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第157話 ミネストローネって美味しいよね

前回のあらすじ

王女様と腹の探り合い

借りを作らない程度要求を通す

別れてすぐに食堂で再開


今回は久しぶりのちゃんとした食事回です

「お待たせしました。ユーマ様方には会議に参加して頂き、その他にも色々ありがとうございます。今晩も料理人が腕に縒りを掛けて作りましたので心行くまでお楽しみください」

 王女様がそう言うや否やワゴンを押したメイドたちが食堂内に入って来た。

 ワゴンを押したメイドたちは席に座っている王女様や俺たち、ウィンダムさんたちの傍まで来ると止まりワゴンの上に乗っている料理番組とかでよく見る例のボウル型のふたを外してその中にあった前菜と思われる料理を全員の前に置いた。


「それでは皆様の前に前菜が行き届いたところで、本日も食事が頂けることを神に祈りましょう」

 前菜が全員の前に置かれたところで王女様がそう言うと王女様やウォレンさんにウィンダムさんたが手を組んで数秒お祈りをし、俺たちはいつも通り手を合わせて「いただきます」と言って食事を始めた。


 前菜はブロッコリーとカブと人参を蒸した物が盛られた皿と黄土色のソースと薄黄色のソースが二つの小皿に分けられて目の前に並べられていて、温野菜からはまだ湯気が立ち上っておりその温かさが視覚から感じられる。

 俺はまずカブをフォークで刺し味の想像が付かない黄土色のソースに軽く付けてから一口かじった。

 思ったよりも変な味はせず、塩辛さと魚特有の臭みが少しするが一緒に入っていたガーリックの匂いと味に上手く溶け合っていて素材の味という感じの野菜とは相性が良くこれなら飽きずに食べられそうだ。


 そして次に俺はだいたい味の想像がつく薄黄色のソースにブロッコリーの先端を潜らせてそのまま被りつく。舌に触れる味は想像通り、粒マスタードのプチプチとした触感と少しの辛みに合わせられているマヨネーズの独特の酸味とコクが加わって味のいろどりを豊かにしてくれる。

 どっちのソースも甲乙つける気が起きないくらいに野菜との相性が良く気が付けば俺は野菜を全て平らげていた。


 周りの皆も前菜の温野菜を食べ終えると大した音も無くワゴンを押したメイドたちが全員の近くに現れ前菜の皿を下げて次の料理を皆の前に並べていった。


 次の料理は俺でも分かる、赤い色が特徴的なミネストローネだった。

 ミネストローネにはトマト、キャベツ、ニンジン、玉ねぎにじゃがいも、そしてマカロニと具だくさんでさらに立ち上る湯気からは美味しさを凝縮したような良い匂いが感じられる。

 俺は匂いを堪能した後、スプーンを手に取りまずは一口とスープを口に運んだ。

 匂いから想像していたがやはりトマトの酸味と旨味に溶けだした野菜の旨味とコンソメの深い味わい、そしてアクセントに黒コショウのピリッとした辛みと香りが上手くミネストローネの味を引き立てている。

 クタクタになるまで煮られたキャベツは歯を入れた瞬間に中に蓄えていたスープとキャベツ本来の旨味を放出しながら簡単に噛み切れ旨味を増している。

 玉ねぎもキャベツ同様にクタクタになるまで煮込まれており、噛めば玉ねぎ特有の甘みを感じさせてくれる。

 にんじんは程よく煮込まれて堅過ぎず、けれどふにゃふにゃにはなっていない丁度いい硬さを保った最高の状態で他の野菜とはまた違った触感で楽しませてくれる。

 じゃがいももホクホクでしっかり味が染み込んではいるが少し触れただけでは崩れないよう計算されつくした最適な硬さをしており凄く食べやすい。

 そして丁寧に皮を剥かれ煮込まれたトマトは存分に旨味と酸味が出ており染み込んだスープと相まって最高の味に仕上がっている。

 そしてマカロニは良く煮込まれたスープとは裏腹にちゃんと触感を維持した硬さが残った、けれどしっかり味も染み込んだ物になっていてとても美味い!


 俺がミネストローネの旨さを存分に楽しみ尽くし満足したところで他の皆もミネストローネを食べ終えメインディッシュが運ばれてきた。


 メインディッシュは薄く延ばされたカツに小さく角切りにされたトマトのソースが添えられた一品が全員の前に出された。

 ザ・肉と言った存在感を放つカツからはそれがまだ出来たてと証明するが如く熱と湯気を放っており熱されたトマトソースも程よく食欲を掻き立てるいい香りがしていた。


 俺はナイフとフォークを手に取りカツレツを一口サイズに切り分けた。すると衣と肉の間からとろーりと蕩けたチーズが零れだしてきた。

 まさかの仕掛けに唾を飲み込みながら蕩けだしたチーズを切り掬い上げてカツに乗せてからさらにトマトソース乗せて一気に頬張ほおばった。

 トマトの酸味が強いあっさりとしたソースにチーズの濃厚な味と豚カツの肉汁が合わさって旨味のハーモニーが口いっぱいに広がっていく。

 これぞまさに旨味の極地、至高の一品。

 俺は最高の一品に酔いしれながら一心不乱にカツレツを頬張り瞬く間に食べ終えた。


 そしてデザートには濃厚なチーズとコーヒーの味が染み込んだビスケット生地が最高なティラミスが出された。

 甘みと苦みのバランスが上手く甘ったるさや苦みで飽きが来ない様に工夫がされていて最後まで楽しめた。

 その後、食後のコーヒーを堪能して食事は終わった。

食事回の献立

温野菜~アンチョビガーリックソースとマスタードマヨネーズソースを添えて~

 黄土色のソースはアンチョビガーリックソースで薄黄色のソースはマスタードマヨネーズソースです。


ミネストローネ

 これはよくあるミネストローネで特に捻りはありません。


チーズカツレツ~トマトソースを添えて~

 カツの中にチーズとかもう最&強ですよね。そこにトマトソースとかがあれば向かうとこ敵なし。


ティラミス

 今回中の生地はビスケットにしましたがスポンジも良いですよね。

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