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第151話 王城前広場での出来事について質問タイム

前回のあらすじ

下っ端貴族が謝ったすぐ後に喧嘩を売って来た

下っ端貴族は王女様に出て行くように言われた

いう事を聞かない下っ端貴族を問答無用で追い出した

「ありがとうございます王女様。それでは最初の質問に戻りますが、なんで俺が呼ばれたのかそろそろ教えて貰えませんか?」

 王女様に分かり易くお墨付きを貰った俺は仰々しくお礼を言ってお辞儀をし、その後なぜ呼び出されたのかと言う最初の質問を再度王女様に投げかけた。

「ユーマ様にお越しいただいたのはあの扉が現れた時にその場にいて見たことを話して貰うためです」

「それなら俺が呼ばれるのも納得です。それでどこから話しましょうか?」

「ありがとうございます。では大地が揺れたところから話して頂けますか?」

「分かりました、とりあえず最初から最後まで話します。では……」


 そう言って俺は地震が起こってから地面に穴が空き、そこからドラゴンが出てきてそれをその場にいた者たちと倒して再度地震が起きたと思ったら今度は穴が消えて扉が現れていたことをドラゴンの殺した方法と扉から出てきたMITSULINミツリンの箱の情報以外の事を簡潔に語った。

 途中一部の貴族がドラゴンの出現に驚いたりどうやって殺したのか恫喝して聞いてきたリしたが、それに被せる様に話を続けて一切の質問を受け付けずに最後まで話した。

 

「大体の事は話しました。これで良いですか王女様?」

 未だに俺へどうやってドラゴンを倒したのかとか、他の奴のせいで聞こえなかったからもう一度最初から話せとか言う者たちを無視しながら俺は王女様にこれで良かったかと睨みながら尋ねた。

「はい、分かり易く説明していただきありがとうございます。それで次は彼らの質問に答えて頂きたいのですが……」

「質問ですか、まぁ答えれる事なら答えますけど。礼儀の無い人の質問には答えませんよ」

 俺はそう言いながらまだ俺に向かって吠える様に「私の質問に答えろ!」と怒鳴っているバカや、それに似たようなことを言っている馬鹿に視線をやりながら王女様にアイツ等の質問にだけは答えないと暗に示した。


「分かりました、それで構いませんのでお願いします。全員静かにして下さい! ……今からユーマ様に質問に答えて貰います。質問のある方は挙手を、そして私に指名された方は質問の内容を述べて下さい」

 王女様は俺の言葉の意味を理解したのかそれで構わないと言ってから一息置いてこの場に居る貴族連中を一喝して一度黙らせ、質問があるなら手を上げて指名されてから発言しろと言った。

 王女様の言ったことをしっかりと理解したのか、はたまた王女様に取り入る為嫌われない様に殊勝な態度を取ったのか、さっきまで騒がしかった貴族連中はこぞって黙り込み質問をするために手を上げた。


 王女様は手を上げた貴族の中から俺の説明中には声を上げていなかった者を指名し、指名された貴族はその場に立ち上がって口を開いた。

「私を選んでいただきありがとうございます。タモダブ・フレクルードと申します。質問なのですが教会の者たちが天罰が下ったと言っていたのを耳に挟んだのですが何かそれらしいモノを見たり聞いたりしましたか?」

 質問の一発目から思ったよりもしっかりとした質問に俺はこんな真面な質問をする奴がいたんだと驚き関心し、さっきまでの五月蝿いだけで意味のない質問を繰り出してきた連中とは比べ物にならないタモダブの質問にどう答えるか少しだけ悩んだ後、ある程度は話すかと決めて俺は口を開いた。


「質問の答えだが、天罰かどうかは分かりませんが今までの勇者召喚のツケが回って来たのは事実ですよ。俺も司祭から神託の内容を聞きましたし、鑑定のスキルであそこに現れた扉を鑑定したらダンジョンの入り口と出ましたから」

 俺がそう答えるとこの場にいた貴族たちは互いに顔を合わせてザワザワとしだした。

 そして「天罰だ」と多くの貴族たちが口にし怯えだした。

 そんな中、バカな貴族の一人が俺を指さしながら怒鳴り声を上げた。

「貴様だ! 貴様らが居るから神に怒りに触れて天罰が下ったんだ! 勇者こそが悪だ! 今すぐそいつ等を殺せ!」

 バカ貴族はあろうことか勝手に呼び出したくせに全て俺たち召喚勇者が悪いと言い出した。さらにそれに続くように他のバカ貴族たちも「そうだそうだ!」「勇者を殺せ!」などと言いだしてきた。


 勝手に連れて来ておいて自分たちの罪も認めず、都合が悪くなったら全ての責任を押し付けてくるバカ貴族に一瞬で堪忍袋の緒が切れた俺は机を思いっきり叩いて立ち上がり馬鹿な事を言っている貴族に怒鳴り返した。

「ふざけるなよ! お前らが異世界から何人も誘拐したからこうなったんだろうが! それなのに俺たちが悪いだと、ふざけるのもいい加減にしろよ!」

 俺が殺気を放ちながら怒鳴ったおかげか馬鹿な事を言っていた貴族たちは総じて顔を青褪めさせながら震えていた。


 だがそれだけではイライラが収まらない俺は他の貴族連中にも殺気を放ち睨みつけて怒鳴った。

「お前らもだ! 俺等を誘拐するのを止めてこなかった時点で同罪なんだよ! 本当なら今頃世界が滅んでてもおかしくなかったのに神様のおかげで助かったんだから文句言ってんじゃねーぞ!」

 俺はそう怒鳴り切った後、ドカッと荒々しく椅子に座った。



 

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