれでいい?」
俺が二人にそう聞くと姫姉は「私はそれでいいわよ」と言い少女は目だけでどうぞと言っていたので俺は魔銃を抜きエアバレットで3体のネズミを撃ち抜いた。
ネズミはあっさりと倒されその場に肉と魔石を残した。
もはやただの作業でしかない戦闘を終え、俺たちは開いた扉の先にある階段を下り予想通りの【三階層へようこそ!】と書かれた看板の出迎えに反応もせずに扉を開いて三階層に進んだ。
三階層も変わらず洞窟の中といった内装で俺たちは先に進んで行き、二股の分かれ道で立ち止まった。
「やっとダンジョンらしくなってきた気がする」
俺がそう呟くと姫姉も「そうね」と同意してから「それでどっちに行くの?」と聞いて来た。
どっちも曲がりくねった道で先がどうなっているかは見通せずどっちから行くか悩みそうだったので俺は木の棒を取り出して何も考えずに投げた。
投げた棒は空中で回転しながら地面に落下して数回跳ねて右の道の方を向いて止まった。
「という事で右に行きます」
俺は落ちた棒を拾いながらそう言うと「それで決めるんだ」と姫姉がジト目になりながら呆れた様子でそう言ってきた。
「まあ、こういう時はこれに限るよ。まぁ実際は透視盗撮で先を見通そうとしたら何故か先が見えなかったからだけど」
そう俺はどっちが正解か見てみようとスキル透視盗撮で先を見通そうとしたら壁を透視しようとしたところでスキルが阻まれて先が見えなくなった。
俺がそう言うと姫姉はどこか納得した顔で「やっぱりそういう不正はダメなんだ」と言った。
それから俺たちは右の道を進んで行き見通せなかった奥が見えるところまで来たところで立ち止まった。
これまた分かり易い木と鉄で出来た宝箱が鎮座していた。
「さて定番と言えば定番だけど……、取りあえず鑑定するか」
俺は鑑定と解析を使って目の前の宝箱を調べた。
《木の宝箱》
誰が設置したのか誰も知らない木と鉄の金具を組み合わせた宝箱
ダンジョンで亡くなった人の持ち物が入っているともされるが真偽は不明
罠は無い
この宝箱はダンジョンの管理をしている神の従者が適当に設置した物
中身も開くまで決まっておらず宝箱に触れた瞬間に一定ランクの物がランダムで選ばれる
因みにLUK値が高い方が良い物が出やすい
取りあえず最初の二行がフレーバーテキストだという事は分かった。そしてやっぱり解析を使うと詳しい事が分かるらしい。
それによるとやっぱりLUKが高い方が良いとのこと。
俺は分かったそれらの事を姫姉に伝えるとやっぱりというかこの場でLUKが一番高い俺が宝箱を開けることになった。