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第165話 頭に行き成り声が届いたら挙動不審になるのも仕方がない

前回のあらすじ

司祭が教会内の聖職者たちに真実を話した

聖職者は天罰を恐れてる

そんな事は露知らず貴族たちの動きに悩まされている主人公

「あぁ、忘れてた……」

 俺は目の前に広げられたとある貴族たちが俺たちをおとしいれようとしている証拠の数々を眺め、朝食後に王女様に丸投げしとけば良かったと思いつつ、うだうだ悩んでいると誰かが部屋の扉をノックした。

 直ぐに返事をして扉を開けるとそこには姫姉と少女が立っており俺はとりあえず二人を部屋に通した。


「朝からどうしたの姫姉?」

「昨日の事、まだ悩んでるだろうなと思って様子見に来たんだよ。それで考えたんだけどさ、やっぱり両方に情報を渡すのが一番じゃない?」

 どうやら昨日相談したとある貴族連中への対応について一晩考えて来てくれたみたいだった。

「そうだよな、やっぱり両方に情報を渡して対応して貰った方が良いよな」

「うん、両方に渡せば公爵様? も裏切ったりする心配はなさそうだし」

「そうだよな、なら今から王女様とグラシア公爵に直接伝えるか」

「それはそうだけどどうやって二人に会うの?」

「それは、ほら。俺のスキル念話通信を使えばちょちょいのチョイですよ」

「あぁあの一方的に念話を送りつける微妙に使いにくいユニーク(笑)のスキルね」

「ちっちっち、実はこの前念話が進化して念話通信になったから相互で会話が可能になったのさ。では早速」

 俺はそう言うや否やマーキングでマークした王女様に念話通信のユニークスキルを発動して話しかけた。


(王女様聞こえますか? どうも優真です、聞こえたら頭の中で返事をして下さい)

(はっえっ、ユーマ様ですか。一体これは……)

 ちゃんとスキルが発動しているのか王女様の声もこちらに確りと届いた。

(俺のスキル念話通信で王女様の頭に直接話しかけてます。ちょっとある貴族が脱獄の計画を立てているみたいなんで時間作って貰えませんか? あとグラシア公爵も呼んでおいて下さい。それじゃ)

 俺は王女様に言いたいことを言うだけ言って念話通信を切った。


「よしとりあえず伝えたし、あとは待っていればメルリアさんが呼びに来るでしょ。さて次はグラシア公爵にも一応念話を」

 俺はマーキングでグラシア公爵の居場所を突き止めて念話のパスを繋ぎ話しかけた。

(あーあー聞こえますか? 異世界から来た優真です。念話で声を送っているので返事は意識して頭の中でするだけで伝わります。それで、その内王女様から呼び出されると思いますが話があるので早めに王城に来てください)

(ユーマ殿? 本当にユーマ殿なのか? これは諜報員が使うスキルの念話通信か? 異世界人は色々なスキルを使うとは聞くが念話通信まで使うのか? だがこれは事前のマーキングスキルによるマークと大量のMPが必要のはず……)


 グラシア公爵は俺の念話を聞いて直ぐに思考を巡らせたのか色々考えが念話に乗って俺に伝わってきた。

 俺は漏れ聞こえてくるグラシア公爵の思考を盗み聞きしていることに少しだけ悪いなと思いつつも相手の思考を読むのに利用出来るなとか考えながらグラシア公爵に思考が漏れている事を伝えることにした。

(あのー、言い難いんですけど思考が駄々洩れですよ)

(なっ! 考えが聞かれた?! では先ほどのも聞かれたのか。余り彼に不信感を持たれて国の不利益になるのはマズい! 話は分かった。早急に王城に向かうので念話は切ってくれて構わない)

 俺の指摘を受けてグラシア公爵は驚きの思考を漏らした後、色々考えを漏らしながら早く切って欲しそうにそう言ってきたので俺はそっと念話を切った。


 グラシア公爵への念話が終わって悪い事したなと思っていると直ぐに部屋の扉をノックする音がしてノックをしたメルリアさんが話しかけてきた。

「ユーマ様、王女様がお呼びですが……」

 思ったよりも早い呼び出しに俺は少しだけラッキーと思いながらドアを開けると扉の前には少し困惑した表情のメルリアさんが立っていて俺が顔を出すなり詰め寄って来た。

「あの、ユーマ様。王女様が少し怒っていらしたのですが何かされたのですか?」

 思い当たる節がある俺はメルリアさんのその質問にどう返した物かと悩んでいると部屋の奥から姫姉が出て来てメルリアさんのその質問に勝手に答えた。


「優君が王女様に行き成り念話を送ったからですよ」

「念話ですか!? 王女様の様子がおかしくなったと聞いていましたがユーマ様の仕業だったのですか」

 メルリアさんは王女様がおかしくなった 犯人が俺と分かった瞬間に俺をジト目でにらんできた。

 俺も幾ら面倒だったからと言って軽率に念話で話しかけたのは悪かったかなと思ったので目を伏せて反省してますとポーズを取っていると姫姉がさらに爆弾を投下した。


「それと優君がグラシア公爵? にも念話を送ってたみたいですよ」

 姫姉がそう言った瞬間にメルリアさんが立ち眩みでもしたのか踏鞴たたらを踏んだ。

「ユーマ様、ヒメナ様の言葉本当ですか?」

 気を散り直したメルリアさんの後ろに般若が視えそうなくらい怒りの感情を漏らしながら俺にそう尋ねてきて、俺は咄嗟とっさに「はい」と答えた。

 俺の返答を聞いてメルリアさんは大きく溜め息を吐いた後「直ぐに王女様に知らせなくては」と呟き、「ユーマ様、付いて来てください」と俺の返答も待たずに歩き出した。




少し遅いですが新年明けましておめでとうございます。

今年も出来る限り毎月10日20日30日に更新を続けていきたいと思いますの応援のほど宜しくお願いします。


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