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第183話 デミエリクサーを貰った

前回のあらすじ

ポーション買いに来たら豪邸だった

癖のありそうな錬金術師と会う

ポーションは普通に買えた

無限収納アイテムボックス!? 若い男で黒髪黒目……! まさか最近冒険者ギルドで噂になってる絡んだら最後ベルトを奪って相手を黙らせるベルト剥ぎ!」

 買ったポーションを無限収納アイテムボックスに仕舞ったらケアテミスさんが俺の顔をまじまじを見ながらそう言ってにじり寄って来た。

 十中八九俺の事だと思うがダサい通り名なので否定しておくことにした。

「な、何ですかそのダサい名前? 俺じゃないですよ……たぶん」


「いやいや、君に間違いないだろう? 私は君に感謝しているんだよ。君に絡んだ者たちは私の所にも着て色々やってくれたからねぇ。どいつもこいつも私を見るなり「俺の女になれ」だの「食事でもどう?」だのナンパしてきやがって、そのくせ買うのは必要最低限のポーションだけ。何が「俺の女になれ」だ、鏡見て出直して来いよ! 私にだって選ぶ権利くらいあるっつーの! ダァァァックソがっ! っんん、すまない取り乱した。まぁ本当に困ってたんだよ。そんな時アイツ等が捕まったって聞いて柄にもなく声を出して喜んだよ、そして君の事を知って何時か感謝の言葉を伝えないとと思っていたところなんだよ! 本当に助かったよ、ありがとう!」


 ケアテミスさんは聞いてもいないのに今までの愚痴を狂ったように言った後、急に正気に戻って感謝の言葉を言い俺に向かって頭を下げて来た。

 ケアテミスさんの発狂具合は明らかに嘘では無かったので俺はこの場を収めるためにもケアテミスさんの感謝を受け入れることにした。

「ケアテミスさんの感謝は伝わりましたから頭を上げて下さい。でもあれは偶々絡まれたから対処しただけなんで」

「だが私が感謝しているのは確かなんだ。その事は覚えていて欲しい」

「分かりました」

「そうだ、君に会えたら渡そうと思っていた物があったんだ、ちょっと待っていてくれ」

 ケアテミスさんはそう言うと俺の返事を待たずに部屋を飛び出して行き手にポーションの瓶を3本掴んで直ぐに戻って来た。

「試作品なんだが効果は保障する。持って行ってくれ」

 ケアテミスさんはそう言って3本のポーションを手渡して来た。

 俺は鑑定解析を使って何のポーションか見て驚いた。



デミエリクサー

 飲んで良し掛けて良しの回復薬

 エリクサーほどの効果は無いが各種の状態異状と軽度の部位欠損を回復できる

 錬金術師ケアテミスによって新たに創られたエリクサーの劣化版


 作成方法

 多量の魔力を含んだ薬草(ユイカンゼ草)と上級ポーションを熟練のポーション錬金術師が付きっきりで長時間魔力を注ぎながら掻き混ぜて煮詰める事で出来るかもしれない一品

 現在作成できる者はケアテミス・トールドランのみ



「デミエリクサー!?」

「なるほど君の鑑定ではデミエリクサーと出たようだね。やはりこのポーションは神に認められたようだ」

 驚いている俺の反応を見てケアテミスさんは嬉しそうに頷いていた。

 そんなケアテミスさんを見て俺たちはさらに困惑し頭上に? を大量に浮かべているとケアテミスさんが口を開いた。

「済まない、つい嬉しくて一人ではしゃいでしまった。でもこれは私にとってとても喜ばしい事なんだ。このポーションが完成した時に自身で鑑定をした時にデミエリクサーと結果が出たんだが他の者に鑑定させると読めない文字が書かれているとかそもそも鑑定できないと言われてね。だが神から鑑定を与えられている君が鑑定しデミエリクサーと言った。私以外にも鑑定をしてその結果を出したという事は神にも認められたという事なんだ! こんなにも嬉しい事は無いよ!」

 ケアテミスさんは捲し立てる様にそう説明してくれた。

 どうやらもの凄く凄い事らしい。

「では私は早速エリクサーの研究に戻らせて貰う。後の事はリリィに任せた」

 ケアテミスさんはそう言って軽やかなステップで部屋を出て行った。


 残された俺たちにケアテミスさんからリリィと呼ばれたメイドさんが申し訳なさそうに話掛けてきた。

「申し訳ありません、ケアテミス様は錬金の事になると少々自分勝手になり自由になさる方でして。先ほどは最高峰の錬金術師しか作れないエリクサーに近い物が出来たものの鑑定士のレベルが低いせいか世界のシステムの更新がまだなのかデミエリクサーを認めて貰えなかった所に貴方様がデミエリクサーを正しく鑑定して下さったので舞い上がってああなってしまったのです。実際のところ客人が来ない時にはそれはもう落ち込んでいて見ていられないほどでしたよ。でもまぁこれでやる気も回復したと思いますのでみなさなには感謝していますよ。主の自身を取り戻して頂きありがとうございます」

 メイドのリリィさんは嬉しそうに微笑みながらそう言って俺に向かって頭を下げて来た。


 意図してやった事ではない事でお礼を言われるのは少しむず痒かったが悪い気分ではなかったので「たまたま鑑定できただけなんで、そこまで感謝されるほどの事じゃ無いですよ。頭を上げて下さい」と返してリリィさんに頭を上げて貰ってから俺たちはケアテミスさんの屋敷を出て王城に向かって歩き出した。






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