平林商店街
平林商店街。
昔、林を切り開いてこの商店街を作ったようでこの名前がついている。
私は秀の横で懐かしい昭和の町並みを堪能していた。
八百屋「お、亜子ちゃん今帰りか?トマト持って行きな!」
亜子「あ、お金!」
八百屋「何言ってんだ。亜子ちゃんお金持ってた事ないだろ。、、、無料だよ。形は少し悪いが甘いぞ!」
亜子「え、たタダ?」
秀「おじさん!亜子頭打ったんで、おかしな事言うけど気にしんどいて!」
八百屋「そりゃあ大変だ!少しは賢くなるかもな!」
秀とオヤジはゲラゲラ笑う。
私はカチンときたので一人であるき出した。
肉屋「あら、亜子ちゃん、お帰り。コロッケ揚げたてよ。歩きながら食べな!」
肉屋の奥さんはアツアツのコロッケを渡してくれた。
亜子「、、、あ、あの、おかね、、、」
肉屋「?おかしな子だね。いつもは2つも3つも欲しがるのに、、、」
私は出来たてのコロッケをかじる。
、、、お、美味しい!素朴だけど牛肉の味が強い。お肉屋さんのコロッケと頷ける。
こうして、私は商店街を抜ける頃には両手一杯に荷物を抱えていた。
亜子「は、は、は、全部タダだよ。お金いらないじゃん。」
秀は亜子の横顔を寂しそうに眺める。
秀「、、、本当に記憶がないんだね、、、でも大丈夫さ。直ぐに思い出すよ!」
亜子「、、、う、うん。」
私達は特に会話も無く、ゆっくりと家路を歩いた。
亜子「、、、ま、まずい。」
秀「?どうした?」
亜子「牛乳買い忘れた。」