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第150話 面倒な貴族の追い出し

前回のあらすじ

王女様が俺たちを呼び出した

合いに行くと貴族連中から絡まれた

侯爵が絡んできた貴族たちを諫めた

 俺にいちゃもんをつけて話し合いの邪魔をした貴族たちの謝罪を受けた王女様は小さく溜め息を吐いてから立ち上がり口を開いた。

「貴方たちの私への謝罪は確かに受け取りました。ですがまだ謝る方が居る筈です」

 王女様はチラリと俺の方を見てから謝って来た貴族たちに睨みを利かしてそう言い放った。

 王女様の言葉を聞き謝罪した貴族たちは互いに苦虫を噛み潰したような表情を見せ、その後謝罪をした貴族で最も扉から一番近い位置にいる下っ端っぽい貴族を睨むように他の謝罪をした貴族たち全員が視線を送った。

 同じように文句を言っていた他の貴族から睨まれた下っ端貴族は顔を赤く染めながら体を震わせて俺の方を向きおずおずと口を開いた。


「この度は王女様の客人である貴殿に無礼な事を言ってしまい、申し訳ありませんでした」

 言葉の所々に苛立ちが見え隠れする怒気の籠った謝罪をした下っ端貴族は渋々と言った様子で頭を下げながら器用に俺の事を睨みつけてきた。

 言葉とは裏腹のその態度に呆れつつ、このまま無駄な時間を過ごすのも面倒だと思った俺は下っ端貴族の謝罪に条件を付けて許すことにしつつ他の貴族たちの処分を王女様に頼むことにした。

「今回は許しても良いですが、次同じことがあった場合にはどんな理由があっても許しません。それと王女様、俺に謝罪をしなかった方たちをこの場から追い出して下さい」


「ふざけるな! なぜ我々がこの場を出て行かなくてはいけない! 出て行くのは無礼なお前の方だろうが!」

「そうだそうだ! いくら王女様の客人であろうが口を慎め!」

「お前こそこの場を立ち去れ!」

 俺にこの場から出て行くように指定された貴族たちは顔を真っ赤に染め上げながら立ちあがり、今にも殴り掛かって来そうなくらいに身を乗り出して口々に怒りの言葉を俺に投げつけてきた。

 さっき侯爵になだめられたばかりだと言うのに俺の軽い挑発で予想よりもバカな行動をした貴族たちに心底呆れながら王女様に馬鹿な貴族たちをさっさと追い出せと視線を送ると王女様はそれに気が付き小さく溜め息を吐き口を開いた。


「王女である私が命じます、今ユーマ様に暴言を吐いた者たちは早急にこの場を退出して下さい!」

「なッ! 王女様、我々よりもそこの者を庇うおつもりですか!」

「そうですぞ! そんな下賤な者の言う事など聞いてはなりませんぞ!」

「そうです! 王女様どうかお考え直しください!」

 王女様が俺の願い通り馬鹿な数名の貴族に出て行くように命令するとその馬鹿な貴族連中は俺の事を卑下ひげしながら王女様の判断が間違っていると言い命令を撤回てっかいするように進言してきた。

 王女様は馬鹿な貴族連中の言葉に気圧けおされてたじろぎ言葉に詰まり、このままだと貴族連中の思惑おもわく通り追い出せずに話し合いが再開されてしまいそうな空気になって行った。


 俺はそんな空気を感じて心の中で舌打ちをしながら馬鹿な貴族連中を黙らせるために王女様の命令を利用した手で貴族連中を黙らせる事にした。

「お前等ちょっと黙れ、こっちは王女様に呼び出されてわざわざ来てんだぞ! お前らの幼稚な嫌がらせに付き合ってる暇なんてないんだよ! これ以上続けるんだったらこっちにも考えがある。王女様の命令に従わない者たちには問答無用で出て行って貰う! 邪魔するなよ!」

 俺は殺気を込めた言葉で五月蝿く王女様に詰め寄っていた貴族連中を黙らせた後、現状の不満を言ってからその原因を排除すると宣言して直ぐに貴族連中の中で一番近い位置にいた貴族を無限収納アイテムボックスから取り出したデュアルガンドをエアバレットにして最小限の威力にして撃った。


「ひぃぃ、きっ貴様! 私にこんなことしてタダで済むと思うなよ! 貴族に対する暴行は重罪だぞ! 死刑、死刑だ! 貴様は死刑だ!」

 撃たれた貴族は情けない悲鳴を上げ椅子から転げ落ちつつも俺の言った言葉の意味を理解していない事が分かる発言をしてきた。

 あまりの馬鹿さ加減に俺は笑いを堪え切れずに噴き出して馬鹿な貴族に分かるように俺を死刑に出来ないことを説明してやった。


「ぷっははは、何言ってるんだ? 俺を死刑に何て出来ないぞ、俺は王女様の命令に逆らっているお前を王女様の命令通りに追い出すために動いているだけだからな。さて最後の選択だ。自分で出て行くか、俺に撃たれて追い出されるか選べよ」

 俺はそう言いながら馬鹿貴族に近づいてデュアルガンドの銃口を頭に突きつけて選択を迫った。

 デュアルガンドを突きつけられた貴族は「覚えておけ!」と小物臭のする捨てセリフを言って一目散に部屋を飛び出して行った。

 それを見た他の馬鹿貴族たちも情けなく悲鳴を上げながら部屋を出て行った。


 俺はそれを見送った後、デュアルガンドを無限収納アイテムボックスに仕舞って王女様に礼をしながら俺の行動が悪くないことを追認して貰うため言葉を発した。

「王女様の命令通り彼らには退室して頂きましたがこれで宜しかったでしょうか?」

「は、はい。ユーマ様には私の命令の為に動いていただきありがとうございます」

 俺の目論見もくろみどおりに王女様は俺の行動が問題ないと周りに分かり易く言った。


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