表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王妃な王妃とツンドラ王と  作者: 神田 明理
10/29

第10話

園遊会から一週間。王様が私の部屋へ来る事はなく、しばらく顔をみてないな。と思っていたら再会は思わぬ形でやって来た。・・ほんっとに想定外な形で!!


「で、どういう事です?王様?」


・・なんか前にも言った気がするこのフレーズ。


「どうもこうもない。その書類の通りだ。」


最近王妃が王様に説明を求めるというのがはやってるのかしら?そんなことないわよね、でもひと月に2回は多くないかしら?・・いけない現実逃避してた。


「では私ももう一度申し上げます。後宮では側室一人につき使って良い費用が決まっています。ご存知ですよね?」


「ああ」


「そしてそれをまとめて処理するのは王妃である私です。」


「それも知っている。」


「では、今月あがってきたこの決算書はなんでしょう?」


私は問題の精算書を相変わらず人の目を見ない夫の視線の先である机の上に音を立てておいた。


「・・レイアのものだな。」


この男、私が何に付いて説明を求めているか分かっててとぼけてんのね!忌々しい・・


「大正解です。」


・・・満面の笑みで優しく言ってみたけど若干びびってなかった、今?まあ、シュチュエーションおかしいものね。


「レイアの決算書のココ、支出の所、見て下さいね?おかしいでしょう?側室の一ヶ月の規定額の倍以上の金額がでていますよね?」


「・・・」


黙るんじゃないわよ。


「そして、これにはおまけがついていました。こんな多額の支出を認める。という王様の許可証です。・・・はい、どういうことでしょう?これは。」


おかしいでしょう。倍よ?倍!関係ないかもしれないけど、私だってこんなに使わないのよ?しかも何?用途が装飾品、花、で、家具?家具って何?ひと月に3回もダイニングテーブル買い替えますか?いらないでしょ?むしろ邪魔でしょ?


「・・確かに俺が許可を出した。」


「存じ上げております。ですからその理由をお聞きしています。」


落ち着けー、私、落ち着けー。


「・・・」


言わんのかい!?ったく、一国の主が聞いてあきれるわ。


「王様。決まりという物は守らなければ意味を為しません。この額の規定は妥当どころか少し余裕がある程です。実際、この額を使い切っていない方も少なくはありません。こんな簡単な規律が守れない、でも寵妃であれば王様の許可が出るから問題ない。こんなだらしないことでいいのですか?それともあなたはかつて悪行で名を馳せた多くの歴史上の王のようになるおつもりですか?・・・50年前ならこんなやり方でも通用したでしょう。しかし、今この時代は国民も政治に関心を示し、自分たちに不利益になりそうな政策があれば抗議する。役人の行動が倫理にもとると思えば批判する。そういう動きがあるのは当然王様もお分かりのはず。規定額だって国民の大切な税金でなりたっています。こんな事を知られたら王室の威厳も保てなくなりますよ?」


言いたい事はもっとあるけど、今大事なのは許可を取り下げさせるか、額を減らすことだものね・・


「知られなければいい。」


「・・は?」


え?なに?今あなたなんて言った?


「知られなければいい。なぜ国民に王室の経済事情をことこまかに公開しなければならない?どれほど国民が政治に関心を持っていたとしてもこの国は絶対王政。王に逆らうことはできないし、絶対的存在に逆らう勇気もないだろう、それに俺は随分と恐れられているようだしな。まあどっちにしろクーデターの動きがあっても俺やビクトルが気がつかない訳が無い。」


・・まさかこんなにどうしようもない男だったとは、でも彼がこんな調子になったのはレイアのもとに通うようになってからなのよね。女ってこわーい。


「それからレイアは哀れなんだ。」


「はい?」


・・あなたの口から哀れなんて単語が出るなんて。まったく、今日は驚く事が多すぎて疲れて来たわよ。


「側室の選考は王妃の仕事だから知っていると思うが、彼女はまだ11だ。この国で11の少女と言えばまだどこに出るときも母親と一緒で屋敷で生きるすべを教わりながら大事に大事に育てられている頃だぞ?それが親元を離され、侍女だけ連れて知らない女だらけの後宮に閉じ込められて、家族に会う事も出来ない。不憫すぎるだろう?」


それは何か?ようするに私は責められているのか。


「それ故、最も大切な形無いものは与えてやる事が出来ないかもしれないが、金で彼女の心の寂しさを埋められる事があるのなら少しくらいの出費は惜しまないでやろうと考えたのだ。」


・・・それでも、私は冷たいと言われたとしても、この多額の決算書に目をつぶっていいの?・・いいえ、このまま通すなんて無理だわ。でも今のこの王になにを言っても無駄よね。・・直接レイアに会いにいくしか無いかしら・・


「王妃は賢い。だから、レイアに直接会うつもりだろうが、それは無理だ。」


スマ〜イル、スマ〜イル、適度にスマ〜イル。・・お前はエスパーかっ!心読めるの!?私の心いつも読まれてるの!?


「いえ。そこまではまだ考えておりませんが、なぜでしょう?」


「レイアには帰省を許した。」


私から逃がしたって訳ね?以外と冷静じゃない。恋は盲目っていうのがあてはまっている状況nowだと思ってたんだけど。


「そうでしたか。でもだからといって・・」


「王妃、命令だ。」


今度は何?人がしゃべってる途中に命令出し始めないでよ!


「・・なんでしょう?」


「側室を減らせ。」


は?・・・はあ!?










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ