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私、受付嬢になりたいんです!!

毎日投稿予定

よろしくお願いします


「ようこそ、ローベルク冒険者ギルドへ! 本日はいかがなされましたか?」


……ふふっ、やっぱり素敵!

華やかなギルドカウンターの向こう側には、憧れの受付嬢たち。冒険者たちの依頼を受け付け、適切な助言を与え、ギルドの運営を支える存在。


小さい頃から憧れていた職業。それが、私の目指す仕事!


「フィオナ、受付嬢志望です!本日よりこちらで働かせていただきます!」


元気よく挨拶をすると、受付嬢のお姉さま方が微笑みながら頷いてくれた。


「フィオナさんね? 期待の新人さんが来てくれて嬉しいわ」


「はい!一生懸命頑張ります!」


……そう、この時までは思っていた。

まさか、わずか数分後に討伐隊の隊長に連れて行かれることになるなんて──!


「ようやく来たな、期待の新人!」


突然ギルドの奥から現れたのは、赤毛の長身女性──魔物駆除討伐隊の隊長、レイラ。

彼女は私を見るなり、にやりと笑った。


「えっ? えっと……?」


何か話が見えない。


「受付嬢志望のフィオナです! 本日よりギルドで働かせていただきます!」


「知ってるとも。お前、すごい戦闘力だって聞いているぞ。あのギルド長が『実戦向きの逸材だ』と推薦してたからな」


「え?」


「おかげで、正式に魔物駆除討伐隊への配属が決まった。お前みたいな逸材が受付に座ってるなんて、ギルドにとって損失だからな」


「……え?」


「なに、最初の仕事は軽いもんだ。今日は町外れのゴブリン討伐だな。あいにく戦えるメンバーが足りてなくてな。新人とはいえ、お前なら十分やれるだろ?」


「…………」


ちょっと待って。今、何て言った?


「ま、待ってください! 私、受付嬢になりたくて……」


「お前、受付嬢として推薦されたとでも思ってたのか?」


レイラは肩をすくめ、呆れたように笑った。


「ギルド長がわざわざ『推薦する』って言う新人なんて、強くて即戦力になれるやつに決まってるだろ? 受付なんて誰でもできるが、討伐隊はそうはいかないからな」


「いや、でも……!!」


「もう辞令も出てる。お前は正式に魔物駆除討伐隊の一員だ。ほら、装備を渡してやるから、さっそく仕事に向かうぞ」


「いやぁぁぁぁぁぁ!!! 私は受付嬢になりたいのにぃぃぃ!!!」


私の抗議は虚しく、あっさりと魔物駆除討伐隊への入隊が決まってしまった。


……どうしてこうなった!?

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