主な登場人物など
☆あらすじ
王都建国記念祭にて、元〈鹿の角団〉の首魁ハーマンシュタインの圧倒的な能力をみせつけられたアルバート王子たちは、ハーマンシュタインの使役する四大精霊、土の獣に対抗するべく、水の国の〈まぼろしの森〉の奥深く――世界樹の根のみずうみにいるという四大精霊の一角、風の王のもとへと向かう。
しかし、林道で遭難し、たどりついたのは不可解な「戒律」をもつ古風な〈樹海の村〉だった――。
そして、アルバート王子たちを密偵していた元〈鹿の角団〉のザウターとティファナもまた、村の戒律に囚われ、滞在することになる。
〈魔導院〉のマイニエリ師の依頼をうけ、アルバートたちを支援するべく、〈まぼろしの森〉に赴くフィオナ王女とパティたちだったが……。
☆主な登場人物
ヘレン
水の国の女王。かつて偽名で盗賊団連盟に加入していたという噂がある。
フィオナ
水の国の王女。代々の女王の血筋を色濃く継承する、天衣無縫な人柄をした美女で、一流の射手でもある。
アルス
水の国の東海にある〈けむり島〉の領主。素封家として名高い。
レムレス
〈樹海の村〉の住人。色白で銀色の髪をもつ月光のような印象の女性。
ウンブラ
〈樹海の村〉の住人。褐色で大柄の筋骨たくましい青年。
ダグラス
枢機院の騎士。逆だてた髪型と飄々とした態度が売りで、伝説の宝石のかけら――〈湖面の蝶〉に関する聴取で、〈けむり島〉のアルス卿を訪問する。
ステファン
枢機院の騎士。クリーム色の長い髪と面倒見のよさが売りで、伝説の宝石のかけら――〈湖面の蝶〉に関する聴取で、女王都のヘレン女王に謁見する。
ハーマンシュタイン
盗賊〈鹿の角団〉の元幹部。沙漠の国の侵略を機に、〈伝説の宝石〉の収集を開始した首魁。その目的や心情もふくめて、謎多き孤高の人物。いつでもまるで世界に一羽だけ生き残った鳥のような目つきをしている。
ザウター
〈鹿の角団〉の元頭目で、ハーマンシュタインの右腕として大剣をあやつる剣士。熟慮型の慎重派で、ハーマンシュタインに合流するまで警戒を怠らないが、奔放なティファナにいつも悩まされている。第六感がすぐれており、危機回避の能力が高い。
ティファナ
〈鹿の角団〉の元頭目で、ザウターのパートナーを務める召喚士。自由な精神のもちぬしであり、あらゆる状況下も全力で楽しむことができる奔放な性格だが、召喚魔法の温床となる代償で、眠りについてしまうことがある。〈銀の鎖〉で猛獣や魔獣を手なずけ、〈魔女の角笛〉で幻獣や幻虫を召喚することができ、そのすべてに名まえをつけている。
アルフォンス
吟唱詩人。多くの詩作や吟唱で有名だが、正体の知られていない中性的な麗人。実年齢も公表されていないため、まことしやかに「歳をとらない」という過当な噂さえある。竪琴に似た古楽器の伴奏で、幻惑的な世界をつくりだす。
マイニエリ
〈魔導院〉の長で、齢100歳とも150歳ともいわれる謎多き人物。歴代国王の補佐も務める著名な魔法使いだが、みずからを一介の牧師と名乗っている風変わりなところもある。韜晦癖があり鷹揚なそぶりをするが、老練さにもとづいた精緻な判断をつねにしている。
メディア
〈幻の司〉と呼ばれる〈魔導院〉出身の導師。頭髪だけで全身を包めそうなぐらい長いふさふさの白髪をもち、妖精や精霊にまつわる指導を司っている。
パティ
〈魔導院〉所属の魔法使いの少女。精神感応の能力をもち、生きものの記憶や意図を読みとることができるが、相手に起因した能力なので、自発的に魔法を駆使することがなかなかできない。臆病で繊細だが、そのぶん周囲に愛されている。
モカ
マイニエリより、パティにもたらされた謎の小ザル。全身は基本うすい茶色の毛でおおわれているが顔周辺だけは白毛で、胴の長さは二〇センチほどだが手脚をのばすとその倍はあり、しっぽがなく、まるい鼻とキラキラした瞳が印象的。自由闊達だが、わりと的確にパティの手助けをする。
フリーダ
〈魔導院〉所属の魔法使いで、パティの親友。同級生だが、性格は積極的で度胸もあり、まるで姉のようでもある。料理に関する魔法を専攻している。建国記念祝祭でけがをしてしまった。
シャトレ
〈魔導院〉所属の魔法使いで、パティの先輩。薬学に関する魔力や魔法を研究している学者肌の女性であり、銀縁の眼鏡が似合う美人。落ち着いた雰囲気で大人っぽいため、とっつきにくい印象だが、じつは冗談なども通じるし、男女問わず慕われている。
アルバート
沙漠の国の王子。コンプレックスが多く、半笑いの仮面をつけており、ふがいなさをルイに疎まれてもいるが、それゆえに周囲に援助されやすい特性もある。バード・ウォッチングが趣味。〈樹海の村〉でレムレスに好意をよせられ、とまどい、とまどい、とまどう。
ディレンツァ
沙漠の国の宮廷魔法使いで、若くして宰相をつとめた賢才。端整な顔立ちだが、感情をあらわにせず、表情もとぼしい。しかし、才知にまさり冷静沈着で、いざとなると折衝も得手。自然を利用する魔法をあやつるオールラウンダー。〈樹海の村〉でも迷わない。
ルイ
〈舞踏団ルルベル〉の踊り娘。愛嬌ある小動物のような見た目に反して感情の起伏もはげしく、ときに毒舌で、先走りがちな性格。献身的な側面もあるが、いつでも出たとこ勝負。沙漠の国に招聘され、惨禍にまかれたとき、アルバートたちと合流したことで、旅路を共にすることになり、王都に到着したことで従者となる。〈樹海の村〉でウンブラに好意をもたれ、悩み、悩み、悩む。




