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第145話 世界を繋ぐ扉

前回のあらすじ

ガネトリー落ちて死す

復讐者自害する

復讐者助ける

 ヒールをかけて体を揺すってウォレンさんを起こしている間、ウォレンさんが心配なのかオロオロとするだけで役に立たない王女様に俺は頼み事をすることにした。

「ウォレンさんは俺が見ておくので王女様は騎士から情報を集めてきて下さい」

「えっ、ですがウォレン老師の無事を確認してからの方が」

「王女様がここにいても何の役にも立たないのでさっさと行って下さい」

「はい」

 王女様は渋々といった様子でこちらを何度か振り返りながら騎士たちのもとに向かって行った。


 俺が王女様に働けと追いやったタイミングで気絶していたウォレンさんが目を覚ました。

「うぅ、儂は……。こ、コレは一体! どうなっておる?!」

 目を覚ましたウォレンさんは頭を押さえ所々から黒煙や火が上がり壊れている街を見て驚きを隠せない様子で俺にそう問いかけてきた。

「どうなっていると聞かれても。地震が起きて大地に穴が空いてそこからドラゴンが出てきたとしか言いようが……」

 俺はウォレンさんの質問に広場の真ん中に空いたままの穴に視線をやりながらそれくらいしかいえなかった。

「なんじゃと?! ドラゴンだと! すぐに倒さねば!」

 ウォレンさんはドラゴンと聞き直ぐに立ち上がって駆けて行きそうになったので俺は直ぐ様と目に入った。


「待ってください! ドラゴンなら倒しましたから!」

「なんじゃとぉ! ドラゴンはもう倒されたのか?!」

「はい、下にいる人たちと協力して倒しました」

「……そうか、またお主に助けられたか。それで現状はどうなっておる?」

 ウォレンさんは一拍置いて落ち着きを取り戻したのか現状がどうなっているのか尋ねてきた。


「それについては私から説明します」

 俺がウォレンさんの質問に答えようと口を開きかけた所で横から王女様がそう言って割り込んできた。

「現状ですが残念なことにあの穴に着いてはドラゴンが出てきた以外の事は分かりませんでした。罪人に縄を付けて降ろしたのですが穴に入れて直ぐに強い力で引っ張られ暫くすると急にそれが無くなり急いで引き上げると縄の先が引きちぎられたようになっておりそこに血の痕がありました。この事からあの穴には魔物がいると判断して調査にはそれなりの準備が必要になりそうです。次に穴から現れたドラゴンですが我が国の領土内で目撃された事の無い個体でした。今のところこの程度の情報しか得られませんでしたが現在も調査を続けていますのでまだ何か分かると思います」


 予想はしていたがやはり芳しい情報は得られなかったようで、穴については何も情報が出てこなかった。

 情報の少なさに落胆していると騎士が誰かを引き連れてこちらに駆け寄ってきた。

「王女様、司祭様が今回の事で王女様に伝えたい事があると!」

「王女様! 神託です! 神託が下りました!」

「何ですって?!」

「なんだと?! それは本当か!」

 駆けつけた司祭の言葉に王女様とウォレンさんが驚きの声を上げて司祭に詰め寄った。


「今神託の内容を伝えます。『勇者召喚の多用、境界の崩壊、世界の対消滅。勇者召喚の地、ダンジョンの設立、境界の再構築』これが神託の内容です」

 詰め寄られた司祭は王女様とウォレンさんの迫力に気圧されながらも神託の内容を語った。

 神託の内容を聞いた王女様とウォレンさんは困惑した表情を浮かべた。


 王女様とウォレンさん、そして騎士と司祭がお通夜の様な雰囲気を醸し出しているとまた地震が起きた。

「イヤァァァァァ! まだ死にたくないぃぃ!」

「ぬぅぅ、立っておれん」

「くっ! またか!」

「神罰だ! 人類は神の怒りに触れたんだ!」

 揺れが始まった途端に王女様は悲鳴を上げて蹲り、ウォレンさんはその場に膝をつき、騎士は忌々しく地面を見つめながら四つん這いになり、司祭は地面に座り込み天を見上げて絶望していた。


 今度の揺れは前回の比にならない程に揺れに揺れて、今回ばかりは俺も立っていることすら儘ならない程だった。

 数秒か十数秒かして揺れが収まり元々落ち着いていた俺は神託の言葉を思い出して広場に目を向けるとそこには荘厳な扉が鎮座していた。

 扉の左右には神々しい光を放つ鎧を着た天使の様な像があり、その天使? 像は持っている槍を扉の前で交差させていた。


 俺は神託の言葉通りなら或いはと思い、目の前にある扉に向けて鑑定と解析を使った。



異世界に繋がるダンジョン

 地球とこの星の融合を阻止するために両方の星の神々が神力を賭して創り上げたダンジョンの入り口

 


 俺の予想していた通り、神託にあったダンジョンの入り口だった。

 俺は鑑定と解析の結果を見て一息つき、この後どうするかと立ち上がった所で司祭が鬼気迫る勢いで扉に駆けて行った。

 そして司祭は扉の前に着くなり跪き、その場で祈り出した。

「おぉ、コレが神様から賜りしもの。神様は我々を見捨ててはいなかった! あぁ神様よ、祝福の光を!」

 

 司祭の行動に驚きながら俺も扉に近づくと扉が輝きだし、その光が一ヶ所に集まり光の玉になり俺の目の前まで来た所で光が弾けた。





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