第154話 バカ貴族派閥ついに捕まる
前回のあらすじ
二人目の質問者の質問に答える
バカ貴族派閥の重鎮が俺の煽りに乗せられる
再生する魔石を間違え慌てて本来再生する方の魔石を取り出して再生する
「王族である私が招いている客人に不当な扱いをしたうえ冤罪を掛ける。その上この国を自分たちのモノにする発言。これらは国家反逆に当たると判断し、彼らを国家反逆の罪人として捕らえることを命じます!」
王女様がそう宣言すると周りに居た騎士と貴族たちは我先にとバカ貴族派閥のの連中を取り抑えに掛かり、ものの数分でバカ貴族派閥の者たちはバカ貴族たちに今までの恨みを晴らしたいと思っているローガン侯爵派閥の一部の者たちとその場の空気で動いた一部の者たちによって捕らえられた。
「貴様ら放せッ私は侯爵だぞ! こんな事をしてタダで済むと思うな!」
捕らえられた貴族の一人がそう叫んだが直ぐに口に猿轡を嵌められて唸り声を上げる事しか出来ず、それを見た他の捕らえられている貴族たちもやっと自分たちがどれほど窮地に立っているの理解したのか恨みの籠った目をしながらも押し黙った。
「彼らを地下の牢獄に入れて下さい」
反省の色が全く見えてこないバカ貴族たちに王女様は彼らを牢屋に入れる様にバカ貴族を捕らえた者たちに命令した。
バカ貴族たちは相当恨まれていたようでローガン侯爵派閥の者たちはバカ貴族たちを逃げられない様に痛めつけてから彼らを乱暴に連れて行った。
その場の空気で動いた者たちも自分たちが捕らえたバカ貴族派閥の一味を騎士たちと共に喜々として牢獄まで連れて行った。
バカ貴族とそれを連れて行った一部の貴族と騎士たちが居なくなって少し寂しくなった部屋で王女様が口を開いた
「今後ユーマ様たちに不当な行いをした者は彼らと同じく罰を与えます。ここに居ない者たちにもその事を確8しっか)りと伝えておいて下さい。では今日の会議は此処までとし、次回の会議は明日の午後から開始します」
王女様はそう言って立ち上がり一人のメイドに何かを伝えてからウォレンさんと共に部屋を出て行った。
残された俺たちに王女様と話していたメイドさんが話しかけてきた。
「皆様をご案内するようにと王女様より言い付かりました。ついて来て頂けますか?」
俺たちはこの場に留まる理由が何もないのでメイドさんの問いに首を縦に振り、メイドさんは俺たちの返答に心底ほっとした様子で「ではこちらへ」と言って俺たちを連れ部屋を出た。
部屋を出た俺たちはメイドさんの案内で前にも来たことのある応接室までやって来た。
応接室の中に入ると王女様とウォレンさんが先に来ていたようで椅子に座っていた。
俺たちはメイドさんに促されるまま王女様たちの対面に座ったところで王女様が口を開いた。
「今回もまた貴族たちがご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
王女様はびくびくと怯えた様子でそう言い俺たちに頭を下げてきた。
俺が何か言う前に謝ってくるのは初めてだなと思い感心して王女様の謝罪を受け入れる事にした。
「別に構いませんよ、まだ被害が出る前だったので。それとコレは王女様に預けておきます。使い方ですが魔石を手に持って少し魔力を流せば録音された音声が再生されます」
俺は無限収納からバカ貴族派閥の会話を録音した魔石を取り出しテーブルの上に置いた後、再生の仕方を王女様に教えた。
「ありがたく預からせて貰います」
王女様は少し強張った表情でテーブルの上の魔石を手に取って眺めた後、「試してみても?」と尋ねて来たので俺は「どうぞ」と返し、それを聞いた王女様は魔石に魔力を注ぎ込んだ。
『
「なぜ我々があのように言われねばならんのだ! 忌々しい!」
……
』
音声が流れた事で問題が無いと判断したのか王女様は魔石をテーブルの上に戻したが音声が止まることは無く流れ続けた。
微妙な空気のまま音声が止まるのを待ち、数分後音声が止まったところで王女様が口を開いた。
「えっと、コレを途中で止める方法は……」
王女様から真っ当な質問が飛んで来た。
まだ覚えたばかりのスキルで王女様の質問に明確な答えを持っていない俺は返答に悩んだ末、素直に「分かりません」と答えた。
王女様は俺の返答が思いもよらなかったのか「っえ!?」と声に出して驚いた後すぐに「申し訳ありません」と謝って来た。
俺もこれに関しては自分のスキルをよく理解もせずに使ったのが原因だと分かっているので王女様の反応も仕方がないと割り切って「気にしてませんよ」と笑顔で返したが微妙な空気がまだ続いていたので俺は別のもっと衝撃的な話題を出して空気を変えようと口を開いた。
「王女様に見てもらいたいモノがあります」
俺はそう言って無限収納からMITSULINの箱とその中に入っていた手紙とスマホを取り出してテーブルの上に置いた。
「えーと、確かコレはユーマ様があの時持っていた箱なのは分かりますがそちらの手紙と四角い板のようなモノは一体?」
「コレはスマホと言います。詳しい説明は省きますが実はあの時その箱の中に入っていた物で、今回の件に深く関わっているので王女様には見せておこうかと思って出しました。まずは手紙の方を……ってコレ全部日本語じゃん!」
俺は手紙を見せようとして今更日本語で書かれている事に気付き、いつもならすぐに気付きそうな事に気付かない自分を恨み頭を抱えた。