朝
ジリリリン、、、目覚ましの音で目を覚ます。
亜子「う、、、ん。あさ?」
ゆっくりと上半身を起こすと暫くボーっとする。
朝の濃いめエスプレッソの準備をする。
毎日のルーティンだ。
?、、、暫くその光景に言葉を無くす。
6畳の部屋、、、壁には学生服が掛けられている。整理されている、、、というか、何もない部屋。
下の階から大声がする。
母「亜子!早く起きな!また遅刻だよ!」
亜子「な、何なの一体?」
訳がわからず部屋のドアをそっと開けると5〜6歳くらいの男の子が立っていた。
ゆう「おねぇちゃん早く起きないとお母さんが怒ってるよ。」
亜子「、、、だ、誰?ここは何処?、、、」
下に降りて行くと背中に赤ちゃんを背負った小太りの女性、おそらく母親だろう。
が忙しく朝ごはんの支度をしていた。
亜子「あ、あの、、、失礼ですが、、、ここは何処でしょうか?」
母親らしき女性はギラっと睨むと亜子に近づく。
母親「つまらない冗談はおよし!早く、ゆうと
甘夏のご飯よそって!」
ゆう「お腹へった!お腹へった!」
甘夏「亜子ねぇちゃん私箸だすね。」
小学校低学年くらいのおかっぱ頭の可愛らしい女の子。
テーブルには少しくたびれた40代の男、恐らく父親だろう。大きなあくびをしている。
父親「ふぁーっ、、、亜子、早く手伝え。」
私は頭がおかしくなってしまったようだ。
その家族?らしき人達に怒鳴られながら朝食を済ますと洗面所へ向かう。
亜子「、、、な、何、?、、、だ、誰?」
鏡に映る姿に思考回路がパンクする。
鏡に映る姿、顔は私の知っている私ではなく、いままで見た事ない全くの知らない顔、、、髪は短く、健康的な小麦肌、ポカリのCMに出てきそうな女の子。
私はポカンとしていると母親が廊下をドカドカ走りながら、ゆうの手を引いて玄関の方へ行く。
どうやら、ゆうは幼稚園へ行くようだ。
母親「亜子!チンタラしてないで早く支度しなよ!かぁちゃん出るから、あんた帰りに牛乳買ってきておくれ!頼んだよ!」
亜子「、、、だ、駄目、思考が追いつかない。」