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第177話 トマトづくしの夕食

前回のあらすじ

明日以降の行動を決める

俺たちはダンジョンアタック

ウォレンさんからレアアイテムを提供される

 ウォレンさんからとてつもないレアアイテムを提供され俺はおずおずとそれを受け取りウォレンさんにお礼を言った。

「ありがとうございます」

「それはもうお主の物だ、だが使いどころを間違うでないぞ」

「はい」


 俺とウォレンさんの話が終わるとそこにタイミングよくノックの音がしてメイドさんが入って来た。

「皆様、夕食の準備が整いましたのでご案内します」

 逃げ出したグラシア公爵派閥の事や王城前広場の扉の事、そして何よりウォレンさんが出して来たエリクサーの事ですっかり忘れていたがどうやらもう夕食の時間になっていたらしい。

「そうですか、では会議はここまでにして夕食にしましょうか」

 王女様のその一言で話を一旦切り上げて俺と姫姉とグラシア公爵はメイドさんの先導で食堂まで移動した。


 俺たちが食堂に着くとそこにはウィンダムさんたちと田中さんと少女が先に来ており席に着いていた。

 俺たちもメイドさんに案内されるがまま席に着き全員に軽く挨拶をしたところで王女様とウォレンさんが食堂に入って来た。

 そして王女様たちが席に着いたところでメイドさんたちが食器を載せたワゴンを押して食堂内に入って来て、ワゴンの上に載っていた皿を全員の前に配膳していった。


 今日の前菜は運び込まれた時からニンニクの香りが鼻腔びこうを刺激してきて早く食べたいと思わせてくるブロッコリーと人参にミニトマトそして貝柱とマッシュルームのアヒージョだった。

 そこに薄くスライスされたバゲットを軽く焼いた物が全員の前に配膳はいぜんされたところで王女様が食前の挨拶とお祈りをしてそれに倣うようにウォレンさん達もお祈りをし、俺と姫姉と田中さんは頂きますをして食事が始まった。


 オリーブオイルで絶妙に煮込まれ、ニンニクの食欲をき立てる強烈な香りを放つアヒージョに俺は頂きますをして直ぐにフォークをオリーブオイルでコーティングされた一口サイズのブロッコリーに突き刺し、そしてまだ熱の残るブロッコリーを一口で頬張った。


 程良い塩胡椒の味付けとオリーブオイルの独特の味に一緒に煮込まれた貝柱から出た出汁とニンニクの香りが口の中で目一杯に広がって最高のハーモニーをかもし出していて普通に美味かった。

 これなら他も美味しいはずと俺は今度は人参二フォークを突き立てて食べた。

 火が入った事で甘さが引き立った人参にさらにその甘さを引き立たせるように塩胡椒が良い仕事をしていて貝柱の出汁とニンニクの香りも相まってまた食べたいと思わせる至高の味に仕上がっていた。

 ミニトマトはミニトマトで酸味とマッチしていて他の野菜とはまた違った美味しさをしていた。

 そして貝柱は一口噛めばさらに奥から貝の出汁があふれだし、出汁を出したとは思えないくらいまだ旨味が残っていて最高に美味かった。

 マッシュルームも独特の食感と最高の味付けで美味かった。

 そして単体で食べても美味しかったアヒージョだがバゲットが一緒に出されたという事はそう言うことだろうとバゲットの上にアヒージョを載せて食べると予想以上に美味かった。

 バゲット自体にもガーリックバターを塗っていたようでさらにニンニクの味が強く感じられて最高に美味かった。


 前菜から胃袋を掴んでくる料理を食べた俺は次はどんな料理がやってくるのか期待に胃をたぎらせながらメイドさんが運んでくるワゴンの料理が目の前に置かれるのを待った。

 目の前に置かれたのはニンニクとトマトの香りが感じられる色々な野菜とぶつ切りの鶏肉? のようなモノが入ったトマトスープだった。

 俺はまずは一口スープだけをスプーンで掬って飲んだ。

 煮込まれた野菜と鶏肉っぽいモノから出る旨味にニンニクの香りとトマトの酸味が上手く混じり合ってコクもあり美味かった。

 スープが美味しいという事は具材も美味しいはずと俺はまず鶏肉っぽいモノを一口頬張った。

 口に入れてやっと気が付いた。日本人なら殆どの人が好きなシーチキンでおなじみのマグロだった。

 ただ焼いただけだとパサつくマグロもトマトで煮込まれている事で味が染み込んでいてジューシーで美味しかった。

 一緒に煮込まれている玉ねぎやじゃがいもは溶けるギリギリ前の状態で力をv入れずとも簡単に噛み切れ中から旨さが溢れ出し、ピーマンは独特の苦みがトマトの味で中和されており美味しく食べられるしパプリカは甘みが増していてどれも美味しかった。

 具を全て食べきり残ったスープはバゲットを浸して食べる事で余さず食べきった。


 これまででもほぼ満足の良く食事だったがさらに料理が運び込まれてきた。

 目の前に出されたのは一般家庭でもよく見るコロッケだった。ただひと手間としてトマトソースが掛けられていてとても美味しそうだった。

 俺はフォークとナイフで一口サイズに切って口に運んだ。

 サックとした衣を噛み中から溢れる様に出て来たモノを口全体で感じてこれがクリームコロッケだと理解した。

 ただよく知るクリームコロッケでは無く塩味の強い生ハムが入っていた。

 そこに酸味と旨味が凝縮されたトマトソースが合わさって相乗的に美味くなっていた。

 俺はクリームコロッケも余さず食べきり食後のコーヒーをメイドさんに頼んだ。


夕食の献立

アヒージョ


マルミタコ

 マグロとじゃがいもと玉ねぎとピーマンとパプリカのトマトで煮込んだ料理


クロケタス・デ・ハモンのサルサ・デ・トマテがけ

 生ハムのクリークコロッケにトマトソースを掛けた物


今回はスペイン料理から選びました。

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