第18話 前回召喚された勇者が怖い
前回のあらすじ
スライムの楽園に行ってきた。
「お帰り、優」
「ああ、ただいま」
スライムの館から帰って来ると慎夜が話しかけてきた。
「今日は何をしてたんだい」
「今日はスライム愛好家が集まるスライムの館に行ってきた」
俺は今日行ったスライムの館についていろいろ慎夜に話した。
「ああ、あそこだね。あそこは権力者ですら手が出せないような変人の集まりらしいよ」
「そんな変な奴は一人もいなかったと思うけど」
俺が見た感じでは皆スライムが好きな良い奴に見えたが。まぁ一部明らかにコワモテのおっさんがスライムと戯れているのはビックリしたけど。
「まぁ、噂だしね。でもあそこには宮廷魔導士のウォレンさんが通ってるっていう噂があるんだよね」
そんな会話をしていると姫姉が橘さんを連れてやって来た。
「なんの話してるの」
「ああ、今日行ったスライムの館に宮廷魔導士のウォレンさんが通ってるって噂だよ」
「あれ、それなら今日スライムの館で見たよ」
まさかの事実を姫姉が告げてきた。
「えっ、いたっけ?」
「いたよ。最初の部屋の隅の方で他の人たちと談笑してたよ。まぁ、軽く変装してたみたいだけどあれは間違いなくウォレンさんだったと思うよ」
俺もあそこにいた客の一人一人をしっかり見たわけでは無いがあの特徴的な老人を見逃してたなんて。
「なるほど、噂は本当だったみたいだね」
「ねえそのスライムの館ってどんなところだった」
橘さんが姫姉にスライムの館についていろいろ聞いているみたいだ。
「それよりも慎夜、明日からは一緒に動けるんだよな」
「ああ、欲しい情報はそろったから明日からはついて行けるよ」
「それで、欲しい情報って何だったんだ」
「それは過去に勇者召喚があったのかとその勇者がその後どうなったのかを調べたんだよね」
「で、結果は」
「いたみたいだよ。それに帰ったらしい記述もあった。けどそれが本当かまでは分からなかったしどうやったかも記されてなかった」
「そうか、でももしかしたら帰れるかもしれないんだよな」
「そうだね。まあそれ以外にも面白い記述があって、前回召喚された勇者が次に勇者召喚を行えばその国を滅ぼすと宣言したって書いてあったよ」
「えっ、てことはこの国って滅んじゃうの」
「宣言通りなら前回の勇者がやって来て自ら滅ぼしに来るらしいよ」
「待てよ、考えようによってはもしかしたら帰還の方法が分かるかも」
「そうだねもしその勇者が帰還の方法を知っていれば帰れるかもしれないね」
俺は慎夜からもたらされた情報に少し希望を見出していた。
「よしじゃあ俺たちはその勇者が来るまで自由にこの異世界を楽しむとしますか」
「僕もそれでいいと思うよ。どうせ帰還の方法はそう簡単には見つからないと思うし、少しくらい楽しんでも罰は当たらないよね」
そうして俺たちは夕食を食べ風呂に入り各々の部屋に戻って行った。
ふう、今日は一日ゆっくりできたし明日からはまたギルドで依頼でもこなそうかな。そういえば昨日は疲れて確認してなかったけどレベルって上がったのかな。
そう思い俺は自分のステータスを開いた。
名前 ユーマ ナギタキ
性別 男
年齢 15
種族 人族
職業
ファーストジョブ 異世界の学生Lv.21 11up
セカンドジョブ 無職Lv.1
レベル 23 22up
HP 130/130 110up
MP 125/125 110up
STR(筋力) 37 22up
DEF(防御力) 42 22up
AGI(素早さ) 47 22up
DEX(器用さ) 72+35 22up
INT(賢さ) 47 22up
LUK(運) 40+60
スキル スキルポイント22 22up
ユニークスキル
言語翻訳、成長促進、無限収納、スティール、透視、念話、スキルポイント再振り分け
戦闘系スキル
体術Lv.7、剣術Lv.7、槍術Lv.5、棒術Lv.5、弓術Lv.4
耐性系スキル
痛覚耐性Lv.2
魔法系スキル
補助系スキル
鑑定Lv.Max、算術Lv.6、気配察知Lv.4、幸運Lv.Max、豪運Lv.Max、器用さLv.7
生産系スキル
料理Lv.4、裁縫Lv.2
称号
異世界人(ボーナススキル、鑑定Lv.Max、言語翻訳)
加護
八百万の一角の加護(ボーナススキル、成長促進、無限収納)
職業ボーナス
☆アルバイト(ジョブ枠が一つ増える)
なんか新たに職業ボーナスの項目が増えてるし、つーかセカンドジョブになんで無職が入ってんだよ。とりあえず新たに手に入れたっぽいアルバイトについてもっと詳しく見るか。
アルバイト(ジョブ枠が一つ増える)
異世界の学生Lv.15のボーナスにより取得
えっこれだけしか情報無いのかよ。
まあとりあえず職業レベルを上げればボーナスが入るのは分かったけど今の俺って選べる職業があんまりないし宝の持ち腐れ感が否めない。
そんなことを考えながらも今日はもう眠ることにした。
そのころ、地球のとある場所で
「ふう、あれほど勇者召喚をするなと言っておいたのに四国も召喚しやがったな。さて召喚を行った四国には地獄を見せてやるとするかな」
男はニヤリと笑うとどこかに消えてしまった。