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第127話 メインディッシュは白身魚のフリット~タルタルソースがけ~

前回のあらすじ

姫姉の部屋にお邪魔する

姫姉とイチャイチャする

メルリアさんが意外と乙女だった

 あれから姫姉たちの着替えが終わって部屋から出てきたところを見計らって俺も部屋から出てメルリアさんの様子をうかがったが、さっきとは打って変わって落ち着いた様子で何事も無かったかのように俺たちを食堂まで案内した。


 食堂内に入ると先にウィンダムさんたちが来ており、俺たちはウィンダムさん達に軽く挨拶をしてからいつもの席に着席した。

 先に来ていたウィンダムさんたちと俺たちが他愛の無い会話をしていると王女様とウォレンさんが食堂内にやって来た。

 王女様とウォレンさんがいつもの席に着席したタイミングでメイドたちが全員の前に前菜を手早く配膳していき、全員の前に出揃ったところで王女様たちが食前のお祈りをし、俺たちは「いただきます」と言って夕食が始まった。


 いただきますをした俺は前菜として出された一口大に切られたレタスとトマトとチーズに黄色味がかったドレッシングのかかったサラダを軽く混ぜてから全ての具材を一つづつフォークで刺して口に運んだ。


 まず初めにレモンの爽快な香りが鼻を突き抜けてきて、そこに具材であるトマトの酸味とモッツァレラチーズのミルクの甘み、そしてドレッシングの程よい甘辛さとレモンの酸味とが程よくマッチして、そこに瑞々(みずみず)しいレタスのシャキシャキ感が良いアクセントとなってあっさりとしながらも酸味が食欲を引き立たせている。

 

 俺は心の中で前菜の味をそう評価しながら食べ進め、周りの皆も同じようなタイミングで前菜を食べ終えた。

 全員が食べ終えたのを待ってましたと言わんばかりにメイドたちが手早く前菜の器を下げ、メインディッシュの白身魚のフリットのタルタルソース掛けと白パンそしてオニオンスープを並べていった。


 俺は並べられた料理の中からまずはメインとなる白身魚のフリットに手を伸ばした。

 ナイフとフォークを使い白身魚のフリットを一口大に切り分け片面にタルタルソース付けて口に運ぶ。

 サクッ。衣を歯で噛んだと時の音と触感を感じた後、中からふわっとした白身魚から溢れ出る優しい魚介の味、そしてそれ等を包み込み引き立たせる卵の味が濃厚なのに味の調和を崩さないタルタルソースが口の中で絶妙なハーモニーをかもし出す。


 コレはパンに挟んでバーガーにしてもいいかもしれないと思いながら、次に手を付けてなかったオニオンスープも味わおうとスプーンですくった。


 スプーンを口元に運んだところでコンソメとオニオンの強烈で、でも優しい香りが鼻から入ってきて食欲を掻き立てる。

 俺はスープの香りから感じる旨味に胸を膨らませながら一口、コンソメのパンチのある味にオニオンの甘みが加わって奥行きのある旨味となって喉を駆け抜けていく。


 俺は期待以上の旨さを出してきたオニオンスープの味に心を躍らせながらもう一口飲み、次は白パンを小さく千切ってスープに浸してからスプーンで掬って食べた。

 ふわふわの白パンがオニオンスープをひたひたに吸ってオニオンスープの強烈な旨味と後からほんのりと感じる白パンの甘味が合わさって旨さの相乗効果を発揮してた。


 その後俺は白パンを半分に千切って白身魚のフリットを乗せバーガーにして食べつつ、オニオンスープにはまた白パンを小さく千切ってスープに浸して味を染み込ませて食べ進めて、気が付くと俺は出された料理を完食していた。


 料理を食べ終えた俺は出された料理に満足しながら一服ついていると周りの皆も続々と食べ終えていき、最後に王女様が食べ終えたところでメイドたちが食事の終わった皿を片付けていった。

 その後メイドたちが俺たち一人ひとりに「デザートにチーズタルトをお持ちしますがお飲み物は何になさいますか?」と尋ねてきて俺と田中さんは「コーヒーで」と答え、姫姉と少女は「紅茶で」と答えていた。

 

 全員分の飲み物のリクエストを聞き終えたメイドたちはいったん下がり、数分後にチーズタルトと飲み物を持って戻って来て全員の前にデザートと飲み物を置いていった。

 俺はデザートを食べる前に口の中に残った料理たちの残り香を洗い流すようにコーヒーを一口飲んでからフォークでチーズタルトを一口サイズに切って食べた。


 濃厚でクリーミーなチーズの旨味が口の中でほわっと広がり、ほんのりと感じるレモンの酸味がさらにチーズの甘さを引き立たせつつも甘ったるく感じさせない様に引き締めの効果も出している。さらにバターの芳醇ほうじゅん)な香りがただようビスケット生地もチーズ部分とはまた違う甘さを出していて最高すぎる。


 俺はチーズタルトを一口食べてそう心の中で呟き、その後はゆっくりと味わいながらチーズタルトを食べ進め、最後に口の中に残った余韻よいんを惜しみつつもコーヒーを飲んで締めくくった。


 俺がデザートを食べ終えて周りを見回すと他の人たちはまだ食べている様で、姫姉は笑みをこぼしながらチーズタルトを美味しそうに食べて、少女は口の端を少しだけ上げて嬉しそうに食べていた。

 

 それから全員がデザートを食べ終えたところで王女様が食後の挨拶をしてその後に、俺に向かって「明日の予定として取引で手に入れた書類を調べ終えたので、明日からガネトリーの尋問を始めたいと思います」と言って来た。

 俺は王女様からの言葉に「分かりました」と了承の意味を込めて返し、王女様は俺の返答を聞いて「ふぅ」と息を吐いた後、「では、明日宜しくお願いします」と言って食堂を後にした。


 王女様の退室後、皆それぞれ食堂を退室していき俺たちも自分たちの部屋に戻っていった。

 部屋に戻った俺は明日からのガネトリーの尋問のことを考えながら寝る準備をして床に就き、ベッドの中で明日からまた忙しくなりそうだなと思いながら微睡まどろみの中に落ちていった。








今回はなんとなく会話を極端に減らして料理の描写にのみ力を入れてしまいました。

次回からは主人公たちは普通に会話します、たぶん。

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