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第130話 尋問前の休息に昼食を

前回のあらすじ

ガネトリーの不正の証拠となる書類を読む

書類から読み取れる情報から尋問の内容を打ち合わせる

昼食の時間まで話し合う

「ふう、もうこんな時間ですね」

 話し合いが一段落したところでふと窓の外を見た王女様がそう溢し、俺も王女様に釣られるように窓の外を眺めて太陽が真上に来ていると気付いた。

 そう気付くと虫のいいことに腹の虫が騒ぎ出し、結構時間が経っていたんだなと思っていると食堂で見たことがあるようなメイドが部屋の扉をノックして入って来た。


「失礼します。昼食の用意が出来ましたが、いかがなされますか?」

「食堂の方で頂きます。ユーマ様もそれで構いませんか?」

 部屋に入って来たメイドは一礼をした後、王女様に向かって昼食はどうするのかと簡潔に用件を述べ、王女様はその質問に食堂で食べると答えた後、俺にもそれで良いか同意を求めてきた。

 俺は特に問題があるわけでもなかったので「いいですよ」と返し、メイドの案内で俺たちは食堂まで移動した。


 食堂にやってくるとすでに姫姉たちやウィンダムさんたちが席に着いて談笑をしながら待っていた。

 王女様と一緒にやって来た俺がまず席に着いてからウォレンさんと王女様が席に着いた。

 席に着くとすぐにメイドたちがテキパキとテーブルの上に料理を並べていき、ものの数分で席に着く全員の前に昼食の料理が並べられた。


 今日の昼食はスペアリブのトマト煮とキャベツと豆とコーンのコールスロー、そしてバスケットに斜めにカットされた手の平サイズのバゲットが五枚入っていた。

 料理が出そろったところで王女様たちは食前のお祈りをし、俺たちは「いただきます」をしてから昼食を食べ始めた。


 いただきますをした俺はまず食事のスタートはまず野菜からと言わんばかりにキャベツと豆とコーンのコールスローに手を付けた。

 キャベツとコーンの程よいシャキシャキ具合に茹でられ柔らかくなった豆が良いアクセントを出していて和えられているマヨネーズとも上手くマッチしていて食べやすい優しい美味しさに仕上がっている。

 メインに行く前に食べるに相応しい一品だと言わざるを得ないと感じながらパクパクと食べ進めていつの間にか完食してしまった。


 コールスローを食べ終えてしまった俺はメインを食べるときの口直しに少し残しておけば良かったと若干後悔しつつも気を取り直して美味しそうな匂いがするメインのスペアリブのトマト煮に手を伸ばした。

 スプーンで触れただけで分かるほどホロホロに煮込まれたスペアリブは少し力を入れるだけで簡単に骨から肉を剥ぎ取れ、一口食べれば様々な材料から作られたであろうスープの旨味にトマトの酸味と甘み、そしてスペアリブ本来の肉汁が溢れだして旨味のハーモニーを奏で口の中を彩った。

 トマトで煮込むことであっさりさを出しつつもパンチのあるスープの旨味に舌鼓したづつみを打ちながら、これだけ美味いならバゲットと合わせても美味しいはずとバゲットに一口大に取り分けたスペアリブを乗せてその上からスープを掛けて食べてみる。

 バゲットの外側のカリッカリがトマト煮のスープを吸って硬さを残しつつも少し柔らかくなってパリパリになり、内側のふわふわな部分はスープを受け止めてしっとりになり、バゲット単体として食べるよりも美味しくなっている。

 そこにホロホロのスペアリブが合わさって様々な触感で口の中を楽しませてくれる。

 俺はしっかりと味わい、噛みしめながら食べ進め、気が付くと全て平らげてお腹も大満足と言わんばかりに満腹になっていた。


 食べるのが早かったのか一番に食事を食べ終えた俺は食後のコーヒーを飲みながら他の人たちが食べ終えるのをのんびりと待ち、俺がコーヒーを飲み終える頃に全員が食べ終えた。

 全員が食べ終えメイドたちが食器を下げたところでデザートがやってきた。


 食後のデザートにはレモンの輪切りが中央に一枚とそれを囲むかのように四つのブルーベリー、それを引き立たせるかのようにそっと端に添えられたミント、そしてそこに黄金にきらめく蜂蜜が掛けられたヨーグルトが出てきた。

 トマトで煮てあっさり目に仕上げていたとしてもそれなりに脂っこいスペアリブを食べた後にもこれならさっぱりとしていて食べられるだろうと思いまずはヨーグルトを一口食べた。

 ヨーグルトのさっぱりとした清涼感に加え、ほのかに感じられる甘すぎないのに後引く旨さの蜂蜜が口の中を洗い流すかのようにさっぱりとさせていく。


 次はブルーベリーと一緒ならどうかと食べてみた。

 ブルーベリーの甘酸っぱさがさっきの味に合わさってさらに甘みに深みが出来て美味しい。

 そんな甘さを実感した俺は残ったブルーベリーも勢いに任せて全部食べてしまった。

 最後に残されたのはたった一つしか入っていない輪切りのレモンとミント。

 俺はミントはいつも最後の口直しに食べる派の人間なので輪切りのレモンを残ったヨーグルトと一緒に口に放り込んだ。


 食べて分かった、このレモンの輪切りは蜂蜜に浸けられていたんだと。

 レモンの輪切りから感じる蜂蜜の甘さはヨーグルトに掛かっていた蜂蜜とはまた一味違ってレモンの酸っぱさが加わったブルーベリーとも違う甘酸っぱさになっていた。

 その甘酸っぱさがまたヨーグルトと上手く合わさって余計な後味の残させないまま綺麗に溶けていく。

 最後にミントを食べデザートを食べ終えた俺は至福の一時だったと思いながらご馳走様をした。



つい食事のシーンを書いてしまいました。

次回こそはガネトリーの尋問を書きたいと思います。

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