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第126話 姫姉とのイチャイチャタイム

前回のあらすじ

スライクさんに会いに行く

ローガン侯爵に声をかけられる

生きた心地がしない話し合いをする

 ローガン侯爵との話し合いが終わり彼が立ち去った後、空が夕焼けに染まっていることに気が付き俺もスライクさんに挨拶をしてスライムの館を出て王城に戻ることにした。


「はぁ、今日は休みの筈なのになんかどっと疲れたな。早く戻って部屋で休も」

 俺はそう独り言ちながら全域マップと透視盗撮で障害物や絡んできそうな奴が居ない最短ルートを調べ、それに従って王城の前まで戻って来た。

 俺はまた兵士に絡まれるのを避けるために無限収納アイテムボックスから身分証代わりのギルドカードと一応の何か言われた時用に勲章を取り出して兵士に見せた。

 絡まれるかもという想像とは裏腹に俺は呆気あっけなく王城に通された。

 兵士たちの対応に拍子抜けしつつ俺は王城入りマーキングしておいた姫姉の位置情報で姫姉が暗殺者だった少女と二人で部屋にいる事を把握しそこに向かった。

 

「姫姉、俺だけど今良い?」

「今開けるね」

 部屋の前までたどり着いた俺は部屋の扉をノックして姫姉に入室の許可を得るために訊ねると姫姉は俺の問い掛けにそう答え、直ぐに扉を開けて俺を中に招き入れてくれた。

 姫姉がベッドに腰掛け、俺が椅子に座ったタイミングで姫姉が話しかけてきた。

「お帰り、優君。それで久しぶりの休みはどうだった?」

「あ、あぁ色々あってすごい疲れた」

 俺は姫姉のその質問に遠い目をしながら冒険者ギルドでのことやスライムの館で会ったローガン侯爵とのことを思い出しそう答えた。


「その様子だと楽しめなかったみたいだね。よしお姉さんが慰めてあげよう」

 俺の表情から何かあったんだろうと察した姫姉はそう言うと腰掛けているベッドを軽く二回叩いて俺に横に来るように誘って来た。

 俺は姫姉のその優しさに甘えて姫姉の横に腰掛けると行き成り姫姉に肩を引き寄せられてバランスを崩し、姫姉の柔らかい太ももに頭を押し付ける格好になってしまった。

「姫姉、何を?」

「たまにはこういうのも良いでしょ、ゆう君」

 俺は首を回して姫姉の方を見ながら何故膝枕をするのか訊ねると姫姉は俺の頭をナデナデしながら甘い声色でそう言った。


 膝枕状態の俺は姫姉に頭をナデナデされながら程よく引き締まりつつも柔らかさを残す太ももの感触と、女の子特有の甘ったるい匂いに包まれ至極しごくの一時を満喫していたがこちらをチラチラとみてくる視線に気付き俺はそっちに目線を向けた。

 そこには両手で目を隠しながらもその指の隙間からチラチラと俺と姫姉の様子をうかがっては頬を赤らめモジモジとしている元暗殺者の少女が居た。

 俺はそんな様子の少女を見て急に恥ずかしさ湧き上がり、すぐに体を起こして顔を手で覆った。


「どうしたのゆう君?」

 姫姉は俺が急に起き上がった事に驚いて俺の方を見ながらそう訊ねてきたが俺は姫姉のその質問に無言を貫いていた。俺からは何も聞き出せそうにないと感じた姫姉は辺りを見回し、少女が指の隙間からこっちを見ていることに気付いた。

「あぁなるほど。ゆう君ってば私に甘えてるところあの娘に見られたくらいで恥かしがってるの?」

「ああそうだよ。人前であんなの恥ず過ぎだろ」

 姫姉がニマニマと口元を歪ましながら猫なで声で煽るように俺に質問してきたので俺はやけくそ気味にそう答えて頭を掻きむしった。


「そうなんだ、私はゆう君が甘えてきてくれて嬉しかったけどなぁ」

 姫姉は俺の回答にニヤニヤした笑みを浮かべながらそう言って俺に顔を近づけてきた。

 俺は近づいてくる姫姉の可愛い顔、そして前かがみ気味になった姫姉の襟元から覗く鎖骨に鼓動を早めながらもこのままやられっぱなしなのはしゃくだと思い、近づいてくる姫姉を優しく引き寄せ今度は俺が膝枕をした。


「ふぇ、ゆ、ゆうくん?」

 俺の急な行動に姫姉は顔を真っ赤に染め上げながら可愛らしい声を出してアワアワと戸惑っていた。

「さっきのお返しだよ。ほらリラックスして」

 俺は高まる興奮をなんとか抑えながら俺が感じた恥ずかしさを姫姉にも味わって貰おうと未だに両手で顔を覆って指の隙間からこちらを覗いている少女に見せつける様に姫姉の頭を優しく撫でた。

 最初は少女も俺たちのバカップルみたいな行動を指の隙間からチラチラと盗み見るだけだったが、次第に視線を固定していき、最終的には穴が空くかと思うくらいに見つめてきた。


 そんなイチャイチャを少女に見せつけるプレイを全員が顔を真っ赤にしながら終わり時を図っているとタイミングよく誰かが部屋の扉をノックしてきてくれた。

「ヒメナ様方、メルリアです。夕食のご案内に参りました。それとユーマ様がお帰りになっていることは存じ上げたのですが、先ほどお部屋に声をお掛けしたところ室内には居られないようなのです。失礼ですがヒメナ様はユーマ様が何方どちらに居りますかご存知でしょうか?」

 部屋の扉をノックしてきたメルリアさんはどうやら姫姉たちを呼びに来たらしい。

 俺はメルリアさんにどう返事をしようか悩んでいると姫姉が俺の太ももから頭を離し立ち上がって扉の方に向かって行った。

 そして姫姉は扉の向こう側に居るメルリアさんに何かを伝えた後、「着替えるから外に出てて」と言って俺を部屋から追い出した。



 部屋の外に追い出された俺は扉の前で待機していたメルリアさんと微妙な空気の中、メルリアさん頬を赤らめながら見当違いな謝罪をしてきた。

「お楽しみのところお邪魔をしてしまい、申し訳ありませんでした」

「ごっ誤解です! 俺たちはただ膝枕を……しあってただけです」

 俺はメルリアさんのこの誤解はマズいと感じ、誤解を解こうと膝枕をと言ったところでその時の事を思い出して急に恥ずかしさが込み上げてきて声が尻すぼみ気味になってしまった。


「ひ、膝枕ですか?! お二人が仲が良いのは重々承知しておりましたが、まさか膝枕までしておられるとは……てっきり私は手を重ねて会話に花を咲かせているものとばかり、ですが膝枕とは、本当にお楽しみをお邪魔してしまったようですね」

 どうやらメルリアさん的には膝枕もお楽しみ扱いらしい。

 俺はメルリアさんの乙女な一面に驚きつつ、この場を退散するために自分の部屋に逃げ込んだ。


 

新たにラブコメを構想中です。

もしかしたら投稿するかもしれません。

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