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第135話 ガネトリー、死刑になる

前回のあらすじ

ガネトリーの刑が決まる

ガネトリーの家族の刑も決まる

俺、メイドたちに着せ替えられる

「ユーマ様、お待ちしておりました。どうぞこちらに」

 メイドリーダーに連れられ法廷に入った俺に王女様がそう言って椅子に座る様に促して来た。

 俺は王女様の誘いに乗り王女様の横に座るウォレンさんの横に座った。

 俺が椅子に腰掛け王女様が兵士たちに何か命令を出してから数分経った頃、憔悴しょうすいし切ったガネトリーが兵士たちによって連れて来られた。

 兵士によって連れて来られたガネトリーは法廷の真ん中あたりに立たされ、兵士たちが両脇に待機したところで王女様が口を開いた。


「それではガネトリー卿の裁判を始めたいと思います。ガネトリー卿を前に」

 王女様がそう言うとガネトリーの両脇に控えていた兵士たちがガネトリーの背を押して壇上の手前までガネトリーを移動させその場にひざまずかせた。

 王女様はガネトリーが跪いたところで再び口を開いた。

「ガネトリー卿、これから貴方に判決を下したいと思います。心してお聞きください。貴方はこれまで罪の無い幾人もの人々を自分の利益の為にだまし、おとしいれ、殺した。その他にも多額の賄賂わいろに加え違法な奴隷の所持など多くの罪を犯しました。よってガネトリー卿には残念な結果となりますが私は貴方に死刑を言い渡したいと思います」

 王女様はガネトリーが行った犯罪を述べていき、ガネトリーが許されないことをしたと言う下地を敷き、心理的ハードルを下げたうえでガネトリーに死刑を言い放った。


 死刑を宣告されたガネトリーが何を言うのか固唾かたずを飲んで見守っているとうつむいていたガネトリーが肩を震わせながら口を開いた。

「っぐぅ、私は、私は……。ガァァァ、何故だ何故だ何故ダァァァ! 私は貴族だぞ! 自分の利益の為に人を殺す事など貴族なら誰でもやっている事だ! 王族もやっているのに何故私だけ罰せられなければならないんだ! こうなったらお前等も道連れにしてやッガ」

 消え入りそうな声で話し始めたガネトリーだったが死を前にして遂に本性を現し、歪んだ価値観をさらけ出した後、壇上に座っている王女様に駆け寄ろうとして来た。


 だがそれを周りの兵士が見逃すはずもなく、ガネトリーは二歩進んで三歩目を踏み出すタイミングで兵士たちに取り押さえられた。

 取り押さえられたガネトリーは何とか抜け出そうと必死に足掻き、兵士たちに暴言を吐いていたがそんなガネトリーを見かねてか王女様が兵士たちに命令をした。

「兵士の皆に告げます。裁判はこれにて閉廷します。速やかにガネトリー卿を牢に入れ逃げ出さない様に厳重に見張りを立てなさい」

 王女様の命令を受けた兵士たちは未だに足掻き続けるガネトリーを殴って大人しくさせ、引き摺る様に法廷から連れだして行った。


「これで裁判も一先ずは終わりです。ユーマ様、これまでお付き合い頂き誠にありがとうございます。この後の事はこちらでやりますのでユーマ様は先にお休みください」

 王女様がそう言うとメイドリーダーがやって来て「どうぞこちらへ」と言って俺を着替えをした部屋まで連行した。


 一言も発することなく裁判が終わり俺あの場に居る意味あったか? と思いながら着替えをした部屋に入るとそこには先ほどと同様にメイドたちが手ぐすねを引いて待っていた。

「さぁユーマ様、お着換えの時間です」

 メイドリーダーが俺にそう告げるや否やメイドたちが俺から服を剥ぎ取り着替える前に着ていた服をもの凄い速さで着せていった。その間なんと三分ジャスト(俺の体感)。

 メイドたちによる着せ替えを終えた俺は荒んだ心を癒すために無限収納アイテムボックスからコーヒー牛乳を取り出しやけ酒の如く一気飲みした。

「うっぷ」

 1Lの一気飲みはやりすぎだったなと思いながら腹を押さえている俺に一人のメイドがおずおずと話しかけて来た。

「ユーマ様、それは一体……甘い匂いがするのですが?」

 コーヒー牛乳の甘い匂いに反応して他のメイドたちも俺に視線を向けて来る。

 一種のホラーのような状態に耐えかねて俺は何を飲んでいたのかを白状することにした。


「これはコーヒーに牛乳と砂糖をふんだんに入れた飲み物です。まだまだあるのでどうぞ」

 女性が甘いものを欲しがるのは何処の世界でも共通なようで俺が無限収納アイテムボックスから人数分のカップを取り出してそこにコーヒー牛乳を注いで差し出すとメイドたちは目にも止まらぬ速さで我先にとカップを手に取り一瞬で飲み干した。

「なにこれ、コーヒーなのに飲みやすい」

「はぅ、こんな飲み方があったなんて」

「甘~い♡」

 メイドたちは思い思いに感想を言い合っていたがカップ一杯では足りなかったようで空になったカップを俺に見える様に傾けながら無言の圧力を掛けてきた。

 俺はメイドたちの圧力に屈し、彼女たちが満足するまでコーヒー牛乳を注ぐマシンとなった。

 それから1時間ほど掛けてメイド一人につき2Ⅼほどコーヒー牛乳を捧げると急にメイドたちの様子が変わった。

メイドたちの身に何が起こったのか。

次回をお楽しみに

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