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第182話 ポーション買いに行ったら豪邸に着いた

前回のあらすじ

ギルドマスターに教えられた店が商店街の一部だった

色んな商品が売っていた

魔導コンロを値引き交渉して買った

「ここか……、本当にここか?」

 地図の通りに歩いて来た俺たちだったが辿たどり着いたのは大貴族の屋敷かと思うほどの豪邸ごうていだった。

 門番は居るし門から見えるだけでも屋敷までは結構な道のりがありそうだし明らかにポーションを売っているとは思えない。

 でもギルドマスターの地図ではここを示しているので俺は取りあえず門番さんに地図が合っているか地図を見せながらたずねてみた。


「すいませんこの地図の場所ってここですかね?」

「見せてみろ、ふむ……、久しぶりの客か。よく来たな、ここはケアテミス・トールドランの錬金工房だ。一見さんはお断りなんだがギルドマスターの紹介なら大丈夫だろ、入っていいぞ」

 門番さんは地図を見てニヤリと笑い俺たちにここで合っているとそう言って拍子抜けするぐらい簡単に通してくれた。

 敷地の中に入った俺たちは外から見て分かってはいたが改めて見て広い庭をよく見て驚いた。

 庭先に綺麗に手入れされた草花が全て薬草や毒草だったからだ。しかも屋敷に近づけば近づくほど高価な薬草や危険度の高い毒草が育てられていた。


 薬草と毒草の畑を見て姫姉は「これは凄いね」と零し、少女は「魔素の多い場所でしか育たないはずの薬草がこんなに……。あれもそれもこの環境下では育たないはず……。ありえない」と驚きの表情を見せていた。

 薬草毒草畑を抜けて屋敷の前まで辿り着くと扉が内側から開かれて中から人が出て来た。

「ケアテミス様の錬金工房へようこそお越しくださいました。中へどうぞ」

 扉を開けて出て来たメイドさんはそう言って俺たちを屋敷の中に通し、玄関から直ぐの部屋に案内した。

「こちらでお待ちください」

 メイドさんはそう言うと一度部屋を出て行き、少ししてからワゴンを押しながら一人の女性を連れて戻って来た。


「お待たせしました、こちらの方がケアテミス様です」

 メイドさんにそう紹介された女性は俺たちを一人ひとりジロジロ見てから口を開いた。

「うん、三人とも問題ないかな。それで三人は何が欲しいんだい? こう見えても私はポーションだけなら大体の物は作れるからね。なんでも言ってくれてもいいよ。ただし値段もそれなりにするけどね、フフッ」

 ケアテミスさんは不敵な笑みを浮かべながら楽しそうにそう言ってきた。

「ダンジョンに挑むことになったので不測の事態にも備えられるように低級と中級の回復ポーションとマナポーションと各種状態異状回復ポーションを30本ほど」

 事前に少女からこれだけあったらいいと教えて貰った物を注文した。


「へぇ~ダンジョンか。ここまで用心するってことは例のダンジョンかな? まぁそこは深くは聞かないよ。それで今直ぐ用意できるのは回復とマナと解毒、解石化かいせきか解麻痺かいまひ解睡眠かいすいみんのポーションだね。解呪かいじゅのポーションは今素材を切らしててね、まぁ解呪は教会に行けば手に入ると思うよ。それでお値段だけど回復の低級が五十シア、中級が二百シア、マナの低級が百シア、中級が四百シア、解毒の低級が百シア、中級が五百シア、解石化は千シア、解麻痺の低級が百シア、中級が四百シア、解睡眠が百シアで全部まとめて八万八千五百シアだけど八万八千に負けておくよ」

 ケアテミスさんはダンジョンと聞いて直ぐに何かに気付いたがえて詮索せんさくはせずに俺が注文した商品で用意できる物をあげて値引き交渉すらさせない様に先に値引き額を提示してきた。


 小心者な俺はここでさらに値引き交渉をするほどの胆力たんりょくは無くギルドカードを取り出して支払いをした。

「毎度あり、商品は直ぐに持ってくるからそれでも飲んで待っててよ」

 ケアテミスさんはそう言うと部屋を飛び出して行った。

 残された俺たちはメイドさんが淹れてくれたお茶を一口飲んでその味に驚いた。

 ただのお茶かと思って飲んだら思った以上に甘さが来てでも直ぐにその甘さがスッと消えて後味がスッキリしていた。

 あまりにもへんてこな味に俺たちが「?!」と驚いているとケアテミスさんがワゴンにポーションを載せて戻って来て俺たちの反応を見てニヤニヤしていた。


「いやぁ良い反応だねぇ。どうだった複数の薬草をブレンドした私自慢のお茶は?」

 そう訊ねられ俺は「甘いのにスッと消えて不思議な味でした」と返し姫姉は「なんですかコレ!? すっごく美味しかったです! これも売ってるんですか?」と興味津々と言った様子で少女は「甘いけど知らない甘さ?」と何の甘さか頭を悩ませていた。


「そうかそうか、上々の反応だな。普通の奴は薬草が原料と言うと嫌そうな顔をするんだが君たちは違うようだな。これは販売はしてないが少しなら分けてあげられるよ。それと入れ方にコツがあるから後で教えよう。先にこっちを済まそう。確認してくれ」

 ケアテミスさんは俺たちの反応が嬉しかったのか嬉しそうな笑みを浮かべて姫姉に茶葉を分けて入れ方も教えると言った後運んできた商品を確認するように言ってきた。

 俺は手早く鑑定を使って問題ない事を確認して「問題ないです」とケアテミスさんに言い、俺と姫姉の無限収納アイテムボックスの中にポーションを入れていった。


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