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第164話 聖職者の集い

前回のあらすじ

悪だくみを知りどうするか悩む

姫姉に相談する

何も決まらずに一日を終える

 俺と姫姉がグラシア公爵派閥について話し合っていた頃、司祭が戻った教会では現在教会にいる聖職者が全員集められていた。


「皆よく集まってくれました。本日王城にて見聞きした事で話せる範囲の事を皆に伝えておきたいと思います、心して聞いて下さい。……という訳であの王城前広場に突如として出現した扉は勇者を望み異世界召喚を多用した結果です。ですが慈悲深き神は我らに救いの手を差し伸べて下さいました。我々は今後今回の事を包み隠さず真実を後世に語り続ける必要があります。皆もこのことを心に留め置いて下さい。その上で何か質問のある方はおられますか?」


 司祭は集めた聖職者たちにに熱の籠った語り口調で話せる限りの全ての事を話した後、集まった者たちからの質問を受け付けた。

 だが集められた聖職者たちは行き成り司祭に集められ、急にその事を伝えられた為かその事を理解するのに時間を要し、長い沈黙の後やっと理解した者たちは今回の事がどれほど危険な事だったかに気が付き顔面を蒼白にしながら狼狽うろたえていた。


 そして全員がその最悪の一歩手前の状況だった事に思考が辿り着いた頃、早くにその事に気が付いてやっと思考の整理がついたのか一人の男がおずおずと手を上げ司祭はその男の発言を許可した。


「司祭様、今回の事ですが……もしかして何か我々、若しくはこの国の人間に天罰が下るのでしょうか?」

 男は何かに怯えたようにそう司祭に尋ねた。


「それは私には分かりません。私が受けた神託では『勇者召喚の多用、境界の崩壊、世界の対消滅。勇者召喚の地、ダンジョンの設立、境界の再構築』、天罰については何も伝えては下さりませんでした。だからと言って天罰が下らないというのは早計であると私は考えます。我々は今後天罰が下ると思って行動する必要があると考えます。皆もその事は心の片隅に留め置いて下さい。そしてもし天罰が下り生きて乗り越えた際には残された者たちと手を取り助け合って下さい」


 司祭のその言葉を聞いた者たちは皆一様に神妙な面持ちで「分かりました」や「必ずや」等と司祭に返し、その言葉を聞けた司祭は笑顔で「任せましたよ」と言った後、再度質問を受け付け今度は数人の手が上がり司祭はその中から年嵩のシスターを選んだ。


「司祭様、今回の件で異世界とダンジョンを通じて繋がったというのは本当の事なのでしょうか? もし繋がってしまったと言うことならば異世界の者たちがこちらに報復として攻めて来る事は無いのでしょうか?」

 年嵩のシスターは神妙な面持ちで起きるかも知れない最悪を想像し、その事を司祭に質問した。


「それについては何とも言えませんがあの扉の先にはまずダンジョンがありますし、越えて来れる者は限られます。ですがもしも報復に彼らが来ると言うなら我々は誠心誠意謝意を示し許しを請うしかありません」

 年嵩のシスターの質問に司祭は謝るしかないと答え、年嵩のシスターは悲しそうな表情をしながら「そう、ですね。わかりました」と言って質問を終えた。


 その後も司祭は集めた聖職者たちからの質問を受け付けて、それに答えていった。

 そして手を挙げた者たちの質問に全て答え終えたところで結構な時間が経っており、司祭は「時間も時間ですし一度ここで解散しましょう」と言って話し合いを一度お開きにした。


 司祭が教会にいる聖職者たちと話し合いを終えてそれぞれがそれぞれのお勤めに戻り、その後のお勤めを終えて食事をしてそれぞれが司祭から聞かされた事を自問自答しながら眠りについた。



 そして夜が明けた。



 朝明の日の光に照らされて俺は目が覚めた。

 昨日は会議に出席して貴族たちに父親から送られて来た動画を見せたり、動画を見た貴族たちからの質問を受けたりして疲れた。

 そして一部の貴族がまた悪巧みをしているのを知ったのに食事を楽しんですっかり忘れてしまった事を思い出して朝から憂鬱な気分になりながら布団から出て服を着替えた。


 そうこうしている内に時間が経ち、メルリアさんが朝食だと呼びに来て俺は姫姉たちと共に食堂に移動した。

 今日は俺たちが一番乗りだったようで先には席に着き少しするとウィンダムさんたちがやって来て、直ぐに王女様とウォレンさんが来て朝食が始まった。


 今日の朝食はスクランブルエッグとソーセージに付け合わせとしてレタスとトマトが添えられた一皿とコーンスープと白パンだった。

 ケチャップをかけられたスクランブルエッグを一口食べれば程よい酸味と旨味のケチャップの味と卵本来の味にとろりと伸びるチーズの旨味が合わさってパンと一緒に食べても美味しい一品だった。

 コーンスープは濃厚なコーンの旨味と目覚めたばかりの身体を芯まで温める温かさで心まで満たされた。

 そして全ての食事を食べ終えた俺は他の皆が食事を終えるのをコーヒーを飲みながら待ち、全員が食事を終えたところで俺たちは自分たちの部屋に戻った。

今年も残すところ明日1日ですね。

来年もこの物語を続けていくつもりですので応援お願いします。

では皆様、良いお年を。

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