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第144話 復讐者現る

前回のあらすじ

広場に穴が空く

穴からドラゴンが出て来る

ドラゴンを倒したと思ったらガネトリーが穴に落ちた

 止める間もなくガネトリーが穴に突き落とされ、一体誰が何の目的……は考えるまでもなく復讐だろうけど一応この後何を仕出かすか分からない以上情報は必要かと思い俺はガネトリーを蹴り落とした者に鑑定と解析を使った。



名前 リリアーヌ・ベリン

性別 女

年齢 23

種族 人族

職業 リベンジャーLv.12

レベル 38

状態 狂乱

HP 620/620

MP 23/23


STR(筋力) 211

DEF(防御力) 76

AGI(素早さ) 236

DEX(器用さ) 68

INT(賢さ) 38

LUK(運) 12


スキル

ユニークスキル

復讐の刃


戦闘系スキル

体術Lv.3、短剣術Lv.3


耐性系スキル

痛覚耐性Lv.9


魔法スキル

生活魔法Lv.2

補助系スキル


生産系スキル

料理Lv.5、裁縫Lv.3


称号

復讐者


加護


 マルクとリコリスの子供。



 そこまでステータスを覗いたところでガネトリーを蹴落とした女性が動き出し、俺はステータスから目を離してリリアーヌ本人に目をやった。

「アハハハハハハ! やった、やってやったわ! アハハハハガフッ」

 ガネトリーを蹴落としたリリアーヌは狂気に満ちた笑い声を上げながら短剣を取り出して自身の首を躊躇無く切った。

 リリアーヌの首からはおびただしい量の血が噴き出し辺り一面を真っ赤に染め上げた。

 余りの出来事に俺は一瞬動きを止めたがすぐに頭を働かせて何をするべきか考えた。


 ガネトリーを殺したリリアーヌのステータスには復讐者の称号があった。ならリリアーヌはガネトリーの被害者又はその関係者だろう。では何故今このタイミングで死を選んだか? 復讐を遂げたから。

 なら今俺がすべき事は? リリアーヌを助ける? でも今助けたところでリリアーヌがまた自殺を図るかもしれない。それならいっそこのままリリアーヌが死ぬのを黙って見届けるか? それは無理だ。自分が善人では無いのは分かっているが助けられるかも知れない者を見捨てるのは気分が悪い。それなら俺がする事は一つ。


「誰でもいい、あの女を死なすな!」

 考えた結果俺はそう言いながら自分のステータスを開いてガネトリーを殺したリリアーヌを少しでも延命する事が出来そうな光魔法に解析に使ったスキルポイントを戻して注ぎ込もうとした。だがLv.3までスキルポイントをつぎ込んだところでレベルアップがグレーアウトしレベルを上げられなくなった。

 

「クソッ、ならこのまま、白き光よこの者の傷を癒やし給えヒール」

 俺はレベルが上げられない光魔法に悪態を吐きながらLv.2で使える様になったヒールを何故か頭に浮かんでくる詠唱文を唱えてリリアーヌにかけた。

 だが付け焼き刃のヒールでしかも大量に血が流れている傷を塞ぐ事が到底出来る筈もなく、俺のヒールはリリアーヌの出血を少し抑える程度の効果しか出なかった。


「白き光よこの者の深き傷を治し給えハイヒール」

 その時、俺の言葉を聞き入れてくれたのか誰かがリリアーヌに回復魔法をかけた。

 回復魔法を使ったのはさっきドラゴンと戦っていた魔法使いの一人のようだった。

 さらにその魔法使いは周りの人たちにも回復魔法をかける様に促してくれた様で周りにいた魔法使いたちもヒールやハイヒールをリリアーヌにかけていき、リリアーヌの首の傷は一応塞がった。


 リリアーヌが一命を取り止めた事をステータスのHPの低下が止まった事と状態の出血、切創が消えた事で確認した俺はホッと一息ついた後、王女様にリリアーヌを保護する様に進言した。

「王女様、とりあえず何故あのような事をしたか知るためにも彼女を捕らえるべきかと」

「そうですね。何故あの様な事をしたのかは予想が付きますが確認の為にも彼女は丁重に捕らえさせます。誰か! 彼女を王城の医務室に連れて行きなさい! また彼女が自殺を図らない様に武器等は没収して暴れた際は取り押さえなさい」


 王女様もリリアーヌが何故あんな事をしたのか予想はしていた様で、悲しげな表情と怒りの表情が混じった様な表情を見せながらリリアーヌを保護する様に騎士に命じた。

 王女様の命令を聞いた騎士たちは倒れているリリアーヌを担架たんかに乗せて王城に向かって行った。


 騎士たちがリリアーヌを王城に運んでいくのを見送った王女様は残った騎士たちに色々と命令をした後、俺の方を向き直り口を開いた。

「では私たちも一度王城に戻りましょう。そういえばウォレン老師は……」

 王女様はそう言いながらウォレンさんを探す様に周りをキョロキョロと見回した。

 俺もそういえばさっきから色々あったのに声を聞いてないなと思い王女様と一緒にウォレンさんを探した。


「あっ」

 王女様の驚いた声を聞き俺もそっちに視線を向けると床に倒れているウォレンさんを発見した。

 俺はすぐに鑑定を使って状態を確認してホッとした。

「王女様、大丈夫ですよ。ただの気絶です」

 ステータスの状態にそう出てるから間違いない。それにHPが殆ど減ってないのですぐに死ぬ様な事はないはず。


「えっ、えっそれは大丈夫ではないのでは?!」

 俺の言葉を信じきれていないのか王女様はオロオロしながらそう言った。

「大丈夫ですよ、一応俺がヒールをかけておきますから。白き光よこの者の傷を癒やし給えヒール。これで大丈夫です。ウォレンさん、起きて下さい」

 あまりに王女様が心配をするので俺はウォレンさんにヒールをかけてからウォレンさんを叩き起こした。

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